極上音楽
1970年代の名盤 No.1

Dave Mason / Alone Together
1970年作品
デイヴ・メイスンは、アメリカでの活動が多いのでアメリカ人と思われがちですがイギリス人です。
スティーブ・ウィンウッドとトラフィックに参加後、ソロ活動に入ります。ジョージ・ハリソンの「All Thing Must Pass」 のセッションに参加。デラニー&ボニー&フレンズのライブ参加(このソロにも収録されているOnly You Know And I Knowをプレーしている) 、その流れから、クラプトンからドミノスに参加しないかと打診されていたとか? 良かったよね!薬漬けにならずにすんで!?

このアルバムは、スワンプ・ムーブメントの中、米英のミュージシャンが揃って参加した名盤です。
プロデューサーは、トミー・リピューマー。
James Brown / Sex Machine
1970年作品
キング・オブ・ファンクの最も有名な「ゲロッパ!(GetUp!)正式な曲名は「Get Up Like Being Like A Sex Machine」は、ファンクのクラッシックとなっているが、 その音は未だに色褪せることがないワン・アンド・オンリーのサウンドである。
70年代に入り、ベースのウィリアム"ブーツィ"コリンズ(曲によってはベースはチャールズ"スウィート"シェレル) とジョン"ジャボ"スタークスのドラムス1・2曲、(3・4・5曲のドラムは、クライド・スタブルフィールド) フェルプス"キャットフッシュ"コリンズのギターという最高のメンバーで絶頂期に達したのがこのアルバムだ。
LP時代には2枚組1〜5曲目がスタジオでの擬似ライブ、6〜15曲までがライブ録音でまさしく、JBファンクの名盤です。

このリズム・セクションは70年4月から71年の3月と活動期は短いくオリジナル・アルバムは、このアルバムと 翌年にリリースされた「SuperBad」だけだ。この時期にジェームス・ブラウンと言えばこの音という音を作り出し、 その後の71年のライブ「LovePowerPeace:LiveAtTheOlympia,paris,1971」「Funk Power:1970,A Brand New Thang」 「In The Jungle Groove」などの多くの編集アルバムをリリースすることになるが、その後の音楽界に与えた 影響の大きさから考えるとこの時期の編集アルバムが多いのがうなずける。
リズム・セクションも素晴らしいが、64年頃からメシオ・パーカー、フレッド・ウェズリーらのホーン・セッション のキメのフレーズも冴えています。パッパッパッパッパッパッパッ!
George Harrison / All Thing Must Pass
1970年作品
ビートルズ解散直後、初めに目立った成功をしたのが、このアルバムを作ったジョージ・ ハリソンだ。
デラニー&ボニーの流れの英米混合のメンバーが、ビートルズ解散直後、 最も才能を輝かせていたジョージがフィル・スペクターにプロデュースを依頼してこのア ルバムを作った。

このアルバムは、3枚組みでまだ少年だった私のお小遣いは足りづに 友達のお兄さんの買ったレコードをありがたく聴いた。
大人になって中古レコード屋で 見かけて手に入れたのは言うまでも無い(窓を背景にやせたジョージが悪魔のように立っ ている大きなポスターも付いていて感動した)。その後、CDが発売され2000年に入ってリマスターも リリースされた。「Isn't It A Pity」「My Sweet Load」「What Is Life」「All Things Must Pass」 等々ジョージの名曲が収録されています。涙なくして聴けない名盤です。
Van Morrison / Moondance
1970年作品
デビューアルバムは、あまり聴くことが無かったけど、このアルバムは今でも よく聴く。
他のアーティストによるカバーも多い「クレイジー・ラヴ」はじめ、ソウルフルな曲の良 さが魅力。
ザ・バンドの「Music From Big Pink」にも通じる普遍性を感じる音楽をこのアルバムでモリソンが作った。
Leon Russell / Leon Russell
1970年作品
レオン・ラッセルのキャリアのスタートは、フィル・スペクターのプロデューサー作でのセッ ション・ミュージシャンとしてのものだった。
その後、デラニー&ボニーでプレイ、 その流れでジョー・コッカーと彼のセカンドアルバムを作り。その後、コッカーとMad Dogs&Englishmenのツアーに参加、JimGordon,JimKeltner(Dr),ChrisStainton(key), CarlRadle(b)らのメンバーで伝説のツアー(57日間で65ステージ)に出かける。

