Musicalisches opfer 閲覧室1 閲覧室2
Canon a 4


10曲あるカノンのうち、唯一の4声カノンです。
他のカノンは全て2声(+対旋律)となっています。
曲の調がト短調となっているのもこの曲だけです。

表題はCanon a 4、つまり4声のカノンとなっていますが、
謎かけの楽譜にはト音記号とヘ音記号が1つずつしかありません。
よって演奏者は残り2声部の音の高さを工夫しなければなりません。
また後続声部の開始点が書かれていないため、
演奏者が3つの後続声部の開始点を見つけなければなりません。
しかしこれはQuaerendo invenietisと記された前曲に比べれば
簡単な作業です。今日の輪唱とまったく同じです。

先行声部は変形された王の主題で始まっています。
主題の原形を青い音符で示しました。



後続する声部は7小節遅れて開始されます。



同じタイミングで第3、第4の声部が開始されるのですが、
音の高さが問題となります。再びト音記号の高さ、ヘ音記号の高さと
続くのが妥当かと思われますが、明確な答えは得られません。

終点は明示されていないため、
これも演奏者が見つけなければなりません。

Musicalisches opfer 閲覧室1 閲覧室2