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渡島半島の山越え路線 第1回

江差線とは(江差線紹介のページ)

(07年8月の旅)

終着駅・江差から乗る

 市街地から江差駅までは10分ほどの道のり。日が差してきたため、道中ちょっとしんどかったがそれはガマン。やがて立派な駅舎を持つ江差駅へと到着した。終着駅としては大きな外観であるが、ホームは一線一列のみ。折り返し運転の列車がすぐに発車する駅であることを物語っている。現にこれから私が乗ろうとする列車もわずか8分の滞在で木古内へと向かってしまう。

 駅で切符を購入すると、まもなく折り返しとなる列車が江差駅に入線してきた。単行のディーゼルカーで、高台にあるこの駅に最後の力を振り絞るかのようにゆっくりと進入してくる。線路には雑草が生い茂り、まるで廃線を間近にしているような鉄路であるかの印象が持たれる。列車の到着を見届けたうえで駅前の自動販売機でお茶を買い、おやつがわりに昨日買ったチョコレートとサラミを食べながらしのぐ。

車内から眺める終着駅の風景

 江差駅は有人駅にもかかわらず構内放送は一切なく、列車はしずかに江差駅を出発する。これから1時間ちょっとかけて渡島半島を横断し、木古内へと向かうのである。乗客は数人程度で赤字ローカル線ではいつも見られるような光景。そのほとんどは私同様の旅人もしくはマニアのようである。時間帯を考えると、高校生が結構乗車しているのではないかと予想もしたが、乗っているのは1人2人といった程度である。

 江差−上ノ国は日本海に沿った路線で、江差線の中でも唯一海が眺められる車窓である。初乗車区間であれば、本来は木古内から乗りこみ、旅路のフィナーレにこの光景を見て終着駅の江差で下車するのが理想的だが、これまた日程の都合上そうも言っていられなかった。最も木古内で折り返し戻ってくることになるので、終着駅の江差で下車するというパターンは踏襲する。

(つづく)
美しい川沿いを進みます