それにしても、不思議な雰囲気のある
温泉地ですね。三階建てか四階建ての建
物は大正時代のもので、昔この土地に銀
の採掘事業が盛んだったころの最盛期の
雰囲気がそっくりそのまま残っているの
です。それもたった百メートルの長さし
かありません。他には行き止まりにある
滝が二すじ。それだけ。

銀 山 温 泉

       2008/09/18&19

「おしんこけし」というのを売っているお店のお
かみさんと話していたら、おしんという人は熱海
の八百半の創立者がモデルであって、銀山とはな
んの関係もない。
原作者の橋田壽賀子が銀山温泉
に来たことがあって、彼女の頭のなかでイメージ
をふくらませただけなのですよ、と解説をしてく
ださった。もちろん、テレビ化のときはこの温泉
街で撮影をしたし、おしんが生まれたとされる撮
影地もこの近くにあるのらしい。

 川原毛大湯滝を見物してから、国道13
号線まで降りて、近くに湯沢といういか
にも温泉地らしい地名があったので、調
べたが、もうひとつうまくないので、思
い切ってちょっと遠いけれど、尾花沢経
由で銀山温泉まで車を走らせた。

 いやはや、よい経験になりました。

 では皆様、ご機嫌よう。

 旅館の食事も「おしん」スタイルでした。
参考までに朝食の写真も一枚お見せしましょ
う。

 じゃあなにか。私は橋田壽賀子のイメージにひきつけられてここまで来た、ということなのか、とまるで狐につままれたような気がしたのでありました。

 温泉はとても硫黄泉とは思えぬ感じだし、
匂いもないし、有難味もないし、「くじら
餅」というお土産もあるが、いかにも大正
時代風で、焼いて食べよ、ということは焼
かなければ食べられない「餅」だし。

 おしんの奉公したとされる能登屋がよか
ろう、と思い、
5時ころ飛び込みで行って
みたら、「空いています」ということでこ
こに泊まることにした。宿の玄関番の女性
が言うには「あなたはラッキーです。普通
は空き部屋などないのです」だと。少なく
とも一か月前に予約を入れるものだそうだ。
また、一人で来て一部屋借り切りというの
もラッキーなのだそうだ。