このソロアルバムは、彼の周りに集まった、クラプトン、ジョージ・ハリスン、ジム・ ゴードン、スティーブ・ウィンウッド、チャーリー・ワッツ、クラウス・ヴーアマンなど など豪華なメンバーが才気あふれるオクラホマ出身のアメリカ人をサポートした記録で、 ラッセルの29歳のデビューアルバムにして最高傑作だ。
The Beach Boys / Sunflower
1970年作品
この頃、すでにビーチ・ボーイズは、オーディエンスから注目を集めるグループではなかったし売れてもいなかった。 しかし、このアルバムは「ペット・サウンド」以降、初めて彼ららしいウキウキするサウンドを作り出してくれたアルバム だった。
ブライアン・ウィルソンも復活するのかと思わせた1枚だった。
「This Whole World」「Add Some Music To Your Day」「Forever」「Our Sweet Love」など素晴しい曲が多数収録されている。
私の持っているCDは、「Surf's Up」とのカップリングのCDです。
Nara Leao / Dez Anos Depois
1971年作品
このアルバムの邦題は「美しきボサノヴァのミューズ」である。
ナラ・レオンは、21歳でデビューした。
その10年後、このアルバムはパリのポリドールス タジオで録音されている。
ボサノバのシンガーは、けして歌がうまいと言えない人が多い ですが(すみません、それが味になっているのですが)
彼女は、クールかつウォームな歌声でボサノバの代表曲「Desafinada」「Corcovado」「Garota de Ipanema」等々を聴かせてくれる。発売当時は、2枚組のアルバムだったがCD1枚になり 24曲入り本当に心に染み入る音楽です。もちろんこれも一家に一枚でしょう。
John Lennon / Imagine
1971年作品
ビートルズ解散後の2枚目のソロ・セカンドアルバム、フィル・スペクターがイギリス のジョンのホーム・スタジオでプロデューサーとして参加して録音された名盤。
メンバーは、ジョージ・ハリスン、アラン・ホワイト、クラウス・ヴーアマン、ニッキー・ホプキンス等とジョンの旧友 で聴かれる音も耳に親しんだ響きを届けてくれた。
ファーストからの引き続き、強烈なユーモアー、過激さは感じられる。「イマジン」 「ジェラスガイ」「ハウ?」などのバラードは、彼のナイーブさと、美しさ伝え泣かせる。
永遠に聴かれ続けられるだろう名盤。「イマジン」を始めて聴いた時の感動は言葉にならない。
Leon Russell / Leon Russell And The Shelter People
1971年作品
ジョー・コッカーは、あのツアーの後2年間も引きこもってしまったそうだが、レオン・ラッセルは、 スーパースターになっていた。
この彼のセカンド・アルバムもスワンプ・サウンドといわれたドロドロしたうねるグルーヴが、うれ しい南部サウンドだ。
メンバーは、4セッション行われたようだが、どのセッションもレオンが、あのフイル・スペクター の様にスタジオで仕切っている姿が目に浮かぶ素晴らしい仕上がりだ。
デイランの曲が2曲、ジョージ・ ハリソンの曲が1曲、オリジナルが8曲。7曲目のストリングス・アレンジは、ニック・デカロで、レオン のピアノも哀愁を漂わせてクレージーなツアーの事を歌った「バラード・オブ・マッド・ドッグス・ アンド・イングリッシュメン」は、究極のバラードです。
Mavin Gaye / What's Going On
1971年作品
マービン・ゲイは、このアルバムからモータウンの執行部からの呪縛から自由の身となり曲作り、 プロデュースが自由にできるようになり真のアーティストになる。
そしてこのアルバムが、彼の生涯を通じてのベストにしてソウル・ミュージック史上最重要の1枚となった。
録音された曲は、プロテスト・ソングとして多くの曲が多くのミュージシャンに現在でも影響を与え続けている。
「What's Going On」「Mercy Mercy Me」は、多くのミュージシャンに歌われ、その中でも、 ダニー・ハザウェイの「ライブ」の「What's Going On」は絶品です。
03年に未発表のファンク・ブラザースをバックにしたライブを含む25曲が追加されたデラック・エディシ ョンが発売された
これも一家に一枚のお宝アルバムです。洗練されたソウルがこのアルバムで完成されたと言っても過言では ないでしょう。
Sly and Family Stone / There's A Riot Goin' On
1971年作品
ドラックを発端にする自己の崩壊、ベトナム戦争の泥沼化、スターに上り詰めた自己との格闘、 ブラック・ミュージックのオピニオン・リーダーとしてのプレッシャー、貧困層街のスラム化、 この時、スライの抱えていた問題、社会の抱えていた問題は、深く厳しいものだったと思われる。
アルバム全編に、ゆったりとうねるグルーブ感が気持ちがいい、バックの演奏は、楽器数が少な くスカスカなのにひとつひとつの楽器が見事なアンサンブルを作り、このグルーヴを作り出している。 これは、その後の多くのミュージシャンに影響を与える事になる。
マイルス・ディビスは16ビートの音楽を作るようになり、プリンスはこのアルバムのリスペクトと 感じさせる「サイン・オブ・ザ・タイムス」という傑作アルバムを作る。
ロキシー・ミュー ジックの「アバロン」にも深い影響を感じる。ん〜数え上げたら切がない。ファンクの好きな方で聴い ていない人はいない名盤。
Donny Hathaway / Live
1971年作品
この頃、ロック、ソウル関係のプロのミュージシャン仲間では、このアルバムを聞いていなかった 人はいなかったといわれている。
同業者の共感を得たのは、本人のエレピの演奏、ウイリー・ウイークス、コーネル・デュープリー、 フィル・アップチャーチらのバックの演奏のすばらしさ、演奏された楽曲(「ホファッ・ゴーイング ・オン」「ゲットー」「ユーブ・ガッタ・フレンド」)よさもあるが、観客との一体感、ライブの高 揚感、熱気が余すとことなく伝わってくるからだと思います。
33歳で他界した。天才の26歳の輝 かしい一瞬を記録した軌跡を体験して下さい。その後曲がプラスされリリースされた「THESE SONGS FOR YOU LIVE!」は、彼の死後リリースされた後に発売されたライブ盤とこのライブとの編集盤です。
曲数は多いですが思い入れの違いで「Live」をお勧めします。
Carole King / Tapestry
1971年作品
60年代から多くのヒット曲を書いていたソングライターのキャロルが自分自身歌い始めた のは、このアルバムの2作前からだ、1作目はCITYというバンド名でのリリースだった。 そして個人名のリリースが「ライター」である。そのジャケット写真には、私のイメージと は違う、大柄で凛とした女性が枯れ木の前に立っていた。
そしてこの3作目の「つづれおり」 のジャケット写真には、キャロルが素足でブルージーンズにセーターで出窓に座り、その出窓 の上の座布団に猫が座っているという寛いだスナップ・ショットが使われている。この写真の イメージが正にキャロルのイメージで、このアルバムのトーンにも繋がる。

