明 礬 温 泉

               2009/11/1617

 翌朝、もういちど明礬を訪ねる。鶴寿泉の前の小道を遡って500号線に出たところに明礬温泉の明礬採集小屋がある。

 明礬というのは硫酸と鉄とアルミニュームが反応して合成される化学物質で、反応が複雑過ぎて化学式が特定できない。

  岡本屋ではこの室で結晶生成させた明礬を湯ノ花として販売しているのです。

 明礬温泉のすぐ上にあって眺めもよさそうな「山の湯」も休業日でした。残念。

 近くで観察すると、地面から吹き出す硫化水素の白煙がすさまじく、地下の火山活動のエネルギーが体感できる経験でした。

 もともと地蔵泉へ入るつもりだったのだが、土地の人に聞いてみたら、地蔵泉は別府市との話し合いがこじれて閉鎖になっているよし。温泉が流し捨てられているらしい。もったいないことだ。鶴寿泉は隣の岡本屋の温泉をわけてもらっているのだそうで、温泉客の多い繁忙期には温泉の量が少なくなるのだという。(別府市営温泉を参照してください。)

 ぬくもりのある木製の湯船にお湯がとうとうと流れ込んでいる。匂いはすこし薄い気もするが、立派な硫黄泉である。それに家族的な雰囲気があって、客同士の話もできて、素晴らしい。

 そこでくじける小生ではない。またも
や紺屋にもどり、そこから高速道路の高
い橋脚の下をくぐり明礬温泉の路地の中
に潜り込んでみた。岡本屋を通り過ぎた
ところに小さな共同浴場「鶴寿泉」があ
った。玄関には地蔵尊が奉られてあって、
入湯するためには¥
200のお賽銭を納め
なければならない。

 私なら全部壊して新しく建て直すねえ、と感想を言ったら、「昭和40何年に建設したときは田圃のなかであった。代が変わったら、権利継承者の数が多くなりすぎて、なにを相談しても合意に達することができないのだ」という。

 だから駄目なんだ。

といっても温泉好きの私はけっしてくじけない。紺屋が駄目なら他所をあたろう。

 ものの本に硫黄泉と書いてあった堀田温泉を探し当てあて、¥300払って入湯したが、ここは(昔はどうだったのか知らないが)市営の銭湯になってしまっていて温泉の雰囲気がなくなっており、成分も単純泉に変わっていた。
 同じく近くにある硫黄泉「夢幻の里」も狭い農道をかろうじて通り抜けて行ってみたが、休業日で空振りにおわった。残念だ。

画像:

  今回入湯した温泉は
        別府紺屋、別府明礬、別府堀田、
     別府竹瓦、
湯布院下ん湯、
     湯布院奥湯の郷、
     宝泉寺、
奴留湯(ぬるゆ)、
     黒川地蔵湯、
     地獄温泉清風荘、(垂玉温泉)、

        雲仙小地獄、
というところであって、これらを五日間
で入湯したのであるから、かなり忙しか
った。

 まずどうしても見過ごせない温泉が        紺屋 別名、別府温泉保養ランド
なのだが、この温泉には期待を裏切られました。設備の更新とか追加投資がまったくなされておらず、昭和40年代に建築されたままの設備は、腐って錆がわき、浴槽は掃除がされておらず、最低の状態であった。

 筆者は温泉愛好家で、しかも温泉のうちで
も硫黄泉に興味と愛着をおぼえている者です
が、予てから気にかかっていた九州中部旅行
を一人で決行することにしました。

 私の仕事の関係で、先々の予定が組めず、
思いついたらすぐ決行しなければ、実現は難
しいので、どうしても一人旅になり、しかも
小さいレンタカーを借りて手早く走り回るこ
ととなる。九州は横幅が
300kmくらいなので、
レンタカーで走り回るにはもってこいの大き
さで、これを汽車で回るということになると
時間がかかりすぎるのです。

では皆様、ご機嫌よう。

 岡本屋が販売している明礬結晶の湯ノ花がこれです。

 別府温泉のなかではもっとも標
高の高い場所に位置していますの
で、別府湾を眺め下ろす景観も素
敵です。

写真:江戸時代の明礬製造跡と
      書いてあります。

画像:明礬温泉岡本屋売店地獄蒸し釜

画像:地面のいたるところから
      噴気が吹き出している。

画像:鶴寿泉

画像: