1837825日のミュンヘン通貨協定では、バイエルン、ビュルテンベルク、バーデン、ナッサウ、シュヴァルツブルク-ルードルシュタットならびの他の諸国で、24.5グルデンフスの統一本位通貨鋳造ならびに3クロイツ硬貨までの統一少額貨幣が創設された。先行したのは、粗悪な半ならびに四分の一クローネターラー硬貨の流通停止だった。これらにたいしては、新しい統一半グルデン貨(=30クロイツ硬貨)と1グルデン硬貨(=60クロイツ硬貨)が創設された。クローネターラー(約162クロイツェル)は2グルデン(=120クロイツェル)と取替えられた。1838730日のドレスデン貨幣協定では、南ドイツのグルデンの24.5グルデン単位とプロイセンターラー(別名帝国ターラー)の14ターラー単位の比率で統一された。すべての国家で、2ターレル=3.5グルデンの価値をもつ「同盟硬貨」が生れ有効となった。これはすべての同盟国で184111日に導入された。1857124日のウイーンの貨幣協定では、以前の重量マルク基準で14ターラー単位は関税ポンド基準の30ターラー単位に変更された。1ターレル(そして2ターレル)はこの時点で同盟ターレルと命名され、1907年までドイツ国内で3マルク硬貨と交換可能であった。このターレルは、主同盟硬貨と刻印された。南ドイツのグルデン採用諸国でも同様の刻印が押された。ドイツとオーストリアのほとんどすべてにわたり、1857年から、単一の粗本位通貨が鋳造された。すなわち、2ターレル(北ドイツ)=3.5グルデン(南ドイツ)=3グルデン(オーストリア)ならびに1ターレル硬貨である。ルクセンブルク(もっとも固有の同盟貨幣がなかったのだが)とリヒテンシュタイン(1862年以来1ターレルのみがあった)はこの通貨同盟にしばらくは参加した。さらに、これに加えて、金製の同盟半クローネおよび1クローネ硬貨が導入された。これらはむろん金マルクの先駆けではなかったのだが。オーストリアとの通貨協定は、だが再び崩壊した。この国では、インフレを停止させることができなかったからである。このインフレは紙幣の発行によりかえって強まった。

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注 釈 4

注:実質的に「1854年までにドイツ帝国の経済共同体は成立していた」と考えるほうが素直であろう。領域を束ねる経済共同体が1854年に成立し、その経済規模は隣国フランスを超えていたのだから、ドイツ帝国の成立はビスマルクが出現してもしなくても、遅かれ早かれ時間の問題だったと判断するのが正しそうだ。

2. ドイツの「関税同盟」、1834年以降

2. プロイセン王国国家「Preußenlied
1830年ドルトムントのBernhard Thierschが作詞
1832年王立音楽隊のAugust Neithardtが作曲

16. 国歌

ドイツの「関税同盟」、1854

税金同盟(Tax-Union)1834-1856

3. The anthem of Germany

1. Frederick II and Prussian Anthem

 「関税同盟」への加盟、1854年まで

「関税同盟」への加盟、1866年以降

Deutschland, Deutschland über alles,
Über alles in der Welt,
Wenn es stets zu Schutz und Trutze
Brüderlich zusammenhält,
Von der Maas bis an die Memel,
Von der Etsch bis an den Belt –
Deutschland, Deutschland über alles,
Über alles in der Welt.

歌詞は右。

作曲はヨーゼフ・ハイドン。1797年。
作詞は、アウグスト・ハインリヒ・ホフマン・フォン・ファラースレーベン、ドイツ人の詩人。1841年。

本文

ドイツ連盟の重要な通貨は、南ドイツ地域で支配的なグルデン・システム、あるいマイン川の北で優勢なターラー・システムに基づいている。ハンザ都市では、それに加えて、マルク通貨で計算していた。1820年代に、プロイセンはすでにターラー通貨で広範囲な統一を達成していた。関税同盟は通貨の統一への動向を強めていて、プロイセン・ターラーの採用を促進していた。確かに関税同盟にとっては多くの流通貨幣を統一することは成功しなかった。それでも、一連の通貨協定によって通貨システムのある程度の統一は成功した。

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1836年のバーデンのクローネン・ターレル。関税同盟への加盟を機に鋳造された。裏面には加盟各国の紋章が示されている。時計の針回りに上から:バイエルン、ビュルテンベルク、クールヘッセン、チューリンゲン各国、フランクフルト、ナッソー、ヘッセン-ダルムシュタット、バーデン、ザクセン、並びにプロイセン。

画像1835年関税同盟ターレル、バイエルン ルードヴィヒ一世王

フリードリヒ大王を讃えるプロイセン国歌なのだが、旋律は、英国国歌のGod save the Queenであることに注目しよう。

プロイセン-ヘッセン関税同盟への加入、1824-1834、ここにドイツの関税同盟が成立した。

中央ドイツ商業同盟、1828-1851

プロイセン国内の関税同盟と加盟国の増加、1888まで

バヴァリアとビュルテンブルクの関税同盟、1828

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Die Wacht am Rhein

text by: Max Schneckenburger, 1840
music by: Karl Wilhelm 1854

17. (ラインの守り)

画像:フリードリッヒ大王(1712 –1786

19. 通貨統一

18. 関税同盟