以前の「ひとこと」 : 2002年9月後半
9月16日(月) LaQ(その6):正十二面体のバリエーション2
LaQ(ラキュー)というブロックで作る立体のご紹介の6回目です。昨日・一昨日と「稜モデル」が続きましたが、今度は面モデルを作ってみました。
写真1 写真2 三角形のパーツで5角錐を作ります。12面体なので、赤・青・黄・緑それぞれ3つずつ作ります。これを黒の水平なジョイントでつなぎます。黒に注目すると、正十二面体の骨格になっています。使っているパーツは、赤・青・黄・緑が、それぞれ三角形15枚とジョイントCを15個ずつ、黒がジョイントAを30個です。
同じ形のものを、ジョイントC60個を全て黒にして、1つの5角錐を5色で作って、隣り合う5角錐の三角形を同じ色になるようにすると、菱形30面体のモデルになります。それが作れるだけの黒のジョイントCがありませんでした。 こちらのLaQ多面体のページでは全部白のパーツで作っているのですが、やはり同じ構成の立体を「菱形三十面体」と説明しています。ただし私のモデルでは細いジョイントA(写真の黒のパーツ)を使っているのに対して、あちらのページでは、幅の広いジョイントBを使われているようです。
<おまけのひとこと>
このページの更新に使っているノートパソコンがあまりに不安定で作業効率が悪いため、この連休でパソコンを新調してしまいました。ノートパソコンの後継機なのでやはりノートにしました。いままでのOSは Windows 98 だったので、安全性はともかくとしてネットワークの設定は易しかったのですが、今度のはWindows XPなので、家にあるほかのパソコンたちの仲間入りをさせるのに結構手間取りました。(なんにも知らないで、設定時のパソコンの表示とヘルプだけに頼ってやろうとするから時間がかかるのでした。でもそれでできなきゃいけないと思います。)快適な環境を作るまでにはまだ時間がかかりそうです。
前のパソコンは、当初はFreeBSDとかLinuxとかWindows98とかを入れていたのですが、ディスクスペースがどんどん厳しくなったのと、USB接続のスキャナやCD-Rドライブなどが Windowsからが一番使いやすかったため、結局最終的にはWindowsだけのマシンになっていました。最近は起動に異常に時間がかかって、しかも不安定だったので、これはなんとかしないといけないと思っていました。
一応今日は新しいパソコンからページを更新しています。新しいパソコンのほうは、スキャナ、プリンタの設定がまだなのですが、それが終わってデータのバックアップも終わったら前のパソコンはきれいさっぱりLinuxマシンに戻そうと思っています。
9月17日(火) LaQ(その7):切頂八面体
今日は、LaQ で密閉型の面モデルで切頂八面体を作ってみました。もともとの正八面体の面に由来する正六角形8枚と、頂点に由来する正方形6枚からなる立体です。パーツは、正六角形を作るのに、三角形パーツを6×8=48枚、同じく水平なジョイントAが48個、正方形が6個、立体の稜に相当するジョイントCが48個です。
写真1 写真2 写真3 写真1が一般的な視点から見たもの、写真2が六角形の面から見たもの、写真3が正方形の面から見たものです。これも余ったパーツで作ったので、色はランダムです。こうして六角形の面を三角形6個で作ってみると、切頂八面体と「ねじれ立方体」はある意味似ているな、と思いました。
<おまけのひとこと>
昨日の最高気温は18度。急に寒くなってきました。慣れないWindows XPの設定等に夜中まで苦労していたら、風邪をひいてしまいました。メールもやっと出せるようになりました。
9月18日(水) PCのキーボード
やっと新しいPCに少しずつ慣れてきました。普段、PCはできるだけキーボードだけで操作するのですが、ノートPCの場合は[PageUp][PageDown]とか、[Home][End]、[Delete][Backspace]等のキーの位置が機種によって違っていて、違う機種だと最初は戸惑います。
これまでのノートPCでWebのブラウジングをする時には、左手の親指が左の[Alt]キーとマウスボタンに相当するボタンを担当し、人差し指がポインティングデバイス、小指が[Tab]キーのあたり、右手の親指がカーソルキー(4つの矢印のキー)、人差し指が[Enter]キー、中指で[PageUp][PageDown]を担当していました。
