極上音楽
1960年代 No.2 の名盤

Otis Redding / Otis Blue : Otis Redding Sings Soul

1965年
オーティスは、ギターのスティーブ・グロッパー(ブッカー・T.&ザ・M.G.'s)と同じ41年生まれで このアルバムをレコーディングした時、23歳だった。しかし、26歳の1967年に公演先に向かうために 乗った自家用飛行機の事故で若くして亡くなっている。
短い活動期間に、メンフィスのスタックス・レコードのハウス・ミュージシャンのブッカー・T.&ザ・M.G.'sと 7枚のサザン・ソウル/メンフィス・ソウルを作っていった。
デトロイトでは、モータウン・レコードでファンク・ブラザースがシュープリームズ、マービン・ゲイ、テン プテーションらとレコーディングしていてシカゴでは、インプレッションズ(カーティス在籍)が活躍していた頃です。
そして、このアルバムは、オーティスの3枚目のオリジナル・アルバムで名盤の「Otis Blue 」です。
オーティスのアイドルだったサム・クックは、64年に33歳という若さですでに亡くなっていたが、このアルバムで、 「Change Is Gonna Come」「Shake」の2曲のサムの曲をオーティスが歌っている。また、ストーンズの「Satisfaction」 、テンプティションズの「My Girl」などのカバーを彼は安全に自分の物にして歌い上げている。 オリジナルの 「Respect」(67年にアトランタ・レコードに移籍したアレサ・フランクリンが「I Never Loved A Man The Way I Love You」 でこのを歌い彼女の代表曲になっている)などブッカー・T.&ザ・M.G.'s、とメンフィス・ホーンズのリズムに乗り圧倒的な ヴォーカルを聴かせる。

1. Ole Man Trouble 2. Respect
3. Change Is Gonna Come 4. Down in the Valley
5. I've Been Loving You Too Long 6. Shake
7. My Girl 8. Wonderful World
9. Rock Me Baby 10. (I Can't Get No) Satisfaction
11. You Don't Miss Your Water

Herbie Hancock / Maiden Voyage
1965年
マイルス・クインテットに在籍中の、ハービー・ハンコックが、マイルス・クインテットのメンバー、 ロン・カーター(b)、トニー・ウィリアムス(dr)にトランペットのフレディ・ハバード(tp)、ジョージ・コールマン(ts)、 を加え「海をコンセプト」に創られた透明感と爽快感を心地よく届けてくれるストレート・ジャズの名盤。
全曲ハービーのオリジナル。コードから解放されたモード手法を消化したハ―ビー25歳の輝き、この8年後、ファンク路線の 「ヘッド・ハンターズ」をリリースし、アコースティック・ジャズの「V・S・O・P」(ベリー・スペシャル・ワンタイム・ パフォーマンス)を結成する。
マイルス・デイビスは、前年の64年ニューヨークでのライブの名盤「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」をリリースしている。

1. Maiden Voyage 2. The Eye Of The Hurricane 3. Little One
4. Survival Of The Fittest 5. Dolphin Dance
Bob Dylan / Highway 61 Revisited
1965年
1曲目の「ライク・ア・ローリング・ストーン」のイントロのオルガン・リフ を聴いただけで悲しい気分になる。
ディランの曲を1度も聴いた事のない者から、くだらないインタビューを 受けなくてはならなかったり、わけのわからないブーイングを受けたりと当時ディランは、嵐の中にいた。 ビートルズは、4人だが、ディランは1人で戦わなくてはならなかった。
この歌の歌詞に出てくる 「どんな気分だい 帰り道の無い事は 全く知られない 転がる石のようになった気分は?」 の一節から題名になったディランのドキュメント映画「No Direction Home」は、メディアに 追いつめられていくディランの姿が描かれている。
24歳のディランが、マイク・ブルームフィールド(g)、アル・クーパー(org,p)、 ポール・グリフィン(org,p)、ハービー・ゴールドスタイン(b)、ボビー・グレッグ(ds) らとディランのロックン・ロールを創造している。

1. Like a Rolling Stone 2. Tombstone Blues
3. It Takes a Lot to Laugh, It Takes a Train to Cry
4. From a Buick 6 5. Ballad of a Thin Man
6. Queen Jane Approximately 7. Highway 61 Revisited
8. Just Like Tom Thumb's Blues 9. Desolation Row
The Beatles / Rubber Soul
1965年
この年の6月まで「HELP」のレコーディングが行われ、10月12日〜11月11日までツアーは無かったが、 相変わらず過密なスケジュールの中、大急ぎで曲を書き「Rubber Soul」のレコーディングが行われた。
この時点で私は、リアルタイムで聴いていない後追いのフォロアーですが、ブライアン・ウィルソンが 「ペット・サウンド」を作る原動力になった作品です。

