総会運営および議事録作成   &  

 

資料は公益財団法人かわさき市民活動センター助成事業の一環として、平成259月に開催された

マンション管理セミナーのレジュメを抜粋しました。

 

 

講師 マンション管理士 飯田 修

 

 

 

 

 

 

  

事例1  総会招集時における区分所有者の特定について

<論点> 管理組合総会開催にあたり、ある住戸が転売された形跡があり、区分所有者の特定について疑義が生じた。「組合員名義変更等に関する届出書」は提出されていない。理事長はこの住戸の登記簿を取得の上、管理組合名簿と登記の照合を行い、区分所有者を特定する義務を負うか。

所見  1.各区分所有者は管理組合に対し、住戸の所有者登録又は名義変更に関する届け出を行う義務が

あり、理事長はこの届け出に基づき、その者を区分所有者と判断して差し支えないと考える。

2.名義変更等に関する届け出義務は各区分所有者にあり、理事長が積極的に区分所有者を特定す

る調査を行う義務はない。よって、変更の届け出がない限り、理事長は従前通りの区分所有者に

通知すれば足りると考える。

3.なお、建替え等重要事項の決議に際しては、より慎重な対応が求められるため、全区分所有者の

登記簿を取得の上、管理組合名簿と登記簿の照合を行い、所有者が異なる場合は確認を求める

と良い。

重要事項の決議が無くとも、管理組合名簿と登記簿に齟齬が生じていないか、数年毎に照合を行

うことは有効であろう。

 

 

事例2  一人の組合員から返送された出欠票の記載例とその判定について

<論点> ある管理組合では総会案内書と共に1枚の「出席票・委任状・議決権行使書(いずれかを選択)」を配布しているが、一人の組合員から委任状と議決権行使書の両方に○印を記入したものが提出された。この場合、どちらを優先して採ればよいか。

<所見>

 

 

 

事例3  総会招集に際する配布資料に、議決権行使書を添付しないことの是非について

<論点> ある管理組合では総会案内に際し習慣的に「出席票・委任状」のみを添付し、議決権行使書は用意してこなかった。最近になって、ある区分所有者から「議決権行使書の未添付は議決権行使の制限に該当する」と招集者である理事長の責任を問われた。これは招集者の義務に違反するのか。

<所見>

 

 

 

事例4  議決権行使書の電子メール返信についての有効性について

<論点> 海外在住の区分所有者や返信用郵便物の遅れを懸念する区分所有者から、委任状や議決権行使書を電子メールで送りたいとの要望が出ている。電子メール返信は有効か。

<所見>

 

 

 

事例5  同一人が2通の委任状を提出した場合について

<論点> 管理組合の総会で、ある組合員は委任状をいったん管理者(理事長)あてに出したが、議案に反対する組合員からリスクを詳細に解説され、不安になった。そこで、この組合員あてにも委任状を書いた。総会当日、この委任状は無効か。有効ならどちらの委任状を採るべきか。

<所見>

 

 

 

事例6  採決の際、議長自身の1票の取扱いについて

<論点> 規約に「総会の議事は議長を除く出席組合員の議決権の過半数で決し、可否同数の場合においては議長の決するところによる」とあるが、最初の採決の際、議長自身の1票はカウントに入れずに、外すのか。採決に参加できないということか。

<所見>

 

 

 

事例7  議長の裁量で、修正決議案を上程することについて

<論点> 総会で上程した月額管理費を20%増額する議案に対し、会場出席している組合員の多数意見から、10%の増額であれば容認との結論に達した。この場合、議長の裁量で修正決議案を上程出来るか。また20%の原案に対し、30%増額の改定修正決議案の上程は出来るか。

<所見> 議案に対する修正は、通常一般的に予見し得る程度の範囲内であれば許容される。本件の場合、

20%増額する議案に対し、現状維持(値上げはしない)とする案や、増額を10%に縮減する修正

案(値上げ幅の縮小を求める修正決議)は、上程された議案に対する反対ないし一部否決である

から、修正案上程は許されると考える。

他方、20%の増額案に対し、上積みの30%の改定とすることは、一般的に予見し得る程度の範囲

内とは言い難く、許されないと考える。

 

 

 

 

事例8  理事長への委任状を反対票として行使することの是非について

<論点> ある管理組合では、理事会決議に基づき総会議案書が準備され、総会が招集された。だが理事長は当該議案書を準備した理事会の場において、原案に反対する立場であった。総会当日、理事長は「理事長あてに委任された議決権」を反対票として行使してよいか。

<所見>

 

 

 

