現在のからだの栄養状態を知る
最近では病院で「ビタミン外来」が設置されるほど、病気と栄養素の関係が注目されています。
実際に、当治療室の治療データを見ても栄養不足がからんで発症している例は多く、症状の原因を探る方法のひとつとして、Oリングによる栄養素の検査をおこなっています。
どんな栄養素が不足して症状が出ているのかを調べたうえで、治療の一環として食生活の改善とサプリメントの有効な利用法などをアドバイスしています。
また必要に応じて、生活習慣病のもとである糖質や塩分などの過剰摂取のチェックや食におけるアレルゲンの特定もおこなっています。
病気になる前に、症状が重くなる前に、食生活の欠点を認識し改善する。
これこそ現代の「医食同源」といえるでしょう。
現代人のほとんどはビタミン・ミネラル不足
栄養素とは、健康を保ち完全な成長をとげるために必要な食物成分のことで、なかでもタンパク質、炭水化物、脂肪、
ビタミン、ミネラルを５大栄養素といいます。
現代の日本人の食事は、カロリー源の炭水化物や脂肪を多く摂る反面、ビタミンやミネラルの摂取量が少ないのが特徴です。
原因は、１）加工食品が増えたこと。２）食材に含まれるビタミン、ミネラルの量が減ったこと。
ここでいう加工食品とは、一般家庭で煮る・焼く・炒めるなど調理した食品も含まれます。
すでにご存知の方も多いと思いますが、調理によって壊れるビタミン、ミネラルが多数あるからです。
ビタミンやミネラルは一部の例外はありますが、体内で生産・合成することはできませんから、摂取量が減れば体内の備蓄量も減ってしまうのは当然です。
したがって現代食では、どうしてもビタミン・ミネラル不足になってしまうというわけです。
【サプリメントの有効性】
栄養素が不足している場合、食生活を改善することはもちろん、素材から失われたビタミンやミネラルなどの栄養素はサプリメントで補給します。
治療室でもまれに質問されるのですが、サプリメントはお薬ではなく食品です。
ただ、あくまでも食事の補助であって、これだけで健康を維持することはできません。
サプリメントに関しては、必要は種類と量を私が飲んでいるサプリメントを例にご紹介しています。
また、すでにサプリメントを摂取している患者さまには、ご持参いただければ適量やその吸収率を上げるための注意事項などのお話もさせていただきます。
【生活習慣病予防に糖質・塩分チェック】
日本人の三大死亡原因は、がん・心疾患・肺炎で、なかでも心疾患はほとんどの場合、高血圧、高脂血症、糖尿病、肥満などの生活習慣病が原因です。
やっかいなことに、これらの生活習慣病は長い間無症状でいることが多く、知らないうちにかなり進行してしまいます。
ご存知のように、これらは文字どおり生活習慣の”ゆがみ”（不適切な食生活、運動不足、過度の飲酒、禁煙、ストレス）からくる病気ですから、特に日ごろから糖質と塩分の摂りすぎには注意したいものです。
【Oリング検査で食物アレルゲン判定】
食物アレルギーには、生後まもなく症状があらわれるケースも多く、突然出た発疹に家族中で大騒ぎされたお話を聞いたことがあります。
大抵の場合、その発疹が食物アレルギーと分かるまでに時間がかかるうえ、アレルゲンを特定するのにはさらにかなりの時間と労力を要します。
そしてその間、何を食べればいいのか不安な気持ちで過ごさなくてはなりません。
Oリング検査では、食事日記も血液検査もなくアレルゲンである食材を調べることが可能です。