極上音楽
1970年代の名盤 No.2

Joni Mitchell / Court And Spark
1974年作品
このアルバムからジョニ・ミッチェルのジャズ嗜好が始まった。ドラムスのジョン・ゲランとこの頃生活していて、 その影響もあったと言われていますが・・・
他のバックアップ・ミュージシャンは、キーボード:ジョー・サンプル、ベース:ウェルトン ・フェルダー、ギター:ラリー・カールトンとクルセイダーズのメンバーが中心。
ホーンはトム・スコット、1曲ザ・バンドのロビー・ロバートソンも参加してます。アルバム全体に 突き抜けた爽快感があります。
ん〜やっぱり私は、ジョニの声を聴くとなぜか安心してしまう。
フォキー、ファンキー、ソウル・ジャズとあらゆる要素がミックスされ、浮遊するコードを持つ ジョニ・ミッチェルにしか作れない音楽が表現された名盤です。
Tower of Power / Back to Oaklanf
1974年作品
このバンドのメンバーには、ホーン(ブラス)プレイヤーが5人います。
昔ブラス・ ロックというジャンルがありその中でもシカゴが「サタデイ・イン・ザ・パーク」「長い夜」 などのヒット曲で有名ですが、残念ながらこのタワー・オブ・パワーにはそれを凌ぐヒット曲 ありませんでした。したがってメジャーではなかったのか、しかし、このバンドのリズム・セ クションのドラムス:デイヴィッド・ガリバルディ、ベース:ロッコ・プレスティーアのグル ーヴを聴いたら虜になります。そのリズム隊にタイトなホーンが絡むわけです。
このファンキーなバンドを知らない方は、まずこのアルバムを聴いてみて下さい。
Quincy Jones / Body Heat
1974年作品
クインシー・ジョーンズといえば、「ウィ・アー・ザ・ワールド」で指揮をしていたおじい さんです。また、マイケル・ジャクソンのソロの初期のプロデュースで有名ですね。芸能ネタ としては、現在の奥さんが、映画「テス」の主演のナスターシャ・キンスキーです。(やれ!やれ!)
60年代はジャズ畑で活躍、その後テレビ音楽、映画音楽と幅を広げ、時代と共に音楽を作っ てきた偉大なアレンジャーでありプロデューサーです。宮崎駿さん、北野武さんの映画でも有名な日本 の久石譲(クインシ・ジョー)さんも彼をリスペクトしているので、この名前を考えたとか・・
彼が、軽い脳梗塞になったのは、このアルバムの次の「マッド・マックス」だったと記憶して いますが、このアルバムでは、レオン・ウェアの力も借り本格的な、ブラック・コンテポラリー ・ミュージックを作っています。
チャック・レーニー(b)、バーナード・パディ(dr)のリズ ムセクョンを中心に、ハービー・ハンコック、デイブ・グルーシンなどのミュージシャンが参加しています。 共同プロデュースはオスカー・ピーターソン・トリオで有名なベースシストのレイ・ブラウンです。
深くしみこむソウル・ミュージックです。
Marlena Shaw / Who Is This Bitch,Anyway?
1974年作品
このアルバムを聴いたのは、多分バックのメンバー、チャック・レーニー、ハービー・メイソン、 ラリー・カールトン、デビッド・T・ウォーカー、の為だったと思いますが、1曲目からそのグルーヴの 虜になりよく聴き込みました。その後、マリーナ・ショウの他のアルバムも購入しましたが、やっぱりこの アルバムが奇跡的な出来です。