事例9  半日遅れで到着した「委任状」「議決権行使書」の取扱いについて

<論点> 当日の議事終了後、組合郵便受箱に「委任状」「議決権行使書」が届いていた。スタンプ(投函日付)は会期前であった。あるいは当日の議事終了後に議決権数集計に錯誤があったことに気付いた。このことを議事録にどう反映記載すべきか。特に議案の可決・否決に重大な影響を及ぼす場合、その対応はどうしたら良いか。

<所見>

 

事例10  委任状および議決権行使書のみの総会開催について

<論点> ある管理組合の総会で、会場出席者は1名=招集者である理事長(または管理者)のみであった。このため実質的には会議の体をなさず、委任状および議決権行使書のみで決議することになるが、この総会は有効に成立するか。

この場合、当該総会に係る議事録署名人は、どう扱われるか。

<所見> 1.理事長のみが現に出席する総会ということは、実質会議の体をなさないため、組合運営上、不適切

な状態であると考えられるが、規約に定める総会に係る事項に則っているのであれば、法令に抵触

するものではないので、当該総会は有効に成立すると考えられる。

また、この場合、当該議事録署名人は理事長のみとなることもやむを得ない。

2.今後は、各組合員に対して、より早めに準備し積極的に総会出席の要請を行うことが重要であると

考えられる。

これを以てしても、ほかに出席組合員が得られないということであれば、管理組合運営業務の健全

化をより明確化するため、公認会計士やマンション管理士による外部監査を導入するという考え方

がある。

 

 〔関連〕 管理組合の業務監査・会計監査を支援

 

 

11  理事長印を用いた総会議事録への押印について

<論点> ある管理組合の総会で理事長が議長となり、その議事録作成において理事長は署名押印に際し、個人印ではなく理事長専用印を用いた。理事長印(役職印)の使用範囲として、これは適切か。なお、この総会では役員改選の議案が上程され、可決後、新理事間の互選により、別人の新理事長が確定した。

<所見>

 

 

 

12  総会および理事会の議事録を署名(サイン)のみに変更することについて

<論点> ある管理組合では議事録作成の都度に、三文判であっても印鑑持参は面倒・これを簡略化したい、との要望がある。規約の改定にあたり、議事録署名人の定めについて、現行の「署名押印」を「署名のみ」に変更する案が固まった。この規約変更は適正か。

<所見>

 

 

 

事例13  議事録の作成日について

<論点> ある管理組合では、これまで議事録をその日にまとめ、総会当日の日付を作成日としてきた。しかし議事録案を回覧し署名人全員が押印を終えるまでに相当の期間を要するようになってしまった。よって配布する日を作成日としたほうが現実的ではないか、開催日と同一なのはむしろ不自然と言えないか。

<所見>

 

 

 

事例14  総会議事録を全戸に配布する必要性について

<論点> 議事録は署名人の号室や所有の個人情報が流出するので配布は困る、との意見がある。そのため署名人欄を目隠ししたものをエントランス掲示板に1枚貼り出している。広報手段として、これは誤りか。

<所見>

 

 

 

事例15  議事録未作成は管理業者の怠慢で、業務不履行を責任追及することについて

<論点> ある管理組合で、新年度に就任した役員が文書保管状況を調査したところ「総会議事録2回分、理事会議事録の6年分」が未作成であることが発覚した。このことを管理会社に指摘したが、不履行のままである。管理会社に対し、この責任を追求し不当利得返還請求を行うことができるか。

<所見>

 

 

 

事例16  管理組合運営資料の保管義務・保存期間について

<論点> 特定承継人が管理組合に過去の運営資料の開示を求めてきた。総会の議案書・議事録・委任状・議決権行使書はいつまで保存すればよいか。

<所見>

 

 

 

事例17  議事録写し(コピー)を渡す義務について

<論点> 旧所有者から一つの住戸を譲渡された組合員から、設立総会から今期分までの議事録写しの交付請求があった。その場での閲覧だけでは不十分か。また原本を外へ持出し、コンビニでコピーすることまでも認める必要があるか。

<所見>

 

 

 

事例18  決議済みの議案を再決議または否決する場合の手続きについて

<論点> 通常総会で、ある設備の設置を普通決議で決定した。ところが決定後、反対者が多く出て理事長に抗議してきた。設置を進める上で、この決定が正当なものであることを念押し(再確認)のための議案、若しくはこの設備設置についてそれを否定するための議案を提出して、決着を図りたい。このようなことは可能か。

<所見>

 

 

 

事例19  アンケート調査の結果を総会の決議と見なすことについて

<論点> 共用部照明のLED設備の導入についてアンケート調査を実施したところ、区分所有者の95%の賛同を得た。5%はアンケート未提出者。この場合、総会の決議なしに導入工事を実施してもよいか。

<所見>

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

  iidaマンション管理士事務所  先頭ページへ

メールはこちら