泊まっていたホテルが(地図上で矢印をつけてある)ニューワールド・サイゴンでしたから、近くの文化公園までブラブラと散歩に出かけた。大都市の公園というからには広々とした広大な緑の公園を想像していたのだが、この公園は多数の区画に細切れにされて小汚い建物もたっており、あまり清潔な感じはしない。つまり、公園ながら、公園に入れないのであった。

写真:ベンタイン市場内部

写真:釣りに使う活餌

写真:これは坐禅か? ヨガか?

写真:中国式に公園で体操をする人達。

写真:小鳥の鳴き声喫茶店なのだが、本気で小鳥の鳴き声を聞いている人はいない。

ホ ー チ ミ ン (1)

                  2013/01/29

 結局、公園らしい緑地は、この一角では統一会堂と称する旧大統領官邸だけだった。帰りにベンタイン市場を覗き、市場前のチャン・グエン・ハン将軍の騎馬像を眺めてホテルに戻った。

画像:レロイ通り、ベンタイン市場前のロータリーにあるチャン・グエン・ハン将軍像。騎乗して鳩を手放している。General Tran Nguyen Hanは、明の永楽帝に対する抵抗指導者Le Loi (黎利、「レロイ」と読む)が、1428年、中国の明軍を破り、大越の国を樹立したときの将軍のひとり。

 この街を散歩していると、わからないことが多くて言葉も通じませんから、「私は外国に来た」というエトランジェ気分が味わえて楽しいですね。


 では皆様、ご機嫌よう。

 更に緑地を離れて大通りにもどると、人だかりがしている。何事やならんと覗いてみると、虫けら売りのおばさんが一人いて、彼女のまわりを大勢の男達がとりまいている。聞いたら、彼女は魚釣りのための活餌の販売人なのであった。ヘルメットを被っているのはバイクで活餌を買いに来た釣り人達。これもいささか異様な風景だった。

写真:活餌売りのおばさん。服装が戦闘的だ。売り方も勇ましい。

また、近くのゴミゴミとした公園では、中国風の体操をしている人達がいるのは当たり前としても、睡蓮の浮かんだ池の周りで足を結跏して瞑想している一団の人達がいる。これは坐禅なのだろうか? それともヨガなのだろうか。これも異様な、見慣れない風景であった。

朝の散歩

 やっと緑地がみつかったので入ってみたら、そこは青空喫茶店であって、鳥かごをたくさんぶらさげた鳥の鳴き声喫茶店。プラスチック製のイスに腰掛けた人達は、小鳥の鳴き声を聞いているのか、ひとことも話さない。奇妙な静寂があった。鳥かごを持ち込んでいる人もいる。異様な風景なので驚いた。

画像:『地球の歩き方、ベトナム』2011~12年版、(株)ダイヤモンド・ビッグ社 P113 一部改変