フュージョン・ブームがあり当時は、スタジオ系のミュージシャンのクレジットを見てアルバム を買っていましたが、このアルバムは、特別な何かがありました。あなたも聴いて感じてみて下さい。 ドリカムの中村さん、サザンの桑田さんも大好きなアルバムのようです。
Aretha Franklin / Let Me In Your Life
1974年作品
前作は、クインシー・ジョーンズのプロデュースでしたが、このアルバムは、お馴染みのアリ フ・マーディン、ジェリー・ウェ久スラーです。円熟期のクイーン・オブ・ソウルを堪能で きるアルバムです。
レコーディングは6カ月、ほぼスタジオでライブ録音されたという演奏、 ヴォーカルは、伸びやかに広がります。
主なバック・メンバーは、ベースが、スタンリー・ クラーク、チャック・レーニー、ウィリー・ウイークス、ドラムが、リック・マロッタ、 バーナード・パティ、キーボードが、リチャード・ティー、ダニー・ハザワェイ、エミウール・ デオダート、ボブ・ジェームス、ギターがコーネル・デュープリー、デビッド・スピノザ、ホー ンがジョー・ファレル、エンジニアがフィル・ラーモンとこんな贅沢なメンバー集めちゃってい いのと思える豪華メンバーの演奏に熱くならずにはいられません。
Eric Clapton / 461 Ocean Boulevard
1974年作品
ドミノス解散後の初めてのクラプトンのソロ・アルバムは、会心作だった。
この時期に クラプトンの人気がこの後30年も続くことを予想した人は誰もいないだろう、ドラック、 アルコールで彼の体は、ぼろぼろだったようですが、リリース後、私を含めたギター少年達は喜び、 このアルバムの力強さとジャマイカのレゲイのリズムに酔いしれた。そして「レイド・バック」に大人 のロックを感じた。
Robert Palmer / Sneakin'Sally Through The Alley
1974年作品
ロバート・パーマを一躍有名にしたのは、80年代のパワー・ステーションであった。 トニー・シンプソン、バーナード・エドワーズらの作った音楽は、今聴くと少し厳しいものが ありますが、このロバート・パーマのニューオリンズで録音されらファースト・ソロ・アルバムは、 今聴いても新鮮で気持ちよいグルーヴを感じさせる。

演奏者の詳しいクレジットはないが、ローウェル・ ジョージ、アラン・トゥーサン、ミーターズが協力しているらしい。リトル・フィートの名盤「ディキシー ・チキン」の翌年のリリースの名盤。
Antonio Carlos Jobin & Elis Regina / ELIS&TOM
1974年作品
アントニオ・カルロス・ジョピンは、シナトラ、ミウーシャ、エドゥ・ロボ、スタン・ゲッツと 競演したアーティストは数えられない、その中でもこのエリス・レジーナとのアルバムは、1曲目の「3月の雨」 のジョビンとのデュエットが印象的な素晴しい仕上がりになっている。

「TRISTE」「CORCOVADO」「INUTIL PAISAGEM」など全曲ジョピンの曲で、彼自身も8曲でピアノを演奏し4曲を 歌い、3曲でギターを弾いている。
Bob Marley / Live!
1975年作品
夏=レゲイて言う図式も最近では薄れていますが.......このアルバムでのボブ・マリーの オーラは凄いです。
エリック・クラプトンが「461 オーシャン・ブルーヴァード」で録音した、ボブ・マリー のナンバー「I Shot The Sheriff 」の大ヒットでレゲイは、世界的に知られるようになった。 1974年頃〜1976年頃、ほとんどのロックのミュージシャンはレゲイに夢中でしたね。
キング・オブ・レゲイのボブ・マリーのアルバムの中で一番聴いたアルバムです。

どの 曲もスタジオ・テイクより解放感溢れるプレーで好きです、特に「No Woman No Cry」が凄いです。 この一曲を聴くためにこのアルバムを買っても良いくらいです。「Get Up Stand Up」で熱くなった 方は、バビロンのバスに乗りましょう。

Trenchtown Rock / Burnin'n And Lootin' / Them Belly Full / Lively Up Yourself / No Woman No Cry / I Shot The Sheriff / Get Up Stand Up
Jeff Beck / Blow By Blow
1975年作品
ジェフ・ベックは、当時のギター少年の憧れだった。
ヴォーカルなしの全曲ギター・インストのアルバムがこんなに支持されたのは、このアル バムからだった。
プロデュースがビートルズを育てたジョージ・マーティンで、それも成功 した要因のひとつだと思うが、キーボードのマックス・ミドルトンの存在も大きいと思える。
時代的にベックは、マクラフリン、サンタナなどからインスパイァされ、このギターアルバム を作ったのだろうけどギター、ベース、ドラムス、エレピからなる演奏のそれぞれのプレイヤー の絶妙の間、入魂プレーが今聴いても衝撃的だ。ドラムスのリチャード・ベリーも驚くべきプレーを 聴かせてくれる。
次のアルバム「ワイヤード」は、ヤン・ハマーなどが入り、よりソリッドな音となりこのアル バムとは色を異なくしている。
Paul Simon / Still Crazy After All These Years
1975年作品
サイモンとガーファンクル時代から、人間の孤独、ラヴソングを歌ってきたポール・ サイモンは、72年からソロ活動に入る。
このアルバムでは、ニューヨークのミュージシャンをバックに(マッスル・ショーズのメンバーと ニューヨークのスタジオ系のメンバーが中心)ソウル、ジャズ風にアレンジされた曲は、ニューヨ ークの香を運んでくれる。それぞれの曲は、都会での生活の孤独感であったり、挫折、失望である。

「Still Crazy After All These Years」のマイケル・ブレッカーのサックス・ソロは、 完成されたフレーズで忘れられない演奏です。
この後、3枚ほどこのアルバムのメンバーと映画を作ったり、ツアーで行動を共にする。 「恋人と別れる50の方法」ではスティーブ・ガッドの歌うドラムがポール・サイモンの曲 作りに影響を与えています。
Chyu Kosaka / Horo
1975年作品
細野晴臣、小坂忠のプロデュースで作られたこのアルバムは日本のミュージシャンが作った 奇跡の一枚。

ティンパン・アレー(ベース:細野晴臣、ドラム:林立夫、ギター:鈴木茂、 キーボード:松任谷正隆、鈴木(矢野)顕子、バッキング・ヴォーカル:吉田美奈子、山下達郎、大貫妙子) のバックがソウル、R&Bを最高のグルーヴで聴かせる。本当に皆さん素晴しい演奏力です。
9曲中6曲が細野さん、1曲が鈴木さん、1曲が小坂さん、1曲が矢野顕子さんが作曲をしています。 そして3曲で松本隆さんが作詞をしています。いろんな魅力が詰った名盤です。
Eric Clapton / There's One in Everv Crowd
1975年作品
前年の「461オーシャン・ブールヴァード」で隠遁生活から抜け出したクラプトンの1年後のアルバムです。
本当にこのアルバムは、レコードが擦り切れるほど聴きました。メンバーは、前作とほぼ同じですが、 バッキング・ヴォーカルに、イヴォンヌ・エリマンとマーシー・レヴィが参加し、クラプトンのボーカルに絡み気持がいい サウンドを作っている。2曲目では、イヴォンヌがデュエットをしている。また、6曲目ではマーシーのヴォーカルが 大きくフューチャーされている。
レゲイ・ナンバーは、ジャマイカのキングストンのスタジオで録音して、メインのスタジオは、前回同様マイアミの スタジオの様です。
7曲目の「Better make it through today」は、クラプトンの曲の中でも特にお気に入りの曲です。 このゆるい感じのブルース・フィーリングは、クラプトンしか作り出せないだろうし、曲の途中の「ため息」さえ絶妙 なタイミングで味わい深い。
5曲のオリジナルを書き、この年にはライヴ活動も再開したクラプトンの私の愛聴盤です。
アルバム・ジャケットの犬は、クラプトンの愛犬らしいですが、ジャケットとしてはどうなんでしょうか?
Maki&OZ / Maki&OZ
1975年作品
カルメン・マキ&OZ のファースト・アルバム
日本のハード・ロックの夜明けを感じたアルバムです。
メンバーは、春日博文さん(ギター)、鳴瀬喜博さん(ベース:スモーキー・メディスン、金子マリ&バックスバニー、カシオペア)、 樋口晶之さん(ドラムス:クリエイション、竜童組 )、サポートで深町純さん(キーボード)
ジャケットがボロボロになりレコード盤も擦り切れるほど聴ききました。
春日博文さん(この時20歳)のギターと音の迫力、そしてマキさんのヴォーカルの凄まじいパワーに圧倒される。

