極上音楽
1970年代の名盤 No.3

Dave Mason / Certified Live
1976年作品
トラフィック、デラニ―&ボニ―の活動の後、70年の「Alone Together」から年1枚のペースで 順調にソロ・アルバムをリリースしていた、デイヴ・メイソンが30歳のこの年、自身のオリジナル他、 トラフィックス、ディラン、イーグルス、サム・クック、スティーヴ・ウィンウッドのカバーなどを 演奏した臨場感あるライブ・アルバムをリリースした。
アルバム作りにも関わっている気心知れたバンド・ メンバーとのソウルフルな演奏・歌をオーバーダビングなしの録音で記録している。
Rick Jaeger(dr)の切れのあるドラムと,Gerald Johnson(b)のずっしりしたベースに,Mike Finnigan(key)のオルガン,は、ロックの中にソウルを感じる演奏で何度聴いても楽しめます。
The Crusaders / Those Southern Knights
1976年作品
テキサス出身のクルセイダーズは、70年代多くのアーティストのセッションでもファンキーな 演奏を聴かせてくれていた。
このアルバムは、1曲目の「スパイラル」のラリー・カールトンのギター・ソロが有名ですが、 この曲の作曲者ジョー・サンプルのエレピのソロ、このアルバムからレギュラーメンバーとなった ベースのロバート・ポップウェルのソロも凄まじくファンキーで素晴らしい演奏です。
ジョー・サンプルだけが2曲を作曲、他メンバーがそれぞれ1曲を作曲している。どのナンバーも ご機嫌なファンク・チューンでメンバーの力量が窺われます。
このアルバムで、トロンボーンのウェイン・ヘンダーソンがグループを脱退するので、6人の演奏 が聴けるのは、このアルバムまでです。

1. Spiral 2. Keep That Same Old Feeling
3. My Mama Told Me So 4. Til' The Sun Shines
5. And Then There Was The Blues 6. Serenity 7. Feeling Funky
Steely Dan / Aja

1977年作品
前年の「The Royal Scam」のサウンドをさらに発展させたサウンドは、よりジャージー で洗練されたものになっていた。この1年の進化は、すごいスピードであった。
曲ごとにダブルスケールのスタジオ・ミュージシャンをセレクトして完成された曲は完璧主義の彼らの 後世に語り継がれる作品となった。

7曲中2曲のドラムスがバーナード・パーディ他5曲は、すべてドラマーが違い。また、 1曲以外チャック・レーニーが他6曲全ての曲のベースを弾いています。トム・スコット のブラス・アレンジメント、ビクター・フェルドマン(このアルバムの最大の功労者)のエレピ、マイケル・オマーティンのピアノ、 ジョー・サンプルのエレピ、ウェイン・ショーターのティナーサックス等々がアンサンブルを聴かせます。

「Black Cow」「Aja」「Deacon Blues」「Peg」「Home At Last」「I Got The News」「Josie」 と全て名曲。スティーリー・ダンの6枚目のアルバムにして初のプラチィナ・ディスクに輝く永遠の名盤中の名盤です。


