別 府 竹 瓦 温 泉

                  2009/11/20

ホテル「フジヨシ」は一泊¥4,800だし、夕
食は駅前のコンビニで¥
400のお弁当を買い、
富有柿を二個近所の八百屋で買い、ホテルの
自室で食し、お風呂は¥
100で竹瓦温泉で済
ませ、「やれ、今日もお金を使わないで済ん
だ。万歳!」と独り言を言って一日を終える
のはなんとも爽快である。「金を使わないこ
と」が私の健康法なのかもしれない。それと
もただ
単なる「ケチ」の一過性自己満足にす
ぎないのだろうか?


では皆様、ご機嫌よう。

 別府というと、かならず亀の井ホテルの創業者油屋熊八がでてくるが、竹瓦温泉は彼に劣らず別府温泉の盛りたて役となったわけだ。浴室のタイルがすこし汚れているが、なに、そういう歴史を背負っているのだから、気にしない、気にしない。ドンマイ、ドンマイ。Don’t mind at all !

 こういう楽しみがあるから、温泉巡りはやめられないね。

 なお、油屋熊八については左の画像が優れている。

 昭和13年の建築。創業は明治12年。別府港の開港が明治4年という話だから、この温泉は別府温泉の発展と共にあった訳だ。創業の頃の別府は竹が豊富に採れて、屋根は瓦の代わり2つ割りにした竹を組み合わせて屋根に葺いた。これが「竹瓦」の名の由来らしい。

 外観は道後の坊ちゃん温泉に似てい
るし、風呂場は大きくて掘り下げた半
地下という位置にあるが、その分吹き
抜けになっていて天井が高く、皆さん
風を入れるために大きな窓を開け放し
にするから、(脱衣場が外から丸見
えになるが)、その開放感がたまらな
くいい。

 さて、私が目指したのは、国際通りのバー街のなかにある竹瓦温泉である。

 人様の写真をお借りすると次。

 ここも二種類あって、並はふつうの温泉で¥100。砂風呂が浴衣つきで¥1,000である。あの温泉は熱いですよ、というひともいるが、私が訪れた夕方7時ころはちょうどよい湯加減でした。

 さすがに温泉の町です。いろいろありま
すね。

 駅の東側、すなわち海側、がいわば商店
街と歓楽街で、商店や飲み屋や多少いかが
わしい感じもするバーなどもそろっている。

 すぐ目についたのは駅前より100mと離れ
ていない、いわば目と鼻の先にある駅前高
等温泉である。クラシックな西洋館で「二
階でのお泊まり一人¥
2,500」などと書いて
ある。この次から汽車で別府に来たらここ
で泊まるぞ、と私は腹を決めた。この
高等
温泉はれっきとした温泉であって、高等風
呂が¥
300、並湯が¥100なのである。入ら
なかったので写真は撮れなかったが、他人
の写真を拝借すると次のような具合になっ
ている。楽しいねえ。

 この次別府にきたときは、ここが便利だ
し、直ぐ隣は果物屋だし、もう少し駅に近
いところにコンビニエンス・ショップがあ
ってお弁当や飲み物が買える。すべてが整
っていてもっとも経済性に恵まれた立地だ、
とそう思った。

 これで今回の温泉巡りはすべて終わった、と感じたら妙にはればれとした気持ちと開放感を味わうこととなった。どうやらなにか憑きものが私にはついていたようで、私はその魔物に動かされるように行動していた感じがある。今回は九州でまだ入っていない硫黄泉をすべて入浴しなければならない、という強迫観念が私を支配していた、という感じがする。これらの義務感をすべて振り払い、私はふたたび自由な自己を取り戻すことができた、そういう思いで「フジヨシ」に着くなり私は別府駅近くの町へ温泉探検に出掛けたのである。

 時間が限られている私は、それから高速道路に乗り、三時間ほど走って別府に入り、いままでろくに見たことのなかった地獄巡りをし、別府駅前のビジネスホテル「フジヨシ」にチェックインしてレンタカーを返した。

 九州温泉旅行最後の日は、雲
仙から無理に長アまで足を伸ば
し、原爆資料館を見学し、原爆
の恐ろしさを身にしみて感じた。
9時半から一時間ほどじっくり
時間を使った。あまりに衝撃的
だったので、原爆投下中心地と
平和公園もついでに見物した。
平和公園は元の長ア刑務所で、
中心地より数百メートルしか離
れていないので、受刑者と看守
は全員即死したという。

写真:海地獄。水温が高いので
      季節外れの睡蓮が咲く。

画像:被爆した悲しみのマリア
     (浦上の天主堂)

画像:エンジェルを引き摺って走る油屋熊八(作:辻畑隆子)

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画像:内部の模様についてはを参照。

写真:別府市鉄輪地域の遠望

写真:竈地獄

写真:向原石幢(せきどう)

写真:海地獄