reims_museum

説明板の翻訳：
ランスの円形闘技場

この古代都市は、ニーム或いはアルルのそれに比較しうる大きな円形闘技場をもっていた；それは現在のラオン地区フォーブールに位置していた。その廃墟を前世紀末（筆者注：19世紀末）にはまだ見ることができた。その廃墟は残念なことに、聖トーマス教会を建設するために取り壊された！　今日ではモン・ダレーヌ通りだけがその思い出を保存している。古代の時代には、その建造物は多くのモザイク装飾やここに掲示するライオン頭部のような彫刻を産み出すもととなったであろう。

館内説明板の翻訳：

1860年、ポルト・ド・マルス（軍神マルス門）の近くにあった一軒の豪華なローマ邸宅の跡地で、一つのとても大きなモザイク（11 x 9 m）が発見された。それはそれぞれ一辺が1メートルの大きさの35個のメダイヨンで飾られており、近所の円形闘技場でおこなわれていた演技が表わされていた。：剣闘士、猛獣、トロフィーなど。このモザイクは不運なことに1917年の爆撃で破壊された。；そして1980年、元々の断片から、35個のメダイヨンの一つが博物館で復元された。：それがトラキア人の剣闘士である。

紀元後3世紀。

モザイク・タイル、通称「二人の剣闘士」
西暦2世紀
1890年、ランスのペルスヴァル通り（Rue Perseval）にて発見された。

解説文翻訳：

青銅製の古代の蛇口。ランスのコントレ通りの近くのローマ・ガリア邸宅の発掘現場で発見された。

館内説明板の翻訳（続）：

　導水路は街の配水池に到達し、そこで水は巨大な貯水槽からなる給水塔を出るが、給水塔の底のいくつもの制水弁から鉛管のなかに流れ込み、給水所、便所、共同浴場ならびに貴族の豪華な邸宅に供給される。水不足が生じた場合は、私的な邸宅への制水弁を閉め、さらにもし必要ならば、共同浴場と便所の弁を閉める。；こうすることにより、水は給水所に貯められる。なお、使用後の水は素焼きの水道管により下水道網へと排出される。

館内説明板の翻訳：

古代都市への水の供給はスゥイップからランスまでの導水路を用いて行われた。；およそ38kmの長さの導水路はその取水口をジョンシェリー=シュル＝シュリップの上流、通称「穴の森」（”Le Bois des Fosses”）から遠くない所にもち、そこには清澄池があった。導水路の設置場所はローマ街道とほぼ平行していた。；気温較差がわずかに抑えられるため、導水路はたいていは地下に設置されていた。土地の高低差は、取水口（標高123m50）とランスの入口の人権広場（標高103m50）の間で20mであった。つまり1mあたり0.6mmの傾斜であった。

翻訳：
ジョヴァンの墓

この大理石石棺はフラヴィウス・ジョヴィヌスのものとされる。彼は367年初め、ヴァレンティニエン一世皇帝の下でガリアのローマ軍の総司令官となった。彼はアラマン族に対していくつもの勝利を勝ち取った。これらの勝利により彼は執政官と名付けられることとなった。；彼の死後1世紀以上も経ってからジョヴィヌスにこの石棺の取得を実現させ、騎士の頭部を彼の容貌に似せて彫刻させたのもローマであった。ジョヴァンは多分ランス生れであり、ここに住み、死んだ。キリスト教に改宗した彼は、ランスの初期の教会である聖アグリコール・聖ヴィタル教会を建築し、そこに彼の墓が作られた。

説明：
ラヴィウス・ヴァレリウス・ジョヴィヌスFlavius Valerius Jovinusはフランス・ガリア出身のローマ将軍であり、ランスで生まれた（310-370）。彼はジュリアン皇帝によりガリアの騎兵隊教師と名付けられ、その責務をジョヴィアン皇帝（363-364）とヴァレンティニエン一世皇帝（364-375）の下で果たした。彼はいくつものアラマン族反乱を鎮圧した。例えば366年の古代都市スカルポーヌの反乱。

写真：ランス博物館。サン-レミ大聖堂の隣にある。ランスの歴史を勉強するにはもってこいの博物館。開場は午後2時。