このDVDは、フェイゲンとウォルター、そして彼らと「aja」を作り上げたミュージシャン、エンジニア他の皆さんの解説、逸話が満載です。 当時のレコーディングメンバー(バーナード・バーディ、チャック・レーニー、ポール・グリフィン)とスタジオでの「PEG」「JOSIE」のイン スト・ライブ演奏も収録されていて嬉しい作品です。
Steve Winwood / Steve Winwood
1977年作品
70年7月にリリースされた「ジョン・バーレイコーン・マスト・ダイ」はトラフィックの 名義でリリースされることになったが、レコーディング当初はスティーヴのソロになる予定だった。
その後、トラフィック名義で5枚の美しいアルバムをリリースし、74年の「When The Eagle Flies」がトラフィックスのラスト・アルバムとなります。その後、さまざまなアーティストのレコーディングに参加し、77年 リリースしたファースト・ソロ・アルバムがこの名盤です。
マルチプレーヤーの彼は、その後インスト・パートをワン・マンでレコーディングするアルバムを作るのでいわゆる 打ち込みではない、生楽器でアレンジされた演奏が聴かれるのがこのアルバムです。
ドラムスがアンディー・ニューマーク、ベースがウイリー・ウイークスというこの時旬な、リズム・セク ションが素晴しく、そしてキャッチーなメロディーをソウルフルにスティーヴが歌い上げます。
Michael Franks / Sleeping Gypsy
1977年作品
マイケル・フランクスのワーナー移籍の1枚目、ソロ・アルバムとしては3枚目の名盤。この時マイケル 33歳
このアルバムのレコーディング前にプロデューサーのトミー・リピューマの紹介で、トム・ジョビンと ホテルで会う事が出来て本当に有意義な時間を持てたという事が書いてある雑誌を見た記憶があります。
その為かアルバム全体、ブラジルの風を感じる。アルバム収録の「アントニオの歌」そのジョビンに捧げられた曲ですね。
ジョニー・ミッチェルの「コート・アンド・パークス(74年)」でも気持ち良いプレーをしている、ジョン・グェリン(Dr)と クルセイダーズのウェルトン・フェルダ―(b)、ジョー・サンプル(key)ラリー・カールトン(g)らの凄腕ミュージシャンがスローな曲でもグルーヴするバック演奏を聴かせてくれる。そのバックにマイケル・フランクスの優しく切ないメロディーが乗ります。
8曲目の「Down In Brazil」では、ブラジルのミュージシャンも参加している。
クルセイダーズの面々のソロの他、マイケル・ブレッカー、サンボーンのサックス・ソロもフューチャーされてていいんだな〜
Tood Rundgren / Hermit Of Mink Hollow
1978年作品
トッド・ラングレンは、68年「Nazz」というグループでデビューし、4年の活動期間の間に 3枚のアルバムをリリースする。サードアルバムでは、既にソング・ライティング、ホーン、ストリングス・ アレンジをトッドが手掛け彼のワンマン・バンドだった。そして、71年ファースト・ソロアルバム「Runt」を リリースする。セカンドが「The Ballad Of Todd Rungren」サードは2枚組の「Something/Anything?」、 「A Wizard、A True Star」と続きその後3枚のアルバムをリリース後の8枚目がこのアルバムです。
「ザ・バンド」「グランド・ファンク・レイルロード」「ホール&オーツ」「フェリックス・キャヴァリエ」「XTC」等々 のプロデュース業も有名ですが、勿論自身のアルバムは全てセルフ・プロデュースでエンジニアまでやって しまいます。そして、マルチプレイヤーでソングライターですので全ての音がトッドが作り、コントロール しているというわけです。
そんな、彼のアルバムの中でも、このアルバムはクオリティも高くウッドストックの ホームスタジオで1人でコツコツと多重録音して作り上げた最も私の好きなアルバムで名盤です。名曲ぞろいで 捨て曲なし。哀愁を帯びた切ないメロディー、ポップなセンスには脱帽です。
The Brecker Brothers / Heavy Metal Be-Bop
1978年作品
ランディー(tp)、マイケル(t.sax)の兄弟は、ニューヨークを拠点に75年にファーストを レコーディングしその後も4枚のアルバムでファンキーなサウンドを聴かせてくれた。
そしてこの5枚目のアルバムは、それまでの代表曲を収録したライブ・アルバムだった。 80年7枚目のアルバムリリース後、ソロ活動が多くなり、「ブレッカーブラザース」名義の アルバム・リリースがなかったが、92年・94年にグループ名義でアルバムを2枚リリースしている。
このアルバムのメンバーのドラムスのテリーは、ザッパ、U.K.、ジェフ・べックなど多くのミュージシャンと活動してきた、この時、28歳。 二ールとバリーは、フュージョン関係のセッションが多いスタジオ・ミュージシャン。
ファンキーなリズム隊とメカニカルなテーマを持った曲に、ランディー、マイケルのソロ・パートがクールです。それぞれの曲がスタジオアルバムよりエキサイティングに展開され大興奮の内、あっという間に時間が過ぎるライブ盤で名盤です。
1曲目の「East River」のみスタジオ録音で、ボブ・クリアマウンテンがエンジニア・ミックスしています。この曲もすごい!

