結論としては、ご長寿の方のドイツでの自動車運転は通訳同行でないと安全運転は保証出来ません。
日本へ電話がかけられる携帯をもっていても役には立ちません。
やはり無理です。
年寄りは判断力が鈍っているから、実態を無視して危険を犯しがちです。リスクは絶対冒してはなりません。
後悔先に立たず、なのです。
では皆様、ご機嫌よう。
旅を終わる頃には同行者の運転技術はほぼ完璧な状態になりましたが、それでも問題が残るのです。
言葉の問題です。
事故を起こしたときの事故処理の場合とガソリン・スタンドで道を聞く場合のドイツ語です。警官は日本では日本語しか話さないように、ドイツではドイツ語しか話しません。もちろんガソリン・スタンドで英語を話す人などいません。
入るときは助走路をアクセルをフルに踏み込んで100km/hrを達成し、逆に出るときは導出路線が出てきたら直ちに側線に移動してブレーキをかける。
たったこれだけのことがやっていただけないので、同乗しているほうは死ぬ思いをする。
冗談じゃありませんよ。
一日のドライブを終えたら手術をおえたばかりの心臓が、縮み上がって痛み始める。
ところがどうだ。やはり問題が出た。
アウトバーンが問題なのです。
アウトバーンは高速で重量車が走るので、瞬間のタイミングが間違うと車ごと潰されてしまう危険性があるのです。
とくにアウトバーンに入るときと出るときが問題なのです。
ご主人は東大工学部電気工学ご出身のかたなのですが、皆さんの費用で借りたレンタカーなので、ご主人にも運転していただくのが妥当だと思って、欧州車には珍しいオートマチックの車を借り、万が一の安全性を考えてベンツにしました。
3.
日本人が良く間違えるポイントなのだが、
踏切には必ず遮断機が取り付けられている。だ
が、遮断機のバーが上がっている場合は一時停
止をしてはいけない。
4.
アウトバーンは原則的に時速が無制限であ
るから250km/hrで走っても違反にはならない。
ただし自分の車がどの程度の速度で走る能力が
あるかは事前に知っておかなければならない。
今回借りたレンタカーの最高速度制限指示は
210km/hrだった。
5.
アウトバーンを高速で走るから、地図を車
中で参照することができない。予め地図を参照
して行動計画を作成してメモしておくことが必
要になる。
6. アメリカと同様右側走行である。
お教えしたことは次のとおり、
1. ドイツの法規は「白か黒か」方式で、日本のような40/60とか20/80とか妥協的な判断をしない。規則を守った人は白で、規則を守らなかった人は黒になる。
2. 道路には優先道路と非優先道路の区別がある。優先道路には黄色の四角マークがとりつけてあり、非優先道路には赤枠の三角形の下向きマークがとりつけてある。非優先道路の人が優先道路に乗り入れる場合は、必ず優先道路の車に優先権を与えなければならない。
さて、それとは別なのだが、今回の旅行では同行されたTさんにドイツ周辺国での車の運転実習をしていただいた。いわば高齢者による異境での運転実験である。
事前に国際免許をつくってきていただき、日本の運転免許証も持参いただいて、レンタカーで走り回っていただいた。
なお、ベルサイユにもLatona Fountainはあるのだが、Herrenchiemseeの彫刻のほうが圧倒的に優れている。
当時のドイツ帝国鉄血宰相ビスマルクがババリア王朝の金庫の中味を洞察し、王家への補助金を継続さえしていたら、このような芸術品が更に数を増していたことであろう、と思うと、残念なことである。
これらの写真を眺めていると、はたして被写体は外部の呪いによって強制的に変態させられたのか、あるいははたまた自ら変容を望み待ち焦がれ、その期待が現実化されて喜んでいるのではないか、という疑問さえ生まれてくる。
ルードヴィッヒ二世の置かれていた環境を考えるとき、後者のほうが正解を提供しているのではなかろうか、と考えます。
トカゲと亀の彫刻もきわめて美しいなら、一段上の水盤に置かれている人間のカエルへの変身はまるでグリム童話を思わせる不気味さであふれている。その造形はきわめて芸術的幻想的である。狂気の領域に一歩も二歩も踏み込んだイメージで、とても美しい。
日本人でこのような正気と狂気の中間領域に踏み込んだ芸術家はあまり多くないような気がする。
Latonaというのはギリシャ神話にでてくる女神なのですが、ゼウスとの間に子アポローンとアルテミスを生みました。この泉の主題は古代ローマの詩人オウィディウスによる『名婦の書簡 』''Heroides'' に記載されている伝説で、小アジアの古代の国リュキアでのことなのですが、農夫が水に飢えた子連れのラトナに水を恵んでやらなかったので、ラトナは怒ってその農夫をカエルに変えてしまったのです。
変容という言葉の英語は、TransfigulationとMetamorphosisの二つの単語があるのですが、前者はキリストの山上の変容の場合に使い、後者はラトナの場合のように「魔力による」変態を指すようですね。
彼が精神病であったかどうかはわからない。ノイシュバンシュタイン城の雰囲気を感じると、あるいは正気と狂気の間を行ったり来たりしていたのではないか、と感じる。
このヘレンキムゼー城にもそれらしき雰囲気がある。たった一箇所だが、宮殿前の中央噴水の彫刻Latona Fountainである。噴水の水がでていない間が観察に都合がよい。
Herrenchiemseeはご存じの通り、森
鴎外が「うたかたの記」で題材に使
ったババリア国王LudwigsUが造りまし
た。
彼は普墺戦争直後、1867年(慶応3年)
にベルサイユ宮殿を訪れ、ババリアにも類
似の宮殿を造築しようと思い立ち、1878年
から建設を開始したが、1885年(明治18年)
にはババリア政府の金庫が枯渇して建設は中
止され、翌年シュタルンベルク湖畔で侍医フ
ォン・グッデンとともに水死した。
さて、ミュンヘンを20日の朝9時出発したのですが、まず一番に訪れたのはHerrenchiemseeでした。アウトバーンからも近いし、私自身はいままで訪ねたこともなかったので好都合だったのです。
今回の旅行はミュンヘンから出発してオーストリアの西部とスイスの東部を巡り、ミュンヘンに27日に帰ってくるという計8日間の旅行であったが、趣向を変えて二つの実験をやってみた。
一つは高校の同級生二人を同伴してみるというこれまでの私の旅行パターンで初めての試みであり、そのうち一人がご主人を同行なさったので、計4名のパーティーとなった。
二つ目は、レンタカーなのですが、これを日本人のお年寄りに運転してもらったらどうなるか、の実験でした。
写真:使用したMercedes 220D
写真:顔まで変容が進んだ男性
写真:手の先からカエルに変身し始めた男
写真:顔からカエルに変身し始めた女性。
Herrenchiemsee
2009/06/20
非優先道路標識
優先道路標識