五 箇 山 の 春
2009/04/19
写真の右手、座敷の右側にまるで大きな火鉢のように据えられているのが塩硝釜なのですが、はたして座敷のなかに持ち込むような代物なのでしょうか。
化学者の目からみると、この土地は
江戸時代の(外国貿易が閉ざされた)
鎖国時代に塩硝を作っていた場所であ
ったことがユニークに映ります。塩硝
とは黒色火薬を作るときの薬品で、燃
えると硝酸根が酸素を放出するのだそ
うです。でも土地の人の話をなんど聞
いても製造方法の理屈がもうひとつよ
く理解出来ません。工業化学科卒の修
士様が理解できないのですから、一般
のひとにとってはまったくチンプンカ
ンプンでしょうね。「肥溜めに小便を
かけて、熟成させると塩硝が生成する」
などというのは、荒唐無稽ですね。だ
れか明快に解説してくださる博士様は
おられないものでしょうか。
いよいよ春爛漫ですね。
春が遅い長野県でも桜前線は標高1200mまで上昇してきて、片栗の花や水仙が咲き始めています。例年にくらべて約10日間早い春の到来なのです。季節基準として私は片栗の花を採用しているのですが、例年ゴールデンウィークの初め4月29日頃に咲くものが今年は19日には咲いておりました。標高1,450mの話ですよ。
では皆様ご機嫌よう。
それはともかく美しい春でした。
PS:
上述のような迷惑メールを知人あてに送ったら早速、「おまえは阿呆か?」と同窓のT氏から返事がきました。
紹介されたのはこのwebsiteでした。
硝化バクテリアが働くのだそうです。
金魚鉢に入れて水質浄化するあれ。
それにしても世の中には精密に調べ上げる研究者もおられるのですね。それもどうやら学者ではなく、一般人のようです。
金沢市の奥座敷である湯涌温泉から山一つ越えた場所なのですが、この場所は昔から山間僻地ということになっており、春の訪れもとても遅いし、御覧のように花々が一斉に開花してその美しいこと。なにしろ水芭蕉の花から八重桜まで一挙に咲き始めるのですから豪華絢爛です。
このあたりのお寺は、山門と鐘楼を兼ね合わせた門を造るのが一般的で、白川郷にも見ることができます。
お隣のお寺、行徳寺も風格があって素敵です。蓮如上人(室町時代、本願寺中興の祖)のご活躍の影響がここに残っているのです。
合掌造りの村落はその間に四つか五つかあるのですが、「どこが素敵か」と訪ねられると、私は躊躇なく上平の岩瀬家を挙げます。ごちゃごちゃしてなくて、すっきりくっきり、まるで絵に描いたような単純さが美的です。
白川郷(岐阜県)から五箇山(富山県)までは世界遺産の合掌造りの村落が残っている観光地なのですが、皆様バスで観光にこられる方が多くて一般車はあまり多くないのです。
その長野県から金沢市に帰るルートなのですが、最近は高山市を起点とする高速道路が開通してとても便利になりました。高山市からほとんどトンネルの連続で約30kmを20分で走り抜けると白川郷に到着しますから、ここから一般道を通って金沢市まで走るのです。