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妊娠中毒症悪化
夏の暑さ、疲労、睡眠不足更に多胎児妊娠であることが加わって、とうとう妊娠中毒症になってしまった。とはいえ、当初はそれほど症状も重くなく、足の浮腫みが目立つ程度だった。常に疲労感などはあったが、妊婦はこんなもんなんだろうと思っていた。
双子だから予定日よりも1ヶ月くらい早く子供が生まれることもある、と医者に言われていたのでそのつもりでいたが、8月のお盆を過ぎても、9月に入っても全くその気配はなかった。
そして9月に入ってまもなく、中毒症が悪化してしまった。貧血もひどくなった。万が一に備え、総合病院に転院することになった。
転 院
転院先の病院で色んな検査の結果、私の中毒症はかなり重症であるといわれた。更に信じられない事実を告げられた。『陣痛を感じない』???
子供の位置を知るためのレントゲンを撮った後でいわれた。詳しいことは聞かなかったが、とにかく私の場合お腹が痛くなった時は、子宮破裂を起こした時だから、注意するようにといわれた。
そして出産は帝王切開で9月13日に決まった。
緊急のオペ
手術室に向かう途中の窓から綺麗な青空が見えた。看護婦さんが『いいお天気だから、大丈夫だよ』と励ましてくれた。
帝王切開術は腰椎麻酔なので、色んな音や声は普通に聞こえる。しかしお腹を切るのに、裸で両足を広げて手術台に寝るとは思っていなかったので、凄く恥ずかしかった。
緑色のシートのようなものが体の上にかけられ、顔の上には机のようなものがあって、その上に器具がいろいろ置いてあるのかなと思った。『ではこれからはじめます』
まな板の上の鯉っていうのはこういうことか・・・。
ところが、中毒症がどんどんひどくなってきたこと、子供の心音が下がり、『胎児仮死』の可能性が出てきたなどの理由で、9月10日のお昼過ぎ緊急の帝王切開を行なうことになった。
手術には産科と小児科のドクターが4名、両科の婦長と看護婦数名が立ち会ってくれることとなった。自分ではそんなにひどくないと思っていた中毒症は、物凄いことのようだった。
手術承諾書にサインしながら、大丈夫かなあと不安だった。たまたま13日の手術のことでドクターに会いに来ていた文さんは、いきなりこれから手術と聞かされて青くなったらしい。
急なことだったが、実家の母やおば、それに文さんのお父さんと弟も駆けつけてくれた。