執筆中はそれどころではなくて中止していた読書も再開しました。金沢市の市立図書館泉野は、ニューヨークタイムズ・ベストセラー・リストに載っている本ならハードカバーでそろえてあるのです。ここから読みやすい本をみつけ、時間をかけて辞書を引き引きゆっくりと読んでいきます。現在は”Be Careful What You Wish For” Jeffrey Archerを読んでいます。この本はクリフトン年代記の第四部です。アーチャーという人は素人には理解不可能な難しい単語をあまり使わないので、彼の本は読みやすいのです。それに英国のことが事細かに記してあるので、英国事情通になるにはもってこいです。

 あれやこれや整理して、結局、健康問題だけが残り、私の実質的な活動の足を引っ張っています。これさえすめば、また以前のような前向きの活動が可能になることでしょう。

 ですから、現在はやはり名実ともに本格的なブラブラ状態ですね。

 では皆様、ご機嫌よう。

 金沢に移転して金沢見物も一巡したので、天候が概して悪いこともあり、以前のブラブラ生活にもどろうと努力しています。

ブラブラ生活とは、執筆活動はしないアイドリングの状態を意味します。『カイゼル・システム』を執筆するのにかれこれ5年間かかりましたが、このうち最初の2年間は『カイゼル・システム』の概念ももたず、ただひたすらブラブラすることに徹したのです。頭のなかを一旦空っぽにする準備期間だったのかも知れません。

 昔、父親から相続してまだ金沢に残っていた小さな土地を駐車場にしていたのですが、売ってくれという申し入れがあったので、売却しようとしています。私の家内がこのような問題を実にたくみに処理してくれますので助かります。金沢では法務局が明治以来の大雑把な土地台帳を精密な測量地図へと置換えを計っています。土地の権利証の土台となる重要な台帳なのですが、これまでは明治時代に作られたおおまかな略図と民間の測量士による数字にもとづいていたのです。法務局によるこの精密な仕事が完了次第、契約することになります。過去の土地保有の時間的経過について私からの法務局へのプレゼンテーションは終了しておりますので、今後のことはすべて家内に任せることにしました。

 いずれにせよ暇なので、執筆中はほったらかしにしていた身体の不都合の手入れも始めました。私の場合は前立腺です。私の年代、つまり70歳代半ばの人達は殆どが前立腺問題をもっていますが、そのほとんどの方がすでに手術などの手当を受けてしまわれていますから、とくに私たちの間では話題にもなりません。私自身は現在、ガンの有無を調べるための生検の順番待ちです。

この健康問題がクリアになるまで海外旅行は中止です。昨年末からラオス、スリランカなど近隣諸国の旅行の申込をしたのですが、この健康問題があって、いずれもキャンセルしました。それに海外旅行にたいしては一昔前ほどの好奇心がなくなってきていることも事実なのです。

写真:兼六園には前田藩第三代利常(としつね)が金沢城の防火用水として築造した辰巳用水の水が流れている。

金  沢  短  信 (4)

                    2015/01/31

写真:浅の川に面した主計町。正面の建物が鍋物料理の太郎。

写真:玉泉園が改装されて素敵なレストランになった。

写真:私はなにも食べずにコーヒーを一杯いただきました。

写真:兼六園の近くにある玉泉園の庭。千利休の曾孫で裏千家始祖である千仙叟は加賀藩三代藩主である前田利常に従って金沢に住んでいた。その千仙叟が前田藩の重臣脇田直能(なおよし)のために脇田家の庭園「玉泉園」に茶室灑雪亭を作った。

写真:兼六園。雁行橋