楽曲はパーソナルな ラヴ・ソングで「It's Too Late」「You've Gat A Friend」と全曲名曲。様々なセールスの記録 を打ちたて全世界で2,200万枚売れた名盤中の名盤。
Steely Dan / Can't Buy A Thrill
1972年作品
スティーリー・ダンのデビュー・アルバム
ラテンぽい「ドゥ・イット・アゲイン」が全米6位、「リーリング・イン・ジ・イヤーズ」が全米11位と ヒット曲に恵まれアルバムもゴールド・ディスクに輝き順調なデビューをした。

今(2008年)聴いても 色褪せないそのサウンドはさすがである。フェイゲンがヴォーカルに自信がなく、数曲デヴィッド・パーマー、 (この人はキャロル・キングの「Wrap Around Joy」74年で数曲作詞をしています)ドラムスのジム・ホッダーがリード・ ヴォーカルをしている。
「リーリング・イン・ジ・イヤーズ」でのエリオット・ランドールのギターは本当にカッコイイ・ プレーでいつ聴いても興奮します。フェイゲンのヴォーカルもハマッテいます。
Chick Corea / Retern To Forever
1972年作品
マイルス・ディビスの「ビッチェズ・ブリュー」のレコーディング(69年)にジョー・ザビヌル らと一緒に呼び寄せられたチック・コリアの出世作は、このリターン・トゥ・フォーエバーだ。