1. 六月の詩 2. 朝の風景 3. イメージ・ソング
4. 午前1時のスケッチ 5. きのう酒場で見た女 6. 私は風
Stuff / Stuff

1975年作品
ニューヨークのライブ・ハウスのミケルズで、メンバーの楽しみの為にやっていたセッションの後 デビューした「Stuff」。当時あのTシャツを欲しかった人は多かったよね。
2008年にモントルー・ジャズフェス(1976年)でのライブ映像を納めたDVDがリリースされ、 このバンドは、ゴードン・エドワーズがリーダーだったんだなと改めて感じた、メンバーそれぞれ の職人芸から作られる「うねるグルーヴ」に久しぶりに酔ってしまいました。
そういえば初来日の時も クリスが風邪で来日できずに、ツイン・ドラムが聴けなかったことを映像を見て思い出しました。 その時の日本でのライブがレコードになったけど「Love Of Mine」の前に私の鳴らした指笛が聞こえて嬉し かった事も思い出しました。泣ける!
Bob Dylan / Blood On The Tracks
1975年作品
66年の「ブロンド・オン・ブロンド」の後のオートバイ事故以来ウッド・ストックに隠居していた ディランが本格的に動き出したアルバム。
前年のバンドとの共演の「プラネット・ウェイヴス」に続き全米1位を記録したニューヨーク 録音の「血の轍」と邦題が付いたこの作品は、私の一番よく聴くディランのアルバムです。
特に2曲目の「運命のひとひねり」のやりきれなさと空虚感が胸をかきむしります。 リズムは、リンドラム(?)そして音数の少ないベース、時々オルガン、ピアノが聞えるシンプル なバックにアコースティック・ギター2本、そしてあのディランの声とハーモニカが乗ります。 アコーステックなディランの名盤です。
ディランを何か1枚購入したいと考えている人には、この アルバムか翌年の「Desire」を勧めます。ベストですと、2000年にリリースされた「エッセンシャ ル・ボブ・ディラン」がよろしいのでは、是非、日本盤で対訳を見ながら聴いてください。
The Band / Northern Lights - Southern Cross
1975年作品
もちろんバンドの名盤は、ファースト、セカンドでしょう、しかしこの完成度を聴かされると 既にメンバーの不仲の為バンドがばらばらになってきていていたとしても名盤は作られること をビートルズの「アビーロード」が実証したようにこのアルバムも「The Band」の蝋燭の最後 の光の名盤です。

ロビー・ロバートソンとそのバンドになってしまった「The Band」だが、彼らだか らこそ生み出せる円熟した演奏、安定感のあるサウンド、アレンジには唸るばかりです。この サウンドに身を任せ包まれる幸せは、音楽好きでよかったと思える瞬間です。「オフェリア」 「アケイディアの流木」「同じことさ!」といつまでも胸に残る曲はロックの遺産です。
Bruce Springsteen / Born To Run
1975年作品
「Born To Run」はとにかくカッコ良かった。このアルバムを聴いて「スプリングスティーン が最高だ!」とあの時感じた事を鮮明に記憶している。そしてこのレコードを毎日聴いた。

「Born To Run」の「 1-2-3 The Highways Jammed With Broken HeroesOn a last Chance Power Drive」の部分は今聴いても体にある種のスイッチが入る。そして、「But Till Then Tramps Like Us 」 と歌ってしまう。もちろん、「Born To The USA 」のリリース後にボスが初来日した時は、代々木のオリンピック プールに出かけ燃え尽きた。
33年後の2008年現在、まだまだスプリングスティーンは、社会と自分自身と・・・多くのものと戦っている。
Average White Band / Cut The Cake
1975年作品
このアルバムからドラムスがスティーブ・フェローンになりファンクさを増し強力なリズムが 脳を刺激します。
80年代にはエリック・クラプトンのバックで叩いていました、他矢野顕子さんな どソウル以外のミュージシャンとの仕事も数多くしています。73年のスライの「フラッシュ」 のアンディー・ニューマークのドラムス以来そのドラムスの切れ味に感動した。もちろん、 リズムギター、ベースも重要な役割を果しているのだけどね。プロデュースはアトランティック・ レコードの重鎮、アレサ・フランクリン等で有名なアリフ・マーディン。
甘く切ないソウル・バ ラードも満載の名盤です。「SchoolBoyCrush」はサンプリング・ソースとしてヒップ・ホップの アーティストにサンプリングされている。
Joni Mitchell / The Hissing Of Summer Lawns
1975年作品
前作は、全米アルバム・チャート最高2位を獲得した。ジョニのアコースティック・ギター はオープンチューニングの中でも1弦と6弦を1オクターブ下げるチューニングを多く使ってい ることがあったが、その音を他の楽器で再現するには、優れたジャズ・ミュージシャンが必要だった?
必然からジャズに移行していったのだと思いますが、それがセールスに結び付いたのだから良かったの かな。

