草  津  温  泉

           2013/11/1516

 では皆様ご機嫌よう。

 帰りに軽井沢へよって、熊魚庵で昼食をいただきました。

 私は翌早朝街を散歩しました。裏手に地蔵湯と地蔵堂がありました。昔は目の治療に効能があったのだそうです。細菌で伝染するトラコーマなどは一発で治っただろうね、と友人がもらしました。

 湯畑の湯もみ館では湯もみショーをやっています。これも珍しくて大入り満員ですね。

 西の河原へ行く細い道には、いまでは他の温泉地では見られなくなったような土産物屋と饅頭屋が軒をつらねています。「食べてってんか」の声につられて、つい饅頭をひとつ頂戴してしまいますが、誰も饅頭を買う人はいないようです。これ草津市のPR作戦なのでしょうか。

写真:白旗の湯の昔の写真。湯頭(ゆがしら)がいる時間湯だったことがわかる。

 湯治が主目的だったから、江戸からはるばる42里も歩いてきたのですね。一日に8里歩くとしても5日間の道程でした。その当時の湯浴み場所「御座の湯」が再建されましたのでこれも楽しみです。今の共同浴場「白旗の湯」も熱いけれど、昔はもっと熱かったから、湯に入る前に湯もみをしたり、湯頭のかけ声一下、全員が湯に飛び込んで3分間だけこらえる、という「時間湯」というシステムがあったのだそうです。

写真:御座の湯に掲示されていたもの

 草津温泉というのは、やはり一泊するのにかぎる。酸性が強くてPH2という強酸性で、だから昔は「万病を治す」効能がある、と信じられていたようですが、そうでしょう。

 私が病の後遺症で苦しんでいるときに、すっかり落ち込んでしまって、なにか気分転換できないものだろうか、と考えて一人の友達に電話をかけた。

 名古屋住いの彼はこころよくお付き合いをひきうけてくれて、長野県のいままで行ったことのない温泉に行こう、と言ってくれた。

 そこで、落ち合う場所を長野県の上田駅として、行く先は群馬県の草津温泉に決めた。草津温泉はなんども訪ねているが、いずれも日帰りか、通過するかの旅行で宿泊したことがなかった。

写真:左が地蔵堂、その手前が源泉、中央に足湯、右に共同浴場「地蔵の湯」。共同浴場は草津に18ヵ所もあって、それがすべて無料なのだそうです。

 夜の湯畑です。濃い闇のなかに白い湯気がもうもうと立ち上がって、それはそれは幻想的。最近は夜、湯もみ館で落語をやっているようで、客引きのお嬢さんが路上に立ちます。草津温泉は街をあげて温泉気分をもりたててくれます。

画像:温泉街と饅頭売り

 通常温泉地には、温泉が湧き出す地獄があり、ここを湯河原と称したもののようですが、草津は西の河原がそれに相当するようです。西の河原の奥手にある「西の河原大露天風呂」というのが広々としていて爽快ですね。借りてきた写真だけれど載せておきます。ずっと奥のほうへ行くと湯温が高くなって気持ちがよいようです。入口に近い場所で当日の湯温は41℃でした。

画像:西の河原大露天風呂

 宿屋はかねてから注目していた草津館に決めた。草津館は場所がよい。草津温泉の中心にある湯畑にあり、熱い湯で有名な共同浴場「白旗の湯」の隣であり、女将の話では、お隣の昔は駐車場だった場所に立派な「御座の湯」が開館しましたよ、という嬉しいニュースもあった。

写真:湯畑から見た光景。左は光泉寺(開祖は行基、養老五年(721年))。次に白旗の湯源泉。その右が新築なった御座の湯。右端が草津館(120年の歴史 )。

写真:草津館の内湯。左手小さい浴槽が白旗の湯、源泉は草津館の前にあり、上の写真の左下に見える。右手奥が若乃湯(草津館の敷地内に湧出する独自源泉)。若乃湯が断然素晴らしい。お勧めする。