ザビヌルのウエザー・リポートと並んで当時クロスオーバー・ミュージック(フュージョン)と ジャンルされていた音楽を作り出していった。
そのサウンドは、ジャズにとらわれず自由な リズムと、ブラジル、カリブの心地よいメロディーを聴かせてくれた。
メンバーは、スタンリ ー・クラーク(ベース)、ジョー・ファレル(サックスとフルート)、アイアート・モレーラ(ドラムス)、 フローア・プリム(ヴォーカル)です。ジャケットの良さも有り売れました。ジャケットに「かもめ」 が写っていることから、このアルバムは、かもめと呼ばれています。
2作目のアルバムには、あの「スペイン」が入ってます。
David Bowie / Ziggy Stardust
1972年作品
カルト・スター、メジャーになれない大物とボウイは一部のオーディエンスのスターだった。
しかし、このアルバムで彼は、異星人ジギー・スターダストが、ロックスターになるコンセプトを 創り。彼自身もスターの座に登りついた。

全曲捨て曲なし、「スター・マン」「ジギー・スターダスト」私もグラム・ロックの容姿に抵抗が あり聴いていなかったのですが、聴いて驚いて下さい。 良いですよ!
The Staple Singers / Be Altitude:Respect Yourself
1972年作品
スタックス・レコードの名盤です
サザン・ソウルの聖地(アラバマ州)スタックスと言えば、マッスル・ショールズ・リズムセクション、 ブッカー・T&ザ・MG'S等のリズムセクション、(モータウンを陰で支えた、ファンク・ブラザース)ですが、 このアルバムでは、ロジャー・ホーキンス(ds)、デヴィッド・フッド(b)、バリー・ベケット(key)、 ジミー・ションソン(g)の最高のプレーが楽しめます。

アレサ・フランクリンのアトランタの初期の作品、トラフィックスの後期のアルバムでも彼らのプレーが 聴けますが、このアルバムは特別な聴きごたえです。
さてスティプル・シンガーズですが、シカゴ出身のゴスぺル出身の父と娘たち4人のメンバーです。ロック・フアンには、 ザ・バンドのラストワルツのスタジオ・セッションで「ウエイト」を歌っていたグループとして記憶のある方が多いのでは?
スタックスの社長、アル・ベルのプロデュース、アレンジの超名盤です。
Santana/ Caravanserai
1972年作品
ジョン・マクラフリンなどのギターリストが注目を浴びる中、宗教に傾倒して行ったサンタナ が作り出した。ジャズ・ロックの名盤。
これを聴いてサンタナ=ラテンのイメージは変わるでしょう。
ドラムスのMike Shrieve 、オルガンのGregg Rolie、ベースのDouglas Rauch他メンバーがサン タナを曲作りからサポートします。
8曲目の「Stone Flower」は、大好きボサノバの巨匠ジョピンの曲です。
Kenny Loggins with Jim Massina / Sittin'In
1972年作品
ケニー・ロギンズのソロを作るつもりが、プロデューサーのジム・メッシーナはロギンズとバンドを 組みたくなり、このアルバムが誕生した。そしてこのアルバムは70年代のカルフォル二アを代表する 名盤になりました。
私がこのアルバムを聴いたのは、ピアノのマイケル・オマーティンが好きだったので後追い で聴きました。マイケル・オマーティンは、スティーリー・ダンの「Aja」という曲でピアノを弾いています。
メッシーナはバッファロー・スプリングスフィールドのメンバーだったので、ハーモ ニーはもちろんだけどマイケル・オマーティンがしたのであろうアレンジが良いです。
カントリーぽい曲が許せない方にはそんな曲も有りますので薦めませんが、このアルバムには ピースフルなサウンドが溢れています。
Curtis Mayfield / Super Fly
1972年作品
アレサ・フランクリンは知っていても、マービン・ゲイは知っていても、カーティスを知ら ない方はまだまだ多いようですが・・・
そんな方は、まずこのアルバムから聴いてください。
ハイ・ティナーヴォイスでラブ&ピースを訴え、社会の矛盾を叫んできた。ソングライター でアレンジャー、プロデューサー、60年代のシカゴ・ソウルのリーダーであり、70年代 のソウルの推進者である。
このアルバムは、サウンド・クリエーターとして評価を揺ぎ無いものとしたと共に全米チャ ート1位を記録した名盤です。
コンガ、ハモンド、重厚なブラス、緊張感とメロウさを掻き立てるストリングス、ファズ・ ギター、それに彼のハイ・ティナーヴォイスが、このクールなサウンドを創っている。山下 達郎さんも大好きなカーティス、73年の「Back To The World」75年の「There's No Place Like America Today」も素晴らしいです。是非、聴いて下さい。
Aretha Franklin / Young,Gifted And Black
1972年作品
アレサの父は高名な説教師、母はゴスペル・シンガーだったそうで。そしてマービン・ゲイの父は 牧師でしたよね。そしてカーティスの祖母は説教師、ゴスペル・シンガーだったそうです。 と言う訳で、三人の共通点は幼年の頃からゴスペルに親しんでいたということなのです。 中でもアレサはプロになってからもゴスペルのアルバムを何枚もリリースしていますね。
ジェームス・ブラウンは、映画「ブルース・ブラザース」で牧師の役をやっていた!?
さて、このアルバムは「ライブ・アット・フィルモア・ウェスト」の次のアルバムです。
アトランタ・レコードもすでにサザン・ソウルからニュー・ソウルにと時代の波に乗っていった という事ですね。
バック・ミュージシャンは、バーナード・パーディ(ds)、チャック・レーにー(b)、コーネル・ デュープリー、ヒュー・マクラケン(g)ダニー・ハサウェイ、ビリ−・プレストン(org)などの ニューヨークの最強メンバーだ。そして、歌われた曲は、アレサのオリジナルの他、ビートルズ、 エルトン・ジョン、バート・バカラックとロックのカバーも多くなって来ている。
個人的には、3曲目の「Rock Steady」1曲聴く為にこのアルバムを手に入れても後悔しないと思います。
Dr.John / Gumbo
1972年作品。
このアルバムもアトランタ・レコードからリリースされています。同年のストーンズの 「メイン・ストリートのならず者」もこのレコード会社からリリースされています。 アトランタ・レコードの凄さは、またの機会にして。
このアルバムを初めて聴いたときの衝撃を今でも忘れません、流暢なピアノ、シンコペー ションたっぷりのリズム、だみ声、すっかり虜になった私でした。

ニューオリンズのルーツ音楽がロックン・ロールのルーツにも繋がる、ファッツ・ドミノ を聴けばそうなんだろうけど、このアルバムを聴いた時点では私は、ファッツ・ドミノは 知りませんでした。
このアルバムに取り上げられた曲は、50年から60年代にかけての ニューオリンズのミュージシャンの作った曲です。それらの曲をドクター・ジョンがリス ペクトを込めて歌い、弾き、この素晴らしい世界へ誘ってくれる。
J.J.Cale / Naturally
1972年作品
2006年にエリック・クラプトンは、JJケイルとジョイント・アルバムを作る。69年ドミノス 結成直前にレコーディングされたクラプトンのソロ・アルバムに、このアルバムに収録され ている「After Midnight」がある。
クリーム、ブラインド・フェイス、デラニー&ボニーと変遷していく中、彼の進む方向に影響 を与えた一人が、JJケイルだったようです。聴いていただくと分かると思いますが、つぶやくよう なヴォーカルのスタイルにも確実に影響を与えています。
そしてこのアルバムのレーベルは、スワンプの創始者、レオン・ラッセルが作ったシェルターだ。
大人の、R&Bです。リラックスしたい時に嬉しい1枚です。
Joao Gilberto / Joao Gilberto
1973年作品
このアルバムの10年前「GETZ/GILBERTO」でボサノバを世界的流行にした。ジョアン・ジルベルト の私の最も好きなアルバムです。
そもそも彼は、自宅の風呂場にこもり(という逸話もあり)、あのボサノバのギター表現を何年もかけて生み出し、ジョピン (アントニオ・カルロス・ジョビン)とともにボサノバを創造していった人だから、ある種 「おたく」「職人」な人なんだけど。彼しか作れない音楽がこのアルバムにも刻まれています。

このアルバムは、ドラムのハイハットと彼のギター(チューニングが半音低い)と彼のヴォーカルの み。したがって、彼のギター演奏の奥義が堪能でき、また、彼とスピーカー越しに向き合って いるような感覚になる。私の目の前で私だけにジョアンが演奏してくれているようにリアルな サウンドは、いつ聴いても新鮮で素晴らしい。
一般的には低迷期のアルバムですが、すごい。
2000年に録音された「Joao voz e violao」もギターとヴォーカルのみの素敵なアルバムです。
2001年の日本公演の際、国際フォーラムの冷房を止めてのライヴは、「おたく」発揮の逸話として笑えました。
Stevie Wonder / INNERVISIONS
1973年作品
スティービー・ワンダーが、このアルバムをリリースしたのは23歳の年で、このアルバムは73年の グラミー賞の最優秀アルバム部門と最優秀録音部門を受賞している。
天才であり、まぎれもなくスーパースターだったスティービーは、72年の「Music Of My Mind」「Talking Book」 73年「Innervisions」74年「First Finale」76年「Songs In The Key Of Life」の時期は、11歳の時モータウンと契約した 小学生が大人になり湧き出る才能を爆発させた約5年間だった。
全ての曲が素晴らしく、オリジナルで愛と優しさを届けてくれる、楽曲のよさ、アレンジのよさ楽器の使い方全てが 上手くいっている。ほとんどの楽器をスティービーがプレーしているが「He's Misstra Know It All 」のウイリー・ウイークス (b)のプレーもよい

1. Too High   2. Visions   3. Living for the City  4. Golden Lady 5. Higher Ground   6. Jesus Children of America  7. All in Love Is Fair 8. Don't You Worry 'Bout a Thing   9. He's Misstra Know It All
Wayne Shorter / Native Dancer
1973年作品
ウェザー・リポートが「ブラック・マーケット」でブレイクする前、以前からブラジル音楽へ 強い憧れを抱いていたであろうウエイン・ショーターが、ブラジルのMilton Nascimentoと開放感 あふれる自然の音楽を作り出した名盤です。
ハービー・ハンコック、アイアート・モレーラ、らのバック・アップの中、彼自身のソプラノ・ サックスも伸びやかに歌いまくります。
夏の日の木陰でビールを飲みながら聞きたい素晴しい名盤です。

1. ポンタ・ジ・アレイア  2. ビューティ&ザ・ビースト
3. タルジ  4. ミラクル・オブ・ザ・フィッシュ
5. ジアナ  6. 孤独の午後  7. アナ・マリア
8. リリア  9. ジョアンナのテーマ
Little Feat / Dixie Chicken
1973年作品
ローウェル・ジョージ、ビル・ペイン、リチャード・ヘイワード、ロイ・エストラダからな るリトル・フィートの3作目、信じられないほどのファンキーなグルーヴの効いたロックを聴かせてくれる。
ビル・ペインの弾くピアノはサザンの風を運び、ローウェル・ジョージのスライドは、これ以上の心地よさがない 音だった。このアルバムからプロデュースもローウェル・ジョージがやってます。
最も売れなかった名盤として歴史的に有名な70年代のロックを代表する名盤です。
5枚目の「ラスト・レコード・アルバム」もライブの「ウェイティング・フォー・コロンブス」もお勧めです。
Marvin Gaye / Let's Get It On
1973年作品
名盤のコンセプト・アルバム「ホワッツ・ゴーイング・オン」の次のアルバムがこのアルバムです。
レコーディングには、クルセイダーズのキーボード:ジョー・サンプル、ベース:ウェルトン・フェルダ―と ドラムス:ポール・ハンフリー、ギター:ディビッド・T・ウォーカー、ディーン・パークス、バイブ:ビクター・フェルドマン と当時の一流スタジオ・ミュージシャンが呼ばれた。
全曲 ディープなラブ・ソングで素晴らしいソウル・ナンバーが収録されています。
このアルバムもソウル・ミュージックを語る上には必須のアルバムです。
極上のソウル・ミュージックをお楽しみください。
Margie Joseph / Margie Joseph

1973年作品
73年 アトランティックからプロデュース:アリフ・マーディンで、デビューしたマージー・ジョセフ のファースト・アルバムです。
音楽仲間によると全曲ベースのジェーリー・ジェーモットのプレーを聴けるこのアルバムは、昔からベースを弾いてる 人のバイブル的アルバムとして有名との事です。

アレサ・フランクリン、キング・カーティスのフィルモアでのライブでもそのプレーは有名ですが・・・ ドラムス:バーナード・バディ、ギター:コーネル・デュプリー、ヒュー・マクラケン、キーボード:リチャード・ティー とアレサの「Young,Gifted And Black」他のバックと同じグルーヴが最高なメンバーです。セカンド・アルバムでは、ベースがチャック・レィニーになります。
3枚目までアリフ・マーディンがプロデュースをしましたが、売れなかったようで私も下のオリジナル・アルバム・シリースの5枚組を 手に入れて初めて聴いた次第です。
アトランタでのアレサが好きなかたにはお勧めです。

Bobbi Humphrey / Blacks and Blues
1973年作品
モータウンで活躍していてブルーノートでは、ドナルド・バードのアルバムも何枚かプロデュースしている ラリー・マイゼルのプロデュース、アレンジのこのアルバムは、フルート奏者のボビーのソロ・アルバムです。
リズム・セクションは、ドラム:ハーヴィー・メイソン、ベース:チャック・レィニーでジェリー・ピーターズ のピアノ、エレピ、ギター:ディヴィッド・T・ウォーカーと70年代ソウルの最高のグルーヴ・メーカーのメンバー です。
そのバッグの上を、のびやかにボビーのフルートとヴォーカルが気持よく乗ります。
あ〜気持いい〜です!
The Meters / Rejuvenation
1974年作品
ニューオリンズの「The Meters」は、George Porter.Jr(bass)、Leo Nocentelli(guitar)、 Arthur Neville(key)、Joseph Modeliste(drums)、の 4人のメンバーからなるバンドです。
このアルバムのプロデューサーは、アラン・ トゥーサンです。そうニューオリンズの音楽を60年代から作り、ドクター・ジョン、 アローン・ネビル、ポール・マッカートニー、ロバート・パーマー、ボズ・スキャックス、 リトル・フィートなどに影響を与えた人です。
もちろん、彼の前には、プロフェッサー・ロングヘアー、ファッツ・ドミノなどの巨人もいた んだけど、皆、南の風です。
この、ブラック・ファンク・ロックに身をゆだね感じて下さい。ヴォーカル入りの彼らの最高傑作です。
Carole King / Wrap Around Joy

1974年作品
71年の「Tapestry」「Music」72年「Rhymes&Reasons」73年「Fantasy」順調に 1年に1枚のペースでアルバムをリリースしてきたキャロル・キングのソロ 6枚目。
スティーリー・ダンのファーストで数曲リード・ヴォーカルを取っていた デヴィッド・パーマーが全曲キャロル・キングと共作している。パーマーは、このアルバムでも アンディ・ニューマーク(ds)と素晴らしいリズム・セクションを聴かせてくれている キャロル・キングの夫のベーシストのチャールズ・ラッキーのいたバンドのヴォーカリスト だった頃からの付き合いで、キャロル・キングのソロ・プロジェクト前のバンド「The City」 のアルバムでも2曲ですでに共作曲がある。余談ですが、そのアルバムの「Snow Queen」は、 クラプトンのデレク・アンド・ドミノスで有名な、ジム・ゴードン(ds)の物凄いドラムスが聴けます。
アンディ・ニューマークのハイ・ハットの切れの良いリズムが嬉しい1曲目の「Nightingale」が 全米9位、3曲目のトム・スコットのサックス・ソロが爽快な「Jazzman」は全米2位のヒットになり メロディー・メーカーのキャロル・キングの才能の真髄を聴かせてくれる。


The City 「Now That Everythig's Been Said」1969年リリース

Produced:Lou Adler Key・vo:Carole King g:Daniel Kortchmar 
b:Charles Larkey ds:Jim Gordon
1942年生まれのキャロル・キングが27歳の時、裏方のソングライータ―から初めてシンガー・ソングライター としてレコーディングに挑んだ幻の名盤。
Ry Cooder / Pardise And Lunch
1974年作品
アメリカのルーツ音楽から始まり世界中の音楽を吸収しながら彼自身の好きな音楽を いまだに録音しリリースできるライ・クーダーはラッキーなミュージシャンのように思える。 ボトルネック奏法などギターリストとして非凡な才能を聴かせるがオリジナル以外の曲の選曲も 素晴しい。
このアルバムは4枚目のアルバムでプロデュースは、レニー・ワロンカー、ラス・ タイトルマン。ボビー・ウォマック、バート・バカラック、ブラインド・ウィリー・マクテルらの 曲が取り上げられている、このアルバムは、ゴスペル・コーラスと、ライのスイング感溢れるギターが 気持ちよく、ゆったりと聴けるパラダイスな名盤です。 次作は「鳥肌ミュージック(74年)」このアルバムも多くのミュージシャンから愛されている名盤です。

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