このアルバムでは、ワールド・ミュージックの要素もとりいれている。それは、アフリカ ンドラムとコーラスだ。まだ、ピーター・ガブリエルなどがロックにエスニックを取り入れる前です。 そしてこの後、ジャコ・パストリアスとの共演が、3枚続きます。
Pink Floyd / Wish You Were Here
1975年作品
あの「Dark Side of the Moon(狂気)」の次のアルバムです。
「狂ったダイヤモンド」は、ご存じのようにシド・バレットの事を歌った曲と言われていますね。

75年1月〜7月に録音されたブログレッシヴ・ロックの名盤です。
Hatfield and the North / The Rotters' Club
1975年作品
ロック、ジャズ、フリージャズ、プログレ、フュージョン、ザッパ、クリムゾン等からの影響を感じる音ですが、これが カンタベリー・サウンドと言われたイギリスのジャズロックの代表的なアルバムです。
彼らは、2枚のアルバムを残して解散してしまいますが、このアルバムが2枚目で味わい深い名盤です。
キング・クリムゾンのマイケル・ジャイルスのドラムスは、永遠の憧れですが、このバンドのピプ・バイルのドラムスも 凄いです。
ゆったりと広がるインスト・パートのメンバーの演奏力とアンサンブルをお楽しみください。

デイブ・スチュワート:キーボード
フィル・ミラー:ギター
リチャード・シンクレア:ベース・ヴォーカル
ピプ・バイル:ドラムス
Billy Joel / Turnstiles(ニューヨーク物語)
1976年作品
このアルバムの次の作品は、長い間 エンジニアとして活躍していたフィル・ラモーンがプロデュースしてた 「ストレンジャー」です。
このアルバムからビリー・ジョエルは古巣のニューヨークに戻り、文字通りスターダムに上り詰める。
そしてこのアルバムは、ビリーのセルフ・プロデュースで名曲の「New York State of Mind」「James」 「Say Goodbye To Hollywood」が収録された。
もちろん、「ストレンジャー」「ニューヨーク52番街」も良いですが、私は長くこのアルバムを愛聴しています。
このアルバムの次に好きなアルバムは、1983年リリースの「イノセント・マン」です。
Steveie Wonder / Songs In The Key of Life
1976年作品
レコードを持っていてCDを買い直すのに抵抗のあった80年台半ば、このアルバムもCDを 購入した。当時85年このCDは、日本盤で6,000円だった。「わぉ!」
レコードは、2枚組にシングル盤 が付いている変則的なレコードだった。
「As」「Sir Duke」「Another Star」「Isn't She Lovely」など有名曲他捨て曲なしの21曲収録。
スティーヴィーの才能が爆発した全米アルバムチャート14週1位の名盤です。 このアルバムの為に1974年から1976年までに作曲された約1000曲からこのアルバムの曲が 選ばれたという話は本当だろうか? 彼こそ天才、1950年生まれのスティービーこの時26歳。
Led Zepplin / Presence
1976年作品
前作「フィジカル・グラフティ」は、古巣のアトランティック・レコードから自ら設立した レコード会社からリリースされた2枚組みでさまざまな音楽の要素が混ざり合ったハードなサウンドだった。
その1年後のリリースのこのアルバムは、ミュンヘンでレコーディングされた。
渋谷陽一先生もベストと仰る。ゼップの名盤です。
細野"ハリー"晴臣 / 泰安洋行 Bon Voyage co.
1976年作品
細野さんの歴史的な名盤。
「HOSONO HOUSE」「トロピカル・ダンディ」「泰安洋行」「はらいそ」と世界中の音楽を 料理して楽しんでいた細野さんが、林 立夫さん:ドラムス、鈴木茂さん:ギターらの「Tin Pan Alley」と 佐藤博さん、矢野顕子さん他と作り出したこのサウンドはマジックを感じる響きと異国の風を届けて くれた。
林さんのドラムス素晴らしいです。細野さんのベースは勿論素晴らしいですが、ヴォーカル、マリンバ もたまりません。リラックスして聴きたい音楽です。

