鉄道乗車レポートMENU> 三江線 第1回 第2回 第3回
 

江の川眺めながら… 第1回


三江線とは?(三江線の紹介はこちら)

(01年11月の旅)

江津駅にやってきた列車

江津駅にて

 温泉津から浜田行きのワンマンカーに乗り、江津で三江線に乗り換える。

 江津駅への到着直前に江の川を渡る。河口付近なのでかなり広がっている。三江線はこの江の川に沿って走っているのである。江津に到着したが、三江線との乗換アナウンスはない。接続のいい時間にもかかわらず、まるで三江線は無視されているかのようであった。

 江津駅は一応、ターミナル駅のひとつとしてそれなりの体裁は整えていた。だが、ホームは閑散としていた。私がこれから乗る三江線とは、このあと18分の待ち合わせで接続している。が、見渡す限り、乗換をする、もしくはこの駅から乗る乗客というのは片手で数えられるくらいしかいない。確認はできなかったが、もしかすると乗換をするのは私ひとりだったかもしれない。

 やがて三江線のディーゼルカーがやってきた。江津を折り返す列車なので乗客があったが、それもまばら。列車はボックス、ロング併用の車両であったが、ボックスシートは4つのみ。しかも江の川沿いのシートは2つだけだったので、確保できて何よりといったところである。まあ、そんな心配をするまでもないほど、乗客がまばらだったのではあるが・・・。

 三江線は、江津と広島県三次を結ぶ営業距離108.1キロの路線である。私が乗ったディーゼルカーはこの間を2時間半以上かけて進む。全国でも有数の超閑散路線としても知られており、部分運転の列車はいくつかあるが、江津と三次を直通するのは上り下り合わせてもたった3本しかない。三次までほとんど江の川沿いを走り、川に沿ってくねくねとカーブが多い路線で、しかも駅の数も多い。したがって、スピードアップとはまったく無縁のローカル線となってしまう。江津、三次も含め、沿線にはこれといった有名な観光地もないため、わざわざ列車を乗りに訪れる観光客などは皆無。沿線住民の足として細々と営業を続けている路線なのである。

 以前の私なら、こんなローカル線は眼中にないところであった。いかに早く目的地に到着して、観光できるかを考えていたからである。ところが、今回は列車に乗ること自体が旅の目的だ。いつ廃止対象になるのかもしれない三江線だけに「今回が最後の乗車になるかも」という思いを持ちながら、発車時刻を待つのであった。

(つづく)
いよいよ発車します