1曲目の「ドライブ・マイ・カー」は、ロックンロールを ベースにしているがそのサウンドは、当時彼らが聞いていたブラック・ミュージックが息づいたグルーヴを ポールのベースが作っている。2曲目のアコーステック・ナンバーの「ノルウェーの森」は、ジョンへ のディランの影響が感じられる深く、シュールな歌詞が短編小説の様だ、演奏にはシタールが使われなど新しい 試みがある。「ひとりぼっちのあいつ」「イン・マイ・ライフ」等、ツアーのごたごた、アイドルでいること等に疲れ、 前作で「HELP」と叫んだ、静な響きのジョンのナンバーがうれしい名盤です。
2009年09月09日 リマスターされ音質もアップしました。
The Beach Boys / Pet Sounds
1966年作品
この年ブライアン・ウィルソンは、他のメンバーとツアーに同行せずに、腕利きスタジオミュージシャンを LAのスタジオに集めレコーディングを1人で進めていた。
メンバーはツアーから帰ってきてそのオケを聴き今までとの路線の 違いに戸惑い、ブライアンと衝突する。レコード会社の思惑とのギャップ、世間のマイナス評価、ドラッグ様々な 原因でこの作品後ブライアン・ウィルソンは、長い間その才能を封じ込められてしまう。

このアルバムは、この時代の音楽とは 違う、アンサンブルがある。もちろんフィル・スペクターやバート・バカラックらの影響はあるが時代を超越したオリジナルな 音楽がここに存在する。多くのものと引き換えに彼は永遠に輝き続ける名盤を作った。
「素敵じゃないか」「僕を信じて」「ザッツ・ノット・ミー」「ドント・トーク」「待ったこの日」「少しの間」
「スループ・ジョン・B」「神のみぞ知る」「救いの道」「ヒア・トゥデイ」「駄目な僕」「ペット・サウンズ」
キャロライン・ノー 全13曲

天才ブライアンが作り出した誰も真似できない作曲力、アレンジ、ヴォーカル・ハーモニー、完璧な アルバムとは、このレコードの事である。
The Beatles / Revolver
1966年作品
ビートルズの歴史は、その録音技術の進化とともに作られた。有名な話だけど、アビーロード のレコーディング・エンジニアは当時、医師が着るような長い白衣を着て仕事をしていたのだそうだ。
会社に出かけるようにほぼ毎日スタジオに通ってきて録音をしていた当時のビートルズはデビュー当 時とは比較にならないほど多くの時間をスタジオで過ごしその技術を利用してサイケデリック な体験を音にしていった。
1曲目は、ジョージの「タックスマン」キャッチーなメロディーとポールのベースが光る。エリナ・リグビー、 ヒヤ・ゼア・アンド・エブリウェア、フォー・ノー・ワンとポールの作り出すメロディーに感動する。一方 ジョンは、ソリッドが効いた曲が目立ちサイケな印象の曲が多く収録されている。
サイケな体験のない私たちは斬新なスタジオ・ワークが生み出したこのアルバムを脳に滲み込ませた。
レコーディング期間:4月11日〜6月17日
2009年09月09日 リマスターされ音質もアップしました。
Bob Dylan / Blonde On Blonde
1966年5月リリース作品
62年のデビューからこのアルバムまで時代の寵児と言われ走り続けたディランがたどり 着いた音楽活動の極み。
この年の7月 ヨーロッパ・ツアーから帰って来たディランは、オートバイ事故を起こし 70年代初めまで子育をしながらウッドストックで平和に隠遁生活を過ごすことになる。
ナッシュビルでレコーディングした影響か、前作より、落ち着いたサウンドで、美しい メロディーが素晴らしい。全14曲収録、名曲が多く収録された歴史的名盤です。