1. 蝶々-San 2. 香港Blues 3. "Sayonara"The Japanese Farewell Song
4. Roocho Gumbo 5. 泰安洋行 6. 東京Shyness Boy 7. Black Peanuts
8. Chow Chow Dog 9. Pom Pom蒸気 10. Exotica Lullaby
Boz Scaggs / Silk Degrees
1976年作品
ボズはスティーブ・ミラーにバンドに誘われ、ギターをスティーブに教えてもらったと どこかの雑誌で読んだ記憶がありますが、その後スティーブ・ミラー・バンドを脱退して69年にソロ・ アルバムをマッスル・ショールズ・リズム・セクションとデュアン・オールマンと共にレコ ーディングした。このアルバムもアトランタ・レコードに残した名盤です。
この76年の名盤は、アレンジャーが後にTOTOを結成する、デビッド・ペンチ。 サザン・ソウル、ロックとR&Bを中心にさまざま音楽がこのサウンドを作りだした。メロー という言葉は好きじゃないけど、ボスの作り出すメロディー艶やかなヴォーカルに「ソフト &メロー」とこの時代いわれ「AOR」というジャンルを作った。(私はこの「AOR」という ジャンル分けも好きではありません)
次のアルバムは、マイケル・オマーティンが協力、その次 のアルバムは、デビッド・フォスターが協力して名盤を作り出しています。
Marvin Gaye / I Want You
1976年作品
有名な話ですが、このアルバムは、リオン・ウェアが録音していた彼のソロアルバムになる 予定の作品を発売前に聴いたマービン・ゲイが気に入り、リオン・ウェアにプロデュースを 依頼してボーカルを差し替えた作品です。(こんな事が可能なのか!?)
リオンのメロウな 感性とマービンのエロスが官能の世界を創造しています。
リオン・ウェアの作ったオケにマービン・ゲイが半年とも一年とも言われていますがヴォー カルを納得するまで重ねて創りこまれたサウンドにチャック・レィニーのベース、デェビッド ・T・ウォーカーのギターなどバックの演奏が溶け込み気持ちよく聴けますが、SEとして挿入 されている女性のエロテックな声が気になる人は眉をしかめるのかな?
しかし、このアルバムもソウル・ミュージックの金字塔です。ソウルを感じさせるアルバムの ジャケットだけでも買いです。
このアルバムのリリース後、彼はヨーロッパ公演を含む大規模なツアーを久々に行い、その ツアーの音源は「アット・ザ・ロンドン・パレディアム」として77年にリリースされた。また、 その頃のライブの模様は近年になりDVDで何枚かリリースされています。
Jaco Pastorius / Jaco Pastorius
1976年作品
この革新的な演奏を生み出した天才アーティストへの賞賛を言葉にしてしまうのはためらわれる。 逆に言えば言葉はいらない。
このデビューの13年後の1987年バーで泥酔いの状態で彼は 生涯を終えてしまう。
彼自身で、フェンダーのジャズ・ベースのフレットを抜き改造したフレッ トレス・ベースのサウンドはもちろん、そのベースで作り出された、ジャンルを超えたサウンド、 グルーヴ感は、さまざまなセッション、ウエザー・リポートなどで美しい音楽を私たちに聴か せてくれた。
ヒズ・ビッグ・バンドでの1982年のオーレックス・ジャズフェスでのライブを収めた 「INVITAION」ジョニ・ミッチェルなどのアルバムもすばらしいが、私はこのアルバムを聴くことが 多い、いつまでも魅力を放つ魔法のかかったアルバムです。ハービー・ハンコックが全面的に協力しています。
Weather Report / Heavy Weather
1976年作品
ジョー・ザビエル、ウェン・ショーター、ウエザー・リポートの中心メンバーのこの二人は、 ご存知マイルス・ディビスとのプレーでも有名だが、ここで最も注目させたのが、このバンド のベースプレーヤのジャコ・パストリアスです。
自らフェンダー・ジャズベースのフレットを抜 き改造したフレットレス・ベースから作り出されたメロディー、ベースランニング、フレーズは、 どれも新鮮で刺激的だった。
私の周りでも何人かが、自分のベースのフレットを抜き、パテを塗り、 彼のプレーのコピーに明け暮れていた。
1曲目の「バードランド」からクールです。8曲中ジャコは 「Teen Town」「Havona」の2曲を作曲。ザビエルが3曲、ショーターが2曲の曲を提供しています。 未だに聴くたびに新鮮な驚きがある名盤です。
Tatsuro Yamashita / Circus Town
1976年作品