本当に残念ですが、2007年マイケル・ブレッカーは白血病で永眠された。
私も斑尾でマッコイ・タイナートリオのゲストとしてマイケルが参加したライブを見ましたが熱くブロウしている姿が未だに目に焼き付いている。

1.East River 2.Inside Out 3.Some Skunk Funk 4.Sponge
5.Funky Sea,Funky Dew 6.Squide

bass:Neil Jason 、guitars:Barry Finnerty、drums:Terry Bozzio
The Doobie Brothers / Minute by Minute
1978年作品

76年頃トム・ジョンソンは、年間200本ものツアーに疲れ、体調も崩していたようで・・・
スティーリー・ダンを脱退して、ドゥビーにすでに参加していたジェフ・バクスター(g)の 誘いもありマイケル・マクドナルドが、1976年リリースの「Takin'It To The Streets」から ドゥービー・ブラザースに加入した。
マイケル・マクドナルドがトム・ジョンソンを追い出したわけではなく、ドゥビーに雇われた ので御理解して下さい。
というわけで、マイケル・マクドナルド参加して3作目でこのブルー・アイ・ソウルの名盤が生まれた。
プロデュースは、初期から変わらずワーナーブラザースのテッド・テンプルマンです。
このアルバムの後80年に「One Step Closer」、82年のライブ・アルバム「Farewell Tour」をリリース後、 マイケル・マクドナルドは、ソロ活動に入る。

1. Here to Love You 2. What a Fool Believes
3. Minute by Minute 4. Dependin' on You
5. Don't Stop to Watch the Wheels
6. Open Your Eyes 7. Sweet Feelin'
8. Steamer Lane Breakdown (Instrumental)
9. You Never Change 10. How Do the Fools Survive?

Chaka Khan / CHAKA
1978年作品
70年代初期からルーファスのヴォーカリストとして人気を高めていたチャカのファースト・ ソロアルバムがこのアルバムです。
アトランティック・レコードの数々のレコード、そして アレサ・フランクリンのプロデューサーとして有名なアディフ・マーティンの下、スティーリー・ ダンのような豪華なバック・メンバーが集められた。
ドラムス:スティーブ・フェローン、 ベース:ウィル・リー、アンソニー・ジャクソン、ギター:フィル・アップ・チャーチ、キーボード :リチャード・ティー、とニューヨークのミュージシャンが圧倒的なグルーブを作り出し、その バックに負けない、チャカのヴォーカルがソウルフルにシャウトします。
90年代にホィットニー・ ヒューストンと競演したアシュフォード&シンプソンの「I'm Every Woman」が1曲目で この曲を聴くだけでも買いです。ん〜名盤です。
Neil Larsen / Jungle Fever
1978年作品
スティーブ・ウィンウッドのファースト・ソロのリズム・セクション。ドラムス:アンディー・ ニューマーク、ベース:ウイリー・ウイークスが気持ちいい!二ール・ラーセンのファースト・ソロ アルバム。

マイケル・ブレッカーのサックス、旧友のバジー・フェイトン(後にラーセン・フェートン ・バンドを結成1980・82年に傑作アルバムをリリースする)のギターも素晴らしい。
このアルバムのプロデューサーのトミー・リピューマーの作ったレーベル:ホライズンの名盤。
なんとも哀愁を感じる都会のクールなサウンドを作り出しています。
Gino Vannelli / Brother to Brother
1978年作品
カナダ出身のジノ・ヴァネリがメジャーになった6枚目のアルバム。この時ジノ26歳(1952年生まれ)。
「I Just Wanna Stop」が全米4位。前作までのプログレ色のアレンジと フュージョン的なアレンジが程よく融合し、この音を作り出している。本当に夢中で聴いたアルバムです。
「ミュージシャンズ・ミュージシャン」とミュージシャンには評価が高かったが次のアルバム 「ナイト・ウォーカー」以降、残念ながらセールスに結び付いていないようだ。 曲よし、アレンジよし、演奏よし、ヴォーカルよしと全てが奇跡的な音を作り出している。
兄のジョー弟のロスそしてジノの兄弟が作り出したこのサウンドを聴いていない人がいれば是非1度 体験して下さい。
キリン・バンドのライブで矢野顕子さんが、このアルバムの2曲目の「RiverMustFlow」をプレーしていました。
Chick Corea/ Friend
1978年作品
72年のReturn To Forever、76年のLepnechaun、76年のMy Spanish Heartと印象に残る傑作をリリースしてきたチック・コリアの代表作、アルバムのジャケットも面白く、参加したチックの良いお友達のスティーヴ、エディー、ジョーの3人が伸び伸びとチックの曲を演奏しています。
エディーはビル・エバンスのモントルーのライブからの相棒ですね。ジョーはR.T.Fにも参加しているフュージョンでの活躍が多い人で、このアルバムでもフルート、ソプラノ、ティナーを気持ちよく聴かせてくれます。
スティーブは、彼のキャリアの中でも代表的なアルバムとしてファンに認識されているだけに、素晴らしドラムスを聴かせます。特に4曲目の「SambaSong」は凄まじいプレーが聴けます。
チックは、この年ハービー・ハンコックとアコーステック・ピアノのデュオで武道館でライブをしています。

Chick Corea(Piano (Electric 3曲))Eddie Gomez(Bass)Joe Farrell(Flute,Sax)Steve Gadd(Drums)
Rickie Lee Jones / Rickie Lee Jones
1979年作品
ノーマン・シーフが、リッキーの自宅前の浜辺(サンタ・モニカ)で「マジック・アワー」に撮った ジャケットが印象的な彼女のファースト・アルバムは、レニー・ワロンカーとラス・タイトルマンが プロデュースを手がけビルボード3位となりデビューにして売れてしまった。
「恋するチャック」は当時、FMでよく流れていました。スティーヴ・ガッドのスネァ・ワークとパラティドルが冴え、 けだるいリッキーの声が何とも言えないグルーヴを作り出している。
ローウェル・ジョージのソロに収録されていた「イージ・マネー」では、ウッド・ベースのイントロからヴォーカル、 ギターが入り、ドラムが加わり、Dr.ジョンのピアノ(おもちゃのピアノの様な音)が絡んでくる。ん〜贅沢であり無駄 のないアレンジです。
1954年生まれ、この時25才のリッキーを支える参加ミュージシャンは、ランディー・ニューマ ン、ニック・デカロ、スティーブ・ガッド、アンディー・ニューマーク、ジェフ・ポカーロ、二ール・ラーセン、ビクタ ー・フレッドマン、ドクター・ジョン、バジー・フェートン、トム・スコット、アーニー・ワッツ、マイケル・マクドナ ルド、などなど信じられないミュージシャンが集まりレコーディングされている。
全てオリジナル曲、捨て曲なし、 参加ミュージシャンがいい音楽を作るんだという意気込みを感じる名盤です。
Ry Cooder / Bop Till You Drop
1979年作品
リリース当時、パイオニアのオーディオのTVコマーシャルでこのアルバムの「Go Home,Girl」が使われていて ライの温かなヴォーカルが流れてきた時、感動したことを覚えている。
前作の「JAZZ」は渋かった。 そして8枚目のこのアルバムは1曲目のエルヴィスのナンバーからわかるように50年、60年代の「R&B/Soul」を ライ流に聴かせてくれる。

メンバーは、ドラムス:いつもありがとうジム・ケルトナー、ギター:ディビット・ リンドレー、ベース:初登場ティム・ドラモンド(二ール・ヤング、J・J・ケイルなどでお馴染み)、ヴォーカル: ボビー・キング、チャカ・カーン(2曲でいい感じで歌ってくれています)
ロックのアルバムで初めて3Mのデジタル・レコーディングをしたアルバムとして有名でもある名盤です。
Frank Zappa / Joe's Garage Acts T,U&V(DiscU)
1979年作品
1993年に残念ながら亡くなってしまったザッパは、生涯50枚以上のアルバムをリリースしている。そして、彼のバンドからは数多くのミュージシャンが育ってきた。
ギターリストでは、エイドリアン・ブリュー、ローウェル・ジョージ、スティーヴ・ヴァイ等々そしてドラムスは、チェスター・トンプソン、テリー・ボジオ、ヴィニー・カリウタ、チャド・ワッカーマンなどの凄腕揃いで変拍子も軽々と叩いてしまう達人たちだ。
歌詞は、言論の自由、政治的な言動、ユーモアとまあ、歌詞はいいか。
このアルバムも、ザッパの得意なロック・ミュージカルという形をとっているので、曲と曲の間に語りがある。リズムセクションは、ドラムスがヴィニー・カリウタ、ベースがアーサー・バロウズと「ありがたいリズム」がくりだされます。
多作な彼のアルバムの中でも絶頂期の名盤です。そして今でも楽しく聴け、ザッパ初心者の方にも聴きやすいアルバムではないかと思います。それでは、音楽を楽しんで下さい。

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