最近は東大出の人で浪人をする人達であふれている。
  これ東大浪人時代と呼ばれるにふさわしい。
  昔は東大出身だと定年後もなにかの仕事が回ってきたものなのに最近は様子が変わって浪人するようになった。

  社会構造が変わってしまって余力をもった人達が切り捨てられているのだ。

  東京では東大浪人があふれているのに、地方へ行くと日本を支えている優秀な中小企業に頭脳が不足している。

長野県千曲市杏の里

                    2013/04/08

これをやると
   自分で自分が何者かがわかるのです。
   自分で自分の価値がわかるのです。

  だから、全てが終ったと感じたら、

「教える」ことをやってご覧なさい、と申上げたのです。

「自分が何者か分かるようになりますよ」と申上げたのです。

それで話は元に戻るのだが、東大卒のみるからに「切れる」東大卒浪人にこう言うのです。 

あなたは頭が良い。
   だがあなたはいままで学習することしかしてこなかった。
   全てが終った今、あなたは「教える」ことを始めなさい。 


私は「貿易実務」について、国家試験制度が推奨するテキスト二冊を生徒に教え、これを経糸とし、そののち過去問を繰り返しやらせ、縦からも横からも完璧に理解させる。 

これを一年半もやってご覧なさい。
   わかってくるのです。

現場にいたらすぐ気がつくものなので、私は自分で言い出して「貿易実務」講座を設けた。

日本政府には国家試験「貿易実務」というのがあるのだ。
   A級は難しすぎて超専門家向きであるから、BC級を教える。 

やりだしてわかったことなのだが、地方の中小企業の職人達は総じて頭が良い。やり出したらかじりつく。決してあきらめない。 

やり出して一年半かかり、八人の生徒を全員B級に合格させた。

彼らはいまや海外の客と直接交信し取引している。

外国語の問題のほかに貿易実務の問題もある。
   石川県には貿易実務のベテランなどいないのだ。

 このような中小企業はたくさんいる。

技術的実力はあるが、外国語、貿易実務が決定的に不足していて足をひっぱっている。
   しかし、高い給料は出せない。
   人材は社内の人材を教育しなければならないのだが、教師がいない。 

このような隘路を切り開くために日本政府は各種業務の資格試験、国家試験の制度をつくりこの利用を勧めている。

だが、教師の貸し出しサービスまではしない。

私は多少の縁があって、私の姉が会長夫人となっている石川県の精密機械部品のメーカー(中小企業)で安い月給で5年間働いた。

   その会社はベアリングに使う「コロ」(roller)を作っていて、その精密度は世界一。

なにをしたのか、というと、

世界中から英語、ドイツ語、フランス語でE-mailが届く。これの翻訳をする。

朝一番で私のコンピューターに届くメールを翻訳し担当者にメールで届ける。 
   夕方五時頃に各担当者にコンタクトして彼らの返事を翻訳して海外の客に送信する。

日本人は表現が下手だから、私が電話で彼らの話を聞かないと返信が出来上がらないのだ。

では皆様、ご機嫌よう。

なにがわかるかというと、

「自分は生きながらにして神になる」ということです。 

生徒達は私を完全に頼り切り、私の話すことをすべて教科書とノートに写し取る。
   私は間違えることのないように講義日の三日まえから猛勉強して、決して間違いを教えないように努力する。 

これを一年半も続けると「私は神になる」のです。

生徒は絶対的に私を信じ、私は常に正しいことを話続けるからです。

写真:満開の杏 

写真: この人多分、画家の近藤早苗さんだと思う。

昔は地方に学習組織がつくられていて、優秀な人材はその地方の企業がグループをつくり講師に招いて講習会を開いていたのだ。

最近は社会が企業ごとの縦割り制となり、他人の会社に人材を貸せるかい、という孤立風潮が蔓延して皆困っている。

写真:サンシュユ(山茱萸)

このあいだヴェトナム旅行をしたときに東大卒で63歳、某銀行を定年でやめた人にこんな話をした。

写真:上平地区の杏

画像:Google Map

写真:背景の白い山は日本百名山の一つである高妻山