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里紗との
対面
里紗と初めて会ったのは出産の翌日、まだベッドから起き上がることの出来ない私のところへ看護婦さんが連れてきてくれた。意外と小さいというのが第一印象だった。
泣いているのか笑っているのか、どちらともいえる表情で、昨日までこの子がお腹の中にいたと思うと、なんだかとても不思議な気がした。
ちょうど点滴をしている最中だったので、空いているほうの腕に抱かせてもらった。日曜日だったから文さんもいて、看護婦さんに「お父さんも」と言われ、抱っこしたもののそのままの姿勢で固まっていた。お腹の中の様子を聞いてみたいなって思った。どんなだったんだろうね。
里絵との
対面
里絵との対面は出産から2、3日後。まだ歩くことが出来なかったので、看護学生の子に車椅子を押してもらって、小児科のベビー室へ向かった。車椅子に乗っていたので中には入れず、ガラス越しの更にガラス越しから保育器の中にいる小さな里絵を見た。
里紗よりも更に一回り小さく見えた。その小さな体には、呼吸のためのチューブや点滴のチューブがつけられていた。どうしてそれらがつけられているのか、生まれたときの状態のことから始まって色々と小児科のドクターが説明をしてくれた。
体重が2800gを超えたら保育器から出られること、3000gで退院できることを教えてもらったが、そうなるにはまだまだ時間がかかるといわれた。2ヶ月くらいかかるのかなあと心の中で思った。
ドクターが一番気にしていたのは、「仮死状態」がどのくらいの時間だったのかということだ。これは誰にもわからない。退院しても毎月発育状況の把握のために、小児科の外来に来るようにと指示があった。
交換日記 小児科ベビー室での里絵の様子は、担当の看護婦さん達からの「交換日記」で、毎日知ることが出来た。
この日記の一番初めのページに、今ではもう薄くなってほとんど見えないけれど、里絵の足型が貼ってある。はじめて見た時、もっと大きく産んであげたかった、申し訳ないという気持ち。そして一生懸命生きようとしている里絵の姿が浮かんできて、涙が出た。
日記には里絵の体重やその日飲んだミルクの量などは勿論、毎日の様子が細かく書かれていた。
里絵は毎回ミルクの時間の30分前になると泣き出して、看護婦さんたちに準備の時間が来たことを知らせ、ゴクゴクと一気に飲み干してゲップを済ませると、さっさと眠ってしまう・・・と書いてある。
生まれた時は呼吸の状態もよくなくとても心配していたが、日記を読むたびに元気な里絵の様子がわかって安心した。
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