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海のローカル線に乗る(12年ぶり乗車) 第1回

五能線とは?(五能線紹介はこちら)

(05年4月の旅)

能代駅構内

バスケの街・能代から出発

 東能代駅には、すでに五能線の列車が待っていた。ただ、これから人口過疎地域の津軽西海岸を進むのにはあまりにも編成が長大である。列車表示板もなんとなくおかしい。乗務員に鯵ヶ沢まで乗れる車両を確認し、前から二両目の車両に陣取った。女子高校生たちに囲まれる形になったが、彼女たちは次の能代駅で下車すると想定されるのでしばらくのガマンである。ちなみに5両編成のこの列車、前の1、2両目が弘前行き、3、4両目は同じく弘前まで連結されるが、途中駅のホームが短いために旅客扱いをせず回想列車として鯵ヶ沢まで行く。最後尾5両目は能代で切り離される。おそらく折り返し列車となるのだろう。

 五能線は定刻どおりに出発。東能代−能代は通勤、通学と奥羽本線への連絡として列車が頻発している。能代でしばらく停車をし、ここで最後尾を切り離す。以前も見た「バスケの街・能代」と書かれたバスケットボールのゴールが駅に設けられていた。バスケの街は今も続いているようだ。高校生たちが下車してしまった車内は一気に閑散としてしまい、ローカル色が漂い始めている。ただ、気がかりなのが雨。自分自身には影響ないが、雨粒が列車の窓にぶつかってしまい、窓が濡れて写真がうまく撮れないという心配が生じた。まあ、それはそれで雨の中走るのだから仕方ないと割り切らないといけない。

 能代からしばらくの間は海から遠い平野部を走っていく。東八森駅あたりからようやく海が見え始めてくる。やはり期待通りの鉛色の空と荒れた大海原のようだ。これぞまさしく冬の日本海。雪こそないが、雰囲気だけは十分味わわせてくれることだろう。高台にある八森駅からはいよいよシーサイドレイルロードの本領を発揮してくれる。青森側とは違い、徐々に徐々にと海が近づいていく。どちらから入っても期待を決して裏切らない、それが五能線である。

 滝ノ間駅の次は岩館であったが、近年になって「あきた白神駅」が開業している。別に地元住民が要望した駅ではなく、温泉レジャー施設のハタハタ館へ直結させるための駅として開業したようだ。一人でも多く、列車を利用して来てもらおうという心遣いなのかもしれない。むろん、車を持っていない高齢者にも重宝するようで、何人かのお年寄りがこの駅で下車した。ちなみに後続のリゾートしらかみ号は、交換駅である岩館は通過し、手前のこのあきた白神駅には停車する。
 

(つづく)
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