平生住んでいる蓼科からは、日帰り
で行って帰れるのは、群馬県であって、
その先はどうしても一泊旅行というこ
とになる。それもひとりで生活してい
る「独りもの」には鬱陶しい理由とな
り、片道
200kmの日光は敬遠してきた
のだ。

 ところがどうだ。五色、七色、白骨、
乗鞍高原、本沢、万座、草津など近間
の硫黄泉を踏破してみると、あとは栃
木県の日光、奥鬼怒に向わざるをえな
くなってしまった。このあたり硫黄泉
を趣味とされるひとにとっては充分理
解できるところだろう。

 つまり、私にとっては「選択するこ
とのできない」旅行に出発したという
わけ。

 関越自動車道沼田で降りて、日本ロ
マンティック街道を走り、金精峠をこ
えた。

 勝道上人についてはhttp://www.nikko-jp.org/perfect/rinnoji/shoto.html
を参照のこと。

  天平宝字5年(761)下野薬師寺で受戒したので
あるから、その当時の知識層のトップレベルだ
ったことになる。奈良の大仏ができてからしば
らく経った頃、唐招提寺に鑑真和尚がまだご存
命だった頃の話だ。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%91%91%E7%9C%9F

 勝道上人が、男体山を観音の浄土である補陀
洛山とみなしたから二荒山(ふたらさん)にな
り、二荒が「にっこう」と読まれて日光になっ
たのでしたよね。

 湯ノ湖湖畔と写生をする人。

 お隣に源泉地、湯ノ平湿原がある。小学生
が旅行に来ていた。

 単純硫黄泉の湯船。床が黄色いのは
湯の華。かなり熱かった。隅から隅ま
できれいに掃除されていて美しいし、
匂いもよく、まことに有難いお湯だっ
た。温泉寺に感謝、感謝!!

 日光といえば、私の家から随分と
遠い。それに私は石川県の生まれだ
から、修学旅行で行く機会もなかっ
た。関東人にしてみると、この歳に
なってまだ日光を訪れたことのない
というのは「信じられない」という
ことになるが、まあ、そういう経緯
で、生まれてはじめての日光詣でと
いうことになりました。

日 光 湯 元 温 泉

                     2003/06/23

 では皆様、ご機嫌よう。

 近くの観光センターのなかに銭湯
「はるにれの湯」がしつらえてある。

 新緑の林が借景となっている。だ
が、浴槽の造りはまことにお粗末。
かつ熱すぎて永くはいれなかった。

 なんという美しい風景だろう。国立公園の中だから、看板もなにもない。緑のなかにお寺があって、そのお寺の浴槽こそが日光湯元の源泉だって、まったく信じられないセッティングだ。

 新緑が美しい。左の建物のなかに温泉銭湯がある。