1. Rainy Day Women #12 & 35  2. Pledging My Time
3. Visions of Johanna  4. One of Us Must Know (Sooner or Later)
5. I Want You  6. Stuck Inside of Mobile with the Memphis Blues Again
7. Leopard-Skin Pill-Box Hat  8. Just Like a Woman
9. Most Likely You Go Your Way (And I'll Go Mine)
10. Temporary Like Achilles  11. Absolutely Sweet Marie
12. 4th Time Around  13. Obviously 5 Believers
14. Sad Eyed Lady of the Lowlands
Duke Ellington / The Popular
1967年作品
ビッグ・バンドは、1940年代には戦前のスイング・ジャズの流行と共に一世を風靡した事が 夢のような状況になり、多くのバンドメンバーを抱えたバンド形式が経営的に厳しくなっていたことと スイング・ジャズというジャンルを受け入れる市場がなくなっていたこともあり多くのバンドが解散していった。
録音は古いけどいいオーケストラが沢山あり、今聞いても素晴らしいオーケストラ・アンサンブルは洗練され感動します。
亡くなってしまった方々ばかりですが、DukeEllington(1899-1974),CountBasie(1904-1984),GlennMiller(1904-1944),TonnyDorsey(1905-1956), BennyGoodman(1909-1986),ArtieShaw(1910-2004)HarryJames(1916-1983)とビッグ・ネームだけでもこんなにいらっしゃいました。その中でも エリントン、べーシ、ミラーは日本でも有名ですよね。
さて、今回紹介の名盤は、デューク・エリントンの67歳の時 1966年にステレオで録音された「The Popular」です。
すべての曲がリアレン ジされエリントン自身のピアノが大きくフューチャーされている。取り上げられている曲も彼の代表曲(ポピュラー)でそれぞれの曲も長い曲で、 5分34秒で納めているが名プレイヤーのソロも十分楽しめるアレンジに仕上がっている。

1. A列車で行こう 2. アイ・ガット・イット・バッド 3. パーディド
4. ムード・インディゴ 5. 黒と茶の幻想   6. ザ・トゥイッチ
7. ソリチュード  8. 私が言うまで何もしないで 9. ザ・ムーチ
10. ソフィスティケイテッド・レディ   11. クリオール・ラヴ・コール
The Doors / The Doors
1967年作品
「ハートに火をつけて」は、何度聴いたか分からない。深く不気味なボーカルにオルガンが 重なり最高にカッコ良かった。
ジム・モリソンのカリスマ性も夢中にさせたが、レイ・マン ザレクのオルガン、ジョン・デンズモアのドラムス、ロビー・クリガーのギターの3人の演奏 のうまさがこのバンドの魅力でした。
ベースがいないトリオ(ペースはレイのオルガンの ペダル・ベース)だがそれを感じさせないジャージーな響きとアンサンブルがある。

コッポラが「地獄の黙示録」でこのアルバムから「The End」を使った必然性は、このバン ドの音がまさにこの時代の空気感があるからだろう。
The Beatles / Magical Mystery Tour
1967年作品
マネージャーのエプスタインが亡くなり彼らは、TV映画を作る事になる。この映像の出来はともかく、 そのサウンドトラック6曲とシングルで発売された5曲は、ビートルズのサイケデリックを最高に感じる名曲 揃いのうれしい名盤となった。
あの「サージェント・ペパーズ」の同年にリリースされた。このアルバには、「ストロベリーフィールズ」 「アイ・アム・ザ・ウォーラス」「フール・オン・ザ・ヒル」「愛こそすべて」「ペニー・レイン」等々彼らの代表的なナン バーが選曲された。
彼らの唯一のインスト・ナンバー「フライング」も収録されている(ゆるいいい曲です)。 私は、いつもビートルズの始めの1枚に、このアルバムを勧めます。
2009年09月09日 リマスターされ音質もアップしました。
The Doors / Strange Days
1967年作品
サイケデリックで幻想的なこのアルバムは、ファーストから6ヶ月後の10月にリリースされた。
ビートルズがリボルバーで実験的なアプローチをしたが彼らもこのアルバムでは、いろんな実験的な試みをしている。 10曲全てがオリジナルで曲の良さが光る。

セカンド・アルバムですでにある極みに到達した。ジャケットも魅力的な名盤。
Aretha Franklin / I Never Loved A Man The Way I Love You
1967年作品
コロンビアに8枚のアルバムを残し、アトランタ・レコードと契約したアレサは、25歳だった。
このアルバムは、ロジャー・ホーキンス(Dr)らの南部からサザン・ソウルのバックメンバーが、ニューヨークに 招かれニューヨークに住んでいたキング・カーティス(ts)が加わり、アレンジ、エンジニア、プロデュースがアリフ・ マーディン、トム・ダウドで録音された。

