里絵の 退院まで |
里絵の退院は10月7日だった。思っていたよりも早く退院になった。 体重が3000gを超えること。これが退院の絶対条件だった。その後里絵と二人で病院に1泊入院をして、無事退院となったのだが、正直言ってここまでが長かった。 始めの頃は午後2時に出かけることはそれほど辛くなかった。しかしだんだんとその時間頃になると里紗がぐずり始めた。更に夜中起きることが頻回になっていて、ちょうど眠くなる時間帯だったので、車を運転していて居眠りしそうになったりすることもあった。 様々な注意事項を聞いて、病院を後にした。いよいよ双子が揃うことになった。 |
二人が 揃った日 |
布団に二人を並べて寝かせると、里絵のほうが一回り小さく感じた。それでもやっと二人並べて寝かせることの喜びが大きかった。しかし、よかったよかったはその日の夕飯時までだった。夜、事件は起こった。 いつもなら多少のぐずぐずはあってもなんとか寝てしまう里紗が、今日に限って寝ない。寝ないどころか泣き叫んでいる。里絵も初めての場所で落ち着かないのか泣きつづけている。母が里絵を私が里紗をそれぞれ受け持って、何とか寝かそうとするのだが、全く歯がたたない。ミルクをあげても、オムツを交換しても、二人は泣いている。 これは一体・・・、双子の子育てを「戦争のようだった」といった人がいた。こういうことなのかと思った。今まで里紗一人の面倒をみていればよかったから、多少泣かれても余裕があった。でもこれからは二人をまとめてみていかなくてはいけない。二人が同時に泣き出したら、それこそお手上げ状態になることを、いきなり初日に体験した。 泣き疲れた二人が寝たのは、明け方近くだった。 何だか今までの甘い考えを根本的に否定された感じだった。子供を育てていく、しかも双子を育てていくということは、並大抵のことではないということをつくづく思い知らされた晩だった。恐らくこの晩の事は、絶対忘れないと思う。 |
ドタバタが 始まった |
当初、オムツは布のものを使う予定だった。しかし、一番小さなオムツカバーでも里絵と里紗には大きく、ももの隙間からおしっこが漏れてしまったりして服まで汚れてしまうことが度々だった。しかも1回おしっこしただけで、気持ち悪いから泣く。それが二人、30分と空けずおむつ交換をしていた。その間にミルク、洗濯・・・、休む間がなかった。服もオムツカバーもオムツも何枚あってもたりなかった。 思い切って紙おむつを使った。二人が泣く回数が減った。おしっこ2〜3回なら、交換しなくても大丈夫だった。しかももれないから服もしょっちゅう交換しなくて済んだ。 それからミルクの時間などは、いとこの姉の勧めでノートに記録することにした。時間、飲んだ量、回数その他ちょっと気がついたことをメモ書きした。更にミルクは30分ずつ時間をずらして与えることにした。大体30分あれば、ひとりづつゆっくり抱っこして飲ませることができた。 双子ということでなかなかゆっくり抱っこしてあげられない二人のために、このミルクの時間だけは一人ずつゆっくり抱っこして、しっかり眼を見てミルクを飲ませることにした。これはずっと断乳のその時まで、実行した。 |