今回ノートPCを替えたらキーの配置が違っていて、キーボード右端に、上から順に[Delete][Home][PageUp][PageDown][End] と並んでいます。自分がテキストを編集していて、意外と[Home][End]キーを多用していたんだということに改めて気がつきました。今までのPCはこれらのキーがとても小さくて、でも2×3に配列されていて、指先でさわって位置を確認していたのですが、今度のPCではこれらのキーは一列で、しかも大きいキーなので今のところ手元を見て操作しています。
<おまけのひとこと>
昨日は職場で寒くて、冬用のブルゾンを羽織ったら、ポケットに何か硬いものが入っていました。なんだろう、と見てみると、このところ何ヶ月か行方不明だった認印が入っていました。あーこんなところにあったのか、と驚きました。これがみつからなかったのでもう1つ認印を購入したのですが、そのデザインが気に入らなくていやだなと思っていたのでした。これまでも、秋の衣替えの時にしばらく見なかったハンカチが発見されることがよくあったのですが、印鑑というのは初めてです。(まあただの三文判なんですが)風邪がひどくなってしまいました。
9月19日(木) お買い物
すいませんまだPCの話です。
先週末購入したPCは近所の量販店をいくつか回って選んだのですが、お店によって対応がぜんぜん違っていて興味深かったです。ちょっといきさつを書いておこうと思います。
量販店A。うちからはいちばん近いお店でよく利用しています。パソコン売り場に行って、本日購入を考えていること、ノートPCで予算がこれだけであるということ、メーカーの希望は特にないということを伝え、お店としてのお勧めはあるか尋ねました。あわせて支払方法による値引きの差はあるかを尋ねました。とりあえず1つ候補の機種が出てきたのですが、若干予算オーバーだったので「もう少し考えます」と言って次のお店へ。
量販店B。次に近いお店です。最初に寄ったA店とは公然と価格競争を宣言しているお店です。同様に本日購入を考えていることや予算等、A店と同じ話をしました。すると、PCに詳しい担当者に代わります、と言われ、新しく来た店員さんに同じ説明をすると、こちらが何も知らない初心者のように見えたのでしょうか、そんな予算では何も買えませんよ、と言われました。 私もその段階でお店に見切りをつければよかったのですが、つい好奇心から「ではこの予算ではどんなものが買えますか?」と尋ねてみると、「古い型番の在庫品の、なんにもついていないものしか買えないでしょう、でもうちはそんなもの置いてないですよ」とのことです。いかにも「あなた何にも知らないんですね」という口調です。その後もうちょっとだけ話をしましたが、わざわざ「PCに詳しい店員さん」に替わってもらってこれかあ、とがっかりしました。もうこの店には二度と来るまいと思いながら「何も知らなくてご無理を言ったようですみませんでしたね。」とにっこり笑って帰りました。
それから量販店Cへ。こちらの店員さんは今までの中でいちばん親切でよくわかっており、こちらからの希望に対してとても納得できる対応をしてくれました。A店の価格の話をしても、「A店さんだったらその価格は妥当だと思う」と言って、同じものは扱っていないけれどこちらはどうでしょう、という極めて納得できる候補を示してくれました。
結局その日は買わずに帰って検討ということにして、価格.com などで金額を調べ、お店の販売価格がこのあたりで購入する金額として妥当かどうか判断しました。まあB店は論外として、A店、C店とも妥当であろうと思われました。で結局翌日A店に行って、当初検討していたよりもちょっとだけスペックの高いものを購入して帰りました。 C店にしなかったのは、若干遠いということと若干値段が高かったということ、さらに2日目のA店の店員さんの対応がとてもよかったことが理由です。
○ 金額的にはメーカー直販とかのほうが安い場合も多いですが、私は可能な限り近くのお店で購入したいと思っています。これには2つ理由があって、1つにはもし初期不良やトラブルがあったときに、すぐに交換してもらいたいということです。(ですから購入の時には「在庫がまだあるか」を必ず尋ねるようにしています。)1つ前に買ったPCは数年前の12月に購入したのですが、確か12月29日に仕事納めが終わって「さて年賀状をやろうかな」(遅い!)と思った矢先にPCが起動しなくなってあせりました。メモリモジュールのトラブルでした。メーカーのサポートはすでに年末年始休業に入っていて対応してもらえなかったのですが、購入したお店ですぐに交換してくれました。近所で買っておいて本当によかったと思いました。