1曲目の「リスペクト」は、オーティスがオリジナルだが、 この曲を歌ったことでアレサは「クイーン・オブ・ソウル」になったと言っても過言ではない。
この後のソウル・ミュージックの進むべき道を切り開いたソウルの金字塔的アルバムです。
Hebbie Hancock / Speake Like A Children +3
1968年作品
マイルス・ディビスが「ビッチェズ・ブリュー」をリリースする前年、マイルス・クインテットで活躍中の ハービー・ハンコックは、ブルーノートからこのソロ・アルバムをリリースする。
ピアノ・トリオにホーンアンサンブル(ホーンのアドリブソロはなし)の形式でアレンジされた曲は、 その頃のジャズには無い美しさとアンサンブルを感じた。
全曲オリジナル、マイルスと演奏した 「ライオット」「ソーサラー」も再演された。

1. ライオット 2. スピーク・ライク・ア・チャイルド 3. ファースト・トリップ
4. トイズ 5. グッドバイ・トゥ・チャイルドフッド 6. ザ・ソーサラー
7. ライオット(別テイク) 8. ライオット(2nd 別テイク)
9. グッドバイ・トゥ・チャイルドフッド(別テイク)
Aretha Franklin / Lady Soul
1968年作品
全米2位(ゴールド)・全英25位 に輝く アレサのアトランティック3作目。
マッスル・ショールズのロジャー・ホ―キンス(Dr)、トミー・コグビル(b)スプーナー・ オールダム(Key)らとともにアレサがサザン・ソウルを歌いあげるソウル史上最も評価される名盤。
全米1位になった1曲目の「Chain Of Fools」のコーラスが良いよね〜。「ちぇちぇんちぇ〜ん」「おぉ〜ソウルだ〜!」て感じで始まり「あ!」と いう間にラストのバラード「Ain't No Way」になるソウルに癒される30分です。
カーティス、レイ・チャールズ、キャロル・キングなどの美しい曲をソウルの女王が最高に輝いていた時代に歌い、創造した名盤、 これを聴いてソウルの真髄を感じて下さい。

1. Chain Of Fools 2. Money Won't Change You 3. People Get Ready
4. Niki Hoeky 5. (You Make Me Feel Like) A Natural Woman
6. Since You've Been Gone (Sweet Sweet Baby)
7. Good To Me As I Am To You  8. Come Back Baby
9. Groovin' 10. Ain't No Way
The Band / Music From Big Pink
1968年作品
66年7月オートバイ事故の後、ボブ・ディランはウッド・ストックで幸せに暮していた。その頃、人目をさけ ビック・ピンクの地下室でジャムセッションをしていたのが「The Band」だった。
その頃、録音されたのがこのアルバムだ。その後のディランとの活動は「プラネット・ウェイヴス」(初の全米1位)、 「偉大なる復活」としてリリースされた全米ツアーで共演となる。
このアルバムを名盤にしたのは、アメリカ南部の香りの中、祈りにも近い精神性をひとつひとつの音が 表現しているからだと思う。そのサウンドには不思議なこの時しか記録できなかったマジックがあります。
プロデューサーのジョン・サイモンはウッドストックの住人で多くのアーティストのプロデュースをして 名盤を作り出している。
The Beatles / Abbye Road
1969年作品
ビートルズのラスト・アルバム、企画段階では「エベレスト」とアルバム名が付けられる話もあったらしい。
ジャケットは、長年アビー・ロードのEMIスタジオで過ごしてきた彼らがスタジオを歩いて出て行く姿(泣ける)。 バラバラになってゆくメンバーの姿に心痛めたポールがジョージ・マーティンに「もう1枚アルバムを作りたいんだ」 と懇願し、このスーパー・グループの最後を飾る名盤が気合を込めて作られた。
ジョンの「カム・トゥゲザー」 ジョージの「サムシング」「ヒヤ・カムズ・サン」ポールの「オー・ダーリン」B面のメドレー等この4人でないと 作り出せなかった音が1969年7月にほとんどの曲が録音された。
ジョンがEMIのスタジオから徒歩5分のポールの家に「今すぐ録音したい」と訪ね2人だけで「ジョンとヨーコのバラード」 を録音したのが4月だった。
もともと音がよかったアルバムですが、2009年09月09日 リマスターされさらに音質もアップしました。
Led Zepplin / Led Zepplin
1969年作品
ツェッペリンのファーストにして完全無欠のへヴィ・ロック・アルバム。
ジョン・ボーナ ムの溜めある重たいパワフルなドラム、ロバート・プラントのヴォーカルが高音でシャウトし プロデュース、ギター、アレンジャーのジミー・ペイジが天才の輝きを放ち、ジョン・ポール ・ジョーンズがリズムを骨太にする。

