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ごめんなはり線に乗る 第1回

ごめんなはり線とは?(紹介はこちら)

(10年2月の旅)

始発駅後免のごめんえきお君

やなせたかし氏デザインの駅

 後免駅からは、第三セクターであるごめんなはり線に乗車する。正確には土佐くろしお鉄道といい、高知県の東部と西部に分かれて路線展開しており、土讃線をはさんでほぼ高知県を横断する形で鉄道網が敷かれている。西部にはずっと以前に窪川−中村を乗車したことがあるが、その後宿毛まで延長された。一方東部は開業してまだ10年にもならないという新しい路線。後免−奈半利を営業運転しているため、ごめんなはり線という愛称が付けられている。そもそも四国周回鉄道構想として、さらにその先の室戸市を経由し、東洋町まで結んで阿佐海岸鉄道に接続するという計画だそうだ。もちろん昨今の情勢からその構想が実現するのはかなり厳しいと言わざるを得ないのだが、そんななかでも奈半利まで開業したという心意気は高く評価したい。

 鉄道事業者にとって厳しい時代のなか、ごめんなはり線の営業努力には頭が下がる。まず、高知県出身の漫画家やなせたかし氏の全面的な協力を得て、各駅にそれぞれキャラクターを設定するという前代未聞の試みをした。例えば後免は「ごめんえきお君」、奈半利は「なはりこちゃん」といった具合で、それぞれやなせ氏が描いたキャラクターが駅名板だけでなく、駅前にモニュメントも設置されている。三陸鉄道も宮沢賢治の童話が駅名に付けられていたが、ここではさらに徹底している。

 ごめんなはり線は事実上の初乗車ということだが、実は後免−後免町というわずか1区間だけ乗車したことがあるので厳密には2度目となる。休日でしかも高知と反対方面に向かうので楽々座っていけるかなと思いきや、予想以上にお客さんが多い。それもそのはずで、ちょうど安芸市で阪神タイガースがキャンプを張っており、おまけにこの日は初の紅白戦が行われることになっていた。そんなわけで座席は早々とあきらめ、見晴らしのよさと写真の撮りやすさを考慮して最後尾に陣取った。

 

(つづく)
阪神キャンプの見物客が・・・