もう1つは、やはり地元のお店にはがんばって欲しいという気持ちがあって、多少の価格差は自分の将来の暮らしやすさへのささやかな投資だと考えて、地元で購入したいと思っています。たとえば本当は本や楽譜やCDも近所で買いたいのですが、残念ながら欲しい本やCDが売っているお店はもう近所にはありません。このうえパソコンや家電製品まで近所で買えなくなってしまったらいやだと思うのです。
<おまけのひとこと>
旧パソコンで送受信したメールを、新しいパソコンに持ってくるのに意外と手間取りました。Windows系のOSは難しいです。
9月20日(金) ビーズ多面体
しばらくLaQのご紹介をしてきましたが、写真のストックがそろそろ終わりそうなので、別のシリーズを始めます。(まだ写真に撮っていない模型がいくつもあるので、写真が用意できたらまたご紹介したいと思っています。)以前、米粒型ビーズと竹ビーズで作った多面体をご紹介しましたが、ほかの形状のビーズでもいくつかモデルを作ってみていました。それをご紹介しようと思います。
右の写真は、赤・青・黄・緑・紫の透明なボール状のビーズをそれぞれ6個ずつ使って組んだ模型です。それぞれのビーズはちょうど正十二面体の稜を構成するように、ビーズ5個ずつの輪12個で結ばれています。同じ30個のボールビーズを使って正二十面体の稜を構成するように、ビーズ3個ずつの輪20個で作ったとしても、これとまったく同じ模型ができます。ただし糸のかかりかたやビーズの穴の向きは写真の模型とは変わってきます。
このようにボール状のビーズを使って稜モデルを作ると、その双対多面体で作ったものと同じ立体が生成されます。そして出来た模型を「頂点モデル」として見ると、ちょうど多面体の各辺の中点を結んで頂点を切り落とした、中間の多面体のモデルになっていることがわかります。今日の例は正十二面体および正二十面体のボールビーズによる稜モデルは、20・12面体の頂点モデルでした。
同じように立方体および正八面体の稜モデルをボールビーズで作ると、立方八面体の頂点モデルができます。これは伝統的によく見かける構造です。
<おまけのひとこと>
今日の「ひとこと」は何を書こうか直前まで迷って、大急ぎで慌てて書いたので説明がわかりにくいですね。すみません。
9月21日(土) 球ビーズ多面体:稜モデルから頂点モデルへ
昨日、球ビーズによる多面体の写真を1枚ご覧いただきました。ビーズというのは本当にいろいろな形状のものがありますが、普通はいずれも穴が1つだけ空いています。ですからそこに糸などを通して何か作れるわけですけれども、多面体モデルを作る場合は素直に考えるとビーズが稜に相当する構造になります。以前ご紹介してきたもの(5月9日のひとことから10日間ほどご紹介しています)はそのあたりを意識して、細長いビーズを使ってモデルを作っていました。
ところが球状ビーズを用いると、ビーズは稜ではなく頂点であるような印象を持ちます。ちょっと図で簡単に説明してみます。
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図 1 図1は、正方形を球ビーズ4個で作ってみた時のものです。図の右側のように、白いビーズは青い正方形でそれぞれ串刺しにされます。(図の都合上、青い正方形には角がありますが、実際に糸やゴム・テグスなどで結ぶとこの角はなくなります。)この4個のビーズの配列を見ると、私たちは青い正方形よりもビーズの中心を結んだ赤い正方形(菱形)の印象を持ちます。つまり、糸の通り方に注目すると稜モデルになっているのですが、ビーズそのものは頂点モデルのように見えるのです。
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図 2 では球ビーズを各辺2つずつ使って多面体モデルを組んだらどうなるでしょう? これも簡単のため、平面の正方形で図を作ってみました(図2)。 実際の模型では、最初に8個の球ビーズを輪にした段階では、まるで数珠のようにきれいな円になるのですが、多面体として組んでいくとちゃんと稜の部分、頂点の部分が分かれてきて、図のように稜の部分の糸はまっすぐになります。(稜の部分は両側の面を構成する輪によって逆方向に引っ張られるためです。)
この場合はどうなるかというと、稜の中央を残して頂点を切り落とした、いわゆる切頂多面体の頂点モデルになります。切頂立方体や切頂八面体、切頂二十面体(いわゆるサッカーボール)などを作ってあるので、確か写真があったはず…と思ってハードディスクの中を探したのですがみつかりませんでした。明日以降、写真が撮れたらご紹介します。
<おまけのひとこと>
今日は小学校の運動会です。晴れてくれたおかげで、さきほど朝6時に「本日開催」の合図の花火が上がっていました。朝8時から午後3時までまる1日です。
岩波書店から出ているちょっと小ぶりな絵本のシリーズの中に、「やまのこどもたち」「やまのたけちゃん」という本があります。(このページによると、品切れのようです。) その中に運動会のシーンが出てくるのですが、あんな感じの運動会で、お昼は子供たちは観戦に来た家族とお弁当を食べることになっています。
今はもうだいぶ寒くて、動いている子供たちはいいんですが、ただ座って見ている方は風が冷たくて大変です。これから準備をして出かけます。
9月22日(日) ビーズ多面体:稜を2個の球ビーズで作る
ビーズ多面体で、稜を2個の球状ビーズで作ると、切頂多面体(truncated pollyhedron)の頂点モデルになるという話を昨日説明しました。写真を1枚だけ撮ってあったのを見つけたので、今日は写真で実例をごらんいただこうと思います。
図1 図2 図3 図1は切頂二十面体の球ビーズによる模型です。バックミンスターフラーレン(C60)という炭素の分子がありますが、ちょうどその形状モデルになっています。この形状を説明する図を作ってみました。図2、図3とも図1の写真に線を描き加えたものです。
図2は糸(手芸用ゴム)のかかり方を説明したものです。この模型は1辺に2個のビーズを持つ正二十面体として組みます。でもゴムの張力によって、面は三角形ではなく六角形になります。
図3は出来上がった模型の各ビーズの中心を、見えている側だけ線で結んでみたものです。こうしてみると切頂二十面体(サッカーボール)の構造になっていることがわかりやすいかと思います。
○ こういう模型は写真で見てもなんだかよくわからないと思います。ちなみにここで使っているビーズは、100yenショップのダイソーにあったもので、20色それぞれ20粒ずつがセットになっているものを3セット購入してつくりました。(写真のものはC60というくらいですから、60粒使っています。)純粋にビーズの材料費だけでいうと15円です。(というか300円で20個作れる、というか…)
<おまけのひとこと>
昨日は子供の小学校の運動会でした。うちの子は偶然にも毎年必ず赤組で、しかも入学以来毎年負けていたのですが、今年は初めて赤組で勝てた、と喜んでいました。
昨日もちょっと書きましたが、昔ながらの地域の大イベントとしての運動会という雰囲気なものですから、家族が参加する競技がたくさんあります。全部で25種目のうち、6学年それぞれの親子競技、低学年は祖父母と児童の競技、PTAだけの競技など、3分の1は家族が参加する競技でした。中学生や高校生の兄弟などもちらほらと観戦していたり、高校生のお兄ちゃんが父親のかわりに親子競技やPTA競技に出場してくれたり、きっといまどき珍しいのではないかと思います。
私が参加した2種目(親子競技とPTA綱引き)はいずれも赤組が負けてしまったのですが、全体としては赤が勝ってくれてほっとしました。昨日の綱引きのせいで、今日はお約束の筋肉痛です。
9月23日(月) LaQ集合写真
LaQ集合写真 「あそびをせんとや・分室」の方に、久々に写真を1枚載せました。先週、数日にわたってご紹介してきたLaQのモデルの大きさの違いをご覧ください。
<おまけのひとこと>
今日の更新は手抜きです。
9月24日(火) 問題
昨日読んでいた本に出ていた、パズルのような問題をいくつかご紹介します。
問1
あるお城にはすべて同じ大きさの四角い部屋が8×8に並んでいて、外周を除くどの壁にもドアがついていて、隣の部屋には自由に行き来できます。また床はすべて白く塗られています。毎朝ペンキ屋が城の中を歩き回り、訪れた部屋が白い床なら黒く、黒い床なら白く塗っていきます。(入った部屋の色を変えないで出て行ってはいけません。)城の外周にもすべてドアがあったとして、この城の床をチェス盤のように白黒の市松模様にすることはできるでしょうか?
また、もしも外周にはドアが1箇所しかなかったとしたらどうでしょう? ドアの位置は4通り考えられますが、そのそれぞれの場合においてチェス盤のように塗ることは可能でしょうか? (ペンキ屋は最後は城の外に出ていなければいけません。)
問2
平面が2色に塗られています。同じ色で塗られている1メートル離れた2点があることを示しなさい。問3
ゆで卵の時間を計るエッグタイマーが2つあります。1つは7分、もう1つは11分を知らせてくれます。今、卵を15分間ゆでたいのですが、この2つのタイマーだけを使ってどうやって計ればいいでしょう?○ ときどき、問題を出してはなかなか解答を書かなかったりしていますが、今回はちゃんと簡単な解説を書きます。
<おまけのひとこと>
子供たちの将棋熱はまだ続いています。家に何か将棋ソフトはないかな、と探してみたら、1つだけPC-9801用のフロッピーのソフトを見つけました。昔のハードディスクもついていない古いパソコンを引っ張り出してきてみたら、フロッピードライブが反応しなくなっていて、フロッピーからは起動しませんでした。
9月25日(水) 問題解説
昨日の問題の解説を書きました。こちらです。3問とも答を書いてあります。
○ メールで教えていただいたのですが、昨日の問題の2番は2色でなくて3色でも成立するんだそうです(まだ証明が思いつかない私)。「距離が1離れている任意の2点の色が必ず異なるように平面を塗り分けるには何色必要か?」という未解決の問題があるんだそうで、昨日の2番は、少なくとも2色では足りないことを示せ、というものでした。
<おまけのひとこと>
まずは色数の上限を考えようということで真っ先に思いついたのが、対角線の長さが1よりもほんの少し短い正方形の格子で、これを9色で3×3のマス目を1色ずつ塗って、それを周期的に繰り返せば条件を満たすように思います。
9月26日(木) 三山くずしのバリエーション
昨年の5月2日に、三山くずしというゲームの話を書きましたが、その簡単な変形を考えてみました。これは三山くずしよりずっと簡単な必勝法があります。先手と後手のどちらが勝つか、またそのときはどのようにプレイすれば勝てるかわかりますか?
ゲーム1
A,B,C 3つの容器を用意します。容器Aに、碁石を20個入れます。自分の手番のとき、以下の3つのうち、どれか1つの操作をします。1). AからBへ碁石を移す。 2). BからCへ碁石を移す。 3). Cから外に碁石を出す。 移す碁石の数はお好きなだけ、1個でも2個でも全部でもかまいません。先手と後手が交互にプレイして、最後に移せる碁石がなくなってしまった人の負けです。ゲーム1'
下の図のように、20個のマス目の左側3箇所に3個の駒(青マル)を置きます。自分の手番のとき、駒を1つ右側へ好きなだけ動かします。ただし駒を飛び越したり重ねたりすることはできません。最後に動かせなくなった人が負けです。
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ゲーム2
ゲーム盤と初期配置はゲーム1'と同じです。ただし今度は駒の動きが違います。駒は、1).右隣が空いていたら、そこに動かせます。または 2).右隣に駒があってその先が空いていたら、隣の駒を飛び越して2つ右の空いたマスに動かせます。これ以外の動きは認められません。やはり最後に動かせなくなった方が負けです。
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○ ゲーム1とゲーム1'はほぼ同じ問題になっているのがわかりますか? 同じようにゲーム2の別の表現を考えたかったのですが、おもしろいものを思いつけませんでした。
<おまけのひとこと>
昨日の「距離が1離れている任意の2点の色が必ず異なるように平面を塗り分けるには何色必要か?」という問題について、http://www.ics.uci.edu/~eppstein/junkyard/plane-color.htmlというページを教えていただきました。15年近く前に NetNews の sci.math に投稿された記事のようです。これによると、六角格子を考えると7色で十分、3色では足りないことが簡単に証明できるので、問題の色数は4から7の間、と書かれています。なるほど。
9月27日(金) 鳩の巣原理
「納戸のたんすの引き出しに、黒い靴下と白い靴下がそれぞれ何足分か、片方ずつばらばらになって入っています。今、納戸が真っ暗闇でまったく見えないとき、靴下をいくつ出してくれば、その中に色のそろったペアがあるでしょう?」
…こんな問題をご存知でしょうか? この答は3で、色は2色しかないわけですから、3つの中には必ず色の同じペアが1組はあるはずです。
こういう論法を「鳩の巣原理」と呼びます。たとえば鳩の巣が5つあって、卵が6個あったとすると、卵をどのように巣に配置しても2個以上の卵が入っている巣がかならず1つは存在する、というのが簡単で典型的な例であるため、このように呼ばれるようです。(ディリクレの部屋割り論法とも呼ばれると思います。) 卵ではなくて鳩で説明している例も見たことがあります。
この「鳩の巣原理」は、思いがけない問題がこの論法で解けたりして面白いです。ただし、「巣」に相当するものが何なのか、「卵」に相当するものがなんなのかという設定を思いつくのは、問題によってはとても大変です。鳩の巣原理で解ける、わりと難しい問題を1つ載せておきます。
「チェスの名人がいました。1年間、一日も休まず毎日1ゲーム以上必ずプレイしました。でも一週間(日曜日から土曜日まで)に12ゲームをこえることは一度もありませんでした。一年間を通してみたとき、ある連続した何日間かの間に、ちょうどぴったり20ゲームした期間があったことを示してください」
○ 昨日のゲームの必勝法は週末に載せます。(でも簡単だから必要ないかな)
<おまけのひとこと>
ここ2週間、月曜日がお休みの週が続いたため曜日の感覚が変です。昨日・一昨日と、ここ「表紙のひとこと」の曜日が1つずれていました。失敗失敗。
9月28日(土) ポケットPC
とある目的で、iPaq(アイパック)というポケットコンピュータに LINUX をインストールして自前のプログラムを動かすことになりました。こんなページやこんなページを見ながら、今日は一日作業していました。
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最初に、Windows で読める形式にメモリカードを初期化しておいて、iPaqのブートメモリを書き換えるプログラムとデータを用意します。それを iPaq に挿して、ブートメモリを書き換えます。続いてシリアルケーブルで iPaq とパソコンを繋いで、最低限のカーネルとファイルシステムを XMODEM プロトコルを使って送り込みます。
ここで一旦リセットして、LINUX のインストールされたノートPCで用意した、Window システムをインストールするためのパッケージを入れた LINUXのファイルシステムのメモリカードを認識させて、まずは標準的なインストールは終わりです。
このままだと使いにくいので、まずネットワークに繋ぎます。さすがLINUX、Windowsなどではサポートされていない古いネットワークカードが使えました。(ただし ここのサイトの奥深くから探し出す必要がありました。これはいちいちメモリカード経由でもっていく必要があって、手間取りました。)
一旦ネットワークにつながってしまえば、あとはパッケージの update とかが簡単にできます。ありがたいことに無線LANカードも使うことができました。このページの「過去のひとこと」にアクセスしてみたところを写真に撮ってみました。
<おまけのひとこと>
朝からはじめた LINUX のインストール作業&環境設定が夕方までかかってしまって、このページの更新ができませんでした。
9月29日(日) ゲームの答
先日ご紹介した、簡単な必勝法のあるゲームの答えをこちらに載せました。
<おまけのひとこと>
フライング更新です。
9月30日(月) 正四面体5つ(の相貫体をつくりたかった)
以前もご紹介したK.Satoh's official websiteの折り紙のページに、Five intersecting Tetrahedra(5つの交差した正四面体)という作品があります。これを LaQ で組めないものかと思って、試してみました。(余談ですが、上記の佐藤さんの折り紙のページに恐竜の骨格モデルの折り紙作品が載っています。ぜひご覧ください。写真も解説文もすばらしいです。)
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最初に、1辺を LaQ の正方形4つを使って正四面体を5色で作ってみました。でもこれだと稜が太すぎて見るからに組むのは無理そうでした。(ちなみにこれは、9月14日 にご紹介した正十二面体を泣く泣く分解して作りました。ちょうど棒が5色×6本でぴったりでした。)とはいっても手持ちのパーツではこれが限界でしたので、それぞれの稜の中央に黒い四角パーツを入れて伸ばしてみました。
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分解した
正十二面体
(再掲)でも結局これでも(相対的に)稜が太すぎて、組むことができませんでした。3つくらいまではなんとか組めるのですが、4つ目はかなり稜がゆがんでしまい、5つめはどうしても閉じませんでした。これ以上稜を伸ばすパーツはないし、このモデルの場合頂点をはずしてしまったら美しくなかったし、あきらめることにしました。
こういうことをやろうとすると、パーツがいくらあっても足りなくて大変です。また、同じものをたくさん作る必要があって、必要なパーツを拾い出したり組んだりするのが手間がかかります。子供が助手を申し出てくれて、熱心に手伝ってくれたのですが、完成させられなくて面目を失いました。「もっとLaQいっぱいかわなきゃだめだね」と言われてしまいました。うんうんそのとおり、まったく同意見です。
<おまけのひとこと>
いまさら私などがご紹介するまでもないほど有名な、「がんばれ、ゲイツ君」というコラムを掲載されているN.TONOSAKI's Personal Stationというページがあります。私はむしろ、この看板コラムよりもThe SayとかNon-Fiction Storiesといった日常についてのエッセイやコラムを愛読しています。最近、この“The Say”に掲載されていた「先に入れてはいけません」というコラムが面白かったです。