この4人がブルースをベースにこの新しいサウンドを ロンドンのオリンピック・スタジオで録音した。
ジョン・ボーナムが亡くなる80年まで 色々な音楽を吸収しながら作り出したヘビィネス・サウンドは私たちを熱狂させ続けている。
King Crimson / In The Court Of The Crimson King
1969年作品
プログレッシブ・ロックの夜明けを宣言した。プログレの金字塔。
ジャケットのイラストにも圧倒されるが、1曲目の「21世紀の精神異常者」のグレック・ レイクのエフェクター処理されたヴォーカルを初めて聴いたときは「おい、おい」と思っ たが2曲目に進み、ロバート・フィリップ先生のギター、マイケル・ジャイルズのジャズ・ ドラム、イアン・マクドナルドのメロトロンが壮大な音空間を作り出して「うぉー!」と 声を上げてしまう高揚感を少年だった私に与えた。

ビートルズには感じなかった暗黒の世界、入っていっても大丈夫かなと思う精神世界を才気 あふれるメンバーが作り出した。
James Brown / In The Jungle Groove
1969年作品
ソウル・ミュージックにファンクというジャンルを作ったのは、帝王ジェームス・ブラウンだ。
このアルバムは、2003年にリリースしたものですが、録音されたのが1969年〜1971年の音源です。

BootysyCollinsのベース、CatfishCollinsのリズム・ギター、JaboStarksのドラムスのリズム・セク ション、そしてMaceoParkerらのブラス・セクションが、パワー・ソウル・ミュージックを聴かせてくれる。

多くの人が言っていますが、ジェームス・ブラウンにハマったら底無し。でも真髄は、このアルバム収録曲の時期の3年間がお勧めです。

この人のパワーはどこから生まれるんだろう? 周りのミュージシャンにも厳しいんだろうな?などといろんな事を 想像しますが、ワン・アンド・オンリーの彼のファンクは、本当にファンタステックです。
Miles Davis / In A Silent Way
1969年
トニー・ウィリアムスのドラムス、デイヴ・ホランドのベース、ハービー・ハンコック、チック・コリア、ジョー・サヴィヌルと キーボード奏者が3人、ウェン・ショーターのサックス、そしてギターのジョン・マクラフリンを加えた7人。

トニー・ウイリアムスが、ハイハットで16ビートを刻み、インドっぽい旋律を漂わせたギターの音にエレピが重なり遠くからオルガン (サヴィヌル)が聴こえ、マイルスのペットがメロディーを吹き始める。緊張感の中になにか温かさを感じる不思議な音空間。
マイルスのソロもショーターのソロも不思議な音空間の中を明るい光を浴びながら歌い上げている。

バッキングのエレピ、ギターの響きが豊かに広がるり、正に静かな道を未来に歩いて行けそうな奇跡の音楽。
マイルス43歳、ショーター37歳 この次のアルバムが、この年の8月にレコーディングされた「ビッチェズ・ブリュー」です。
Crosby,Stills,Nash & Young / Deja Vu
1969年にデビューしたこのユニットは、バーズのデヴィッド・クロスビーとバッファロー・ スプリングス・フィールドのスティーブン・スティルスとグレアム・ナッシュの3人で、この セカンドアルバムから二ール・ヤングが加わる。

初めて聴いた時は、そのハーモニーの凄まじさに驚いた。そしてスティルスの演奏(ギター、 キーボード、ベース)がそのハーモニーのバックでアコースティックを基調にエレクトロニッ クスが融合していて気持ちいい。
このサウンドが70年代のウエストコースト・サウンドの ペースになっていく事になる。同年ニール・ヤングはソロで「アフター・ザ・ゴールド・ラッ シュ」という傑作アルバムを作っている。
Dusty Springfield / Dusty In Memphis
1969年
アトランティック・レコードの有名プロデューサー、ジェリー・ウェックスラー、トム・ダウド、アリフ・マーディン 3名が メンフィスのアメリカン・スタジオで98年9月に録音した名盤。
南部ソウルの聖地としてミシシッピー川の上流のメンフィス(下流はニューオリンズ)とメンフィスよりアトランタに近い マッスル・ショールズ・サウンド・スタジオがあったアラバマが有名ですが、この60年後半からからニューソウルの波がやって くるまでは、アレサ、エルビス(エルビス・イン・メンフィスも69年録音)始めソウル、ロック・ミュージシャンがそのキャリア の中で南部サウンドを取り入れている。
イギリスが生んだ白人ソウル・シンガーのