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残雪の石狩平野を行く 第1回

札沼線とは?(札沼線の紹介はこちら)

(06年3月の旅)

札幌駅停車中の学園都市線

札沼線の学園都市線区間

 列車は3両編成のディーゼルカーで、学園都市線の愛称もしっかりアピールしている。土曜日ということもあり、乗客のほうはそれほど多くはない。この時間帯は20分ほどの間隔で次々と列車が発車しており、都市近郊線らしい。札幌を出発し次の桑園まで函館本線と並行していくが、ここからいよいよ札沼線の始まりとなる。

 札幌市街地を走るこのあたりは高架橋になっていて、見通しが効くためかそれなりに都市景観の眺めも楽しめなくはない。けれども、平凡な車窓であることには違いない。これだけの路線ならわざわざ乗りとおすこともしないのだが、この都市空間がどんなふうに変わっていくのかもひとつの注目点。同時にこの平凡な車窓の間にパンの朝食を済ましてしまうことも大事である。新琴似駅からは高架橋から地上へと降りてくる。

 拓北駅を過ぎてからは、少しずつ家が少なくなっていく。建物が減ると、石狩平野の広々とした感じが余計に実感できるようになる。とはいっても、まだまだ車窓とすれば平凡そのもの。あいの里教育大駅でかなり多くの乗客が下車する。大学の最寄り駅ということもあるが、札幌のベッドタウンになっているようでもある。そして、この駅を過ぎ去ってからは広大な北海道らしい畑作地帯が広がってくる。やっと、車窓も面白みを増してくるといったところだ。

 あいの里公園からは単線区間になる。それにしたがって駅間も長くなる。雄大な石狩川を鉄橋で渡り、広い大地を眺めながら石狩太美、そしてこの列車の終点である石狩当別へとやってくる。ここでいったん列車を降りなければならない。次の北海道医療大学が都市近郊線の折り返しとなっているが、新十津川方面に向かうためには石狩当別が乗換駅となる。同じ路線ではあるが、ほとんどの列車は直通していない。この先はローカル線だとはっきり言い切っているかのようである。
 

(つづく)
いよいよローカル線区間へ