金  沢  短  信  (2)

                      2014/12/15

金沢駅東口の駅前スケッチなのですが、客待ち電車が二台みえます。左側に「粟崎遊園行」とカンバンがかかっているところは粟崎海岸行き郊外電車駅です。多分昭和16,7年頃の風景だと思われますが、どうやら雪景色のようです。中央真っ直ぐ遠くに見えているのは東本願寺金沢別院ですね。懐かしい風景です。

ちなみに今現在この場所からの眺めはどうなっているのでしょうか。

歩道脇に植えられている花キャベツも雪まみれ。

 私は自分の健康維持のため一日1時間は少なくとも歩かなければならない、と考えているが、こういう冬の陰鬱な雰囲気では卯辰山に登る気にはならない。代わりに実行しているのが、片道30分かかる金沢駅への散歩と同じく片道30分かかる近江町市場への散歩である。金沢駅は昔と違って金沢駅そのものが繁華街になっているから、買物をしたり、食事をする場所にことかかない。近江町市場は買物が主体だが、名鉄・エムザというデパートが隣にあるから、その気になれば高級品のショッピングもできる。

「蛇の目寿司」本店、今も柿木畠の鞍月用水に橋を架け渡して営業している。

 これはある日の私の昼食だが、¥300のまぐろ細巻きと¥350のかじきの昆布締めです。この昆布締めの複雑な味は絶品。食後に餡もち二個をたべても¥1,000以内で済みます。金沢というところは、少食になってしまった食通の老人には嬉しい場所ですね。

 では皆様、ご機嫌よう。

 右に見える建物は最近完成した近江町市場の建物「近江町いちば館」ですが、この市場の中にダイヤモンドというスーパーがあって、ここに一人用の調理済み食品が売られている。魚を買って醤油、みりん、砂糖などを使って自分で調理するより、ここで調理済みの食品を買ったほうが手間いらずで、しかも美味しい、と私の妹が言う。だから、肉じゃが、赤魚の煮付け、べろべろ(卵の寒天料理)、小烏賊の煮付け、白菜の漬物などを買って帰る。

 東京や茅野市などでは絶対に買えない食品も売っている。「鱈子の煮付け」というのは鱈の卵巣の煮付けであって、美味しい冬の郷土料理だし、魚の昆布締めというのも売っている。塩辛いが河豚の糠漬というのもあって、日本酒のつまみとして食べると美味しい。これをスライスして売っている。

 あれやこれや見て廻るだけでも楽しい。

 武蔵が辻から東方向(尾張町方向)を眺めたスケッチです。左手のビルは昔あった金沢三越です。画面右手が近江町市場入口です。交差点にお巡りさんが立っていますね。今は金沢三越はなくなってしまい、その跡を継いだデパート「武蔵」も取り壊され、マンションに変わってしまいました。

 先日柿木畠にある昔からの鮨屋「蛇の目寿司」で昼食を食べたら、私たちが生まれた頃の金沢のスケッチ画をポスターにしたのをくれた。

 その当時の金沢駅前は次。

 12月に入ったと思ったら、早速に北陸の冬がやってきた。黒い雲、重く垂れ込めた雲の中から雷の轟きが鳴り渡る。たちまちにバラバラと霰が撒き散らされ、地面には霰と霙と雪が堆積する。

 北陸のどこでもそうだが、地面に雪解け用の散水栓が埋め込まれていて、雪が降ると早速に数条の水が吐き出される。車道はこの水で雪が溶けるのだが、歩道は水撒き装置がないので溶けかかった雪で歩きにくい歩道となる。車道を走る車が雪解け水を跳ね上げるから、歩行者は水の撥ね上げを注意深く避けなければならない。

 こういう理由で冬の北陸は散歩に適さない。

現在の武蔵が辻。

 駅前に林立するビル群で東別院は見えなくなってしまいました。また、昔の路面電車も撤去されてしまいました。

 次に武蔵が辻のスケッチです。

Google Map 2014

現在の蛇の目寿司。Google Map 2014から。

最近完成した五十間長屋と正殿入口である橋爪門。
関ヶ原の戦の頃には左側高台に天守閣があった。