シュガーベイブを解散して、ソロの一作目は、A面はニューヨーク・サイドでアレンジャー、プロデュースが チャリー・カレオ、B面はロサンゼルス・サイドでプロデュースはジミー・サイター(Spanky and Our Gang、 The Turtles)とジョン・サイター、アレンジャーは、ジェリー・イエスターをこの時、23歳の達郎さんが選 び海外録音となった。
いきなり海外録音でレコーディングで白人4人組のドゥー・ワップ・グループのフォー・シーズンの アレンジ・コンダクターを、スプリングステーンの「BonToRunのジャングルランド」でストリングス・アレンジ を、そして達郎さんの好きなローラ・ニーロの「イーライと13番目の懺悔(68年)」「スマイル(76年)」を プロデュース、アレンジしたチャリー・カレオに仕事が依頼でき実行できたのがすごい。そして集まったミュー ジシャンも一流の人達です。
コンサート・マスターにGene Orloffが、この人は、Dusty Springfield「Dusty in Memphis」、 Aretha Franklin「Young, Gifted and Black」、Donny Hathaway「Extension of a Man」などで仕事をした人です。 LAのセッションでは、ベースのケニー・アルトマンは、ジョン・セバスチャンのソロに参加している人で、バッキング・ ヴォーカルのジェリー・イェスターはラヴィン・スプーンフルの元メンバー、キーボードのジョン・ホッブスは、 Bruce Johnston の ソロ「Going Public」でプレーしています。
達郎さんの楽曲の全曲素晴しく感動的な音楽が詰っています。それでは、お元気で今後もご活躍祈っています。毎週「棚つか」楽しみに しています。
Steely Dan / The Royal Scam
1976年作品
ニューヨークと、ロスの二箇所でセッションが行われ、それぞれの地の一流のスタジオ・ ミュージシャンがスティーリー・ダンの音楽を作り出している。
このアルバムでは、 チャック・レーニー、バーナード・パティ、ラリー・カールトンのプレーが 光ります。1曲目の「Kid Charlemagne」のファンキーなグルーヴは、同時代のロック・ グループとは明らかに違うサウンドだった。
流れるようなカールトンのギターソロ が少年だった私を熱くしました。あれから何十年も経っていますがいまだに聴くたびに 「おー」とか「カッコイイ」とか唸りながら聴いています。
故郷のニューヨークでの レコーディングも実現した70年代を代表するスティーリー・ダンの名盤です。
Minako Yoshida / Plapper
1976年作品
吉田美奈子さん、矢野顕子さん、大瀧詠一さん、山下達郎さん、佐藤博さんの曲を ティンパン・アレー他の超一流のメンバーがバッキング、アレンジした素晴しいアルバムです。
林立夫さん、細野晴臣さん、鈴木茂さん、矢野顕子さん、松任谷正隆、と高水健二さん、村上秀一さん 松木恒秀さん、佐藤博さんのリズム・セクションも1枚のアルバムで2つのリズムセクションが聴ける贅沢 な作りになっていてます。
アレンジは、矢野誠さん、細野晴臣さん、山下達郎さん、佐藤博さん、大瀧詠一さん がしています。このアルバムでは少し浮いている大瀧さんの「夢で逢えたら」が名曲ですね。また、達郎さんの ファースト・ソロでも聴ける「ラスト・ステップ」「永遠に」も収録されているので聴き比べも楽しめます。
Cher / Cher
1976年作品
チャーのデビューアルバムは、チャーがソログループのメンバーを探すべく単身渡米し ロスで選んだ腕利きのメンバーとプレーしている。 チャーの作ったファンキーな曲が素晴しく、ブラック・コンテンポラリーなアレンジがクールで気分爽快です。 この時から現在に至ってもここまでギターが弾ける日本人はいない。トリッキーでドライブ感が最高なロック・ ギターは、ハイな気分にさせてくれます。それとチャーは歌が上手かったですね。 この時21歳のチャー、デビュー曲の「NavyBlue」はじめ「Shinin'You Shinin'Day」「Smoky」「I've Tried」 「空模様のかげんが悪くなる前に」等捨て曲なしの才能がほとばしる日本のロックの名盤。
ジョニー・ルイス&チャーの時、野外コンサートで気さくに握手をして下さったチャーさんありがとうございます。 その後のRockな生き方すごいです。今回デビュー・アルバムを紹介させていただきましたが、その後も 「PinkCloud」「Baho」「Psychedelix」で名盤を量産しています。

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