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Fuga
a 5 con Pedale pro Organo pleno
ペダル付きオルガンのための5声のフーガ、変ホ長調
BWV552


1739年出版されたクラヴィア練習曲集第3部、
いわゆる「オルガンミサ曲集」の終曲です。
100小節を超える長大なフーガで、曲集を堂々と締めくくります。

この曲に用いられた主題の最初の4つの音は、
譜面上に十字架を現していると言われています。


BWV552の主題。主題が現す十字架を赤い線で示しました。

ほぼ同じ主題を用いたフーガが、ブクステフーデ(D.Buxtehude,1637-1707)や、
ヴァルター(J.G.Walter,1684-1748)のオルガン自由曲にも見られます。

なお、この主題はクロフト(W.Croft,1677-1727)作の賛美歌
"O God, our help in ages past"(1708)の冒頭に基づくという説があり、
賛美歌の内容から、BWV552のフーガはしばしば「聖アン」と呼ばれます。

曲は大きく3つの部分に分かれており、変ホ長調という調
(♭が3つ)とともに三位一体を表すとされています。
3つの各部分の概要を以下にまとめました。
説明の便宜上、各部分を第1フーガ〜第3フーガと呼びます。
拍子 声部数 様式
小節数
第1フーガ
4/2
5
単純フーガ
36
第2フーガ
6/4
4
2重フーガ
45
第3フーガ
12/8
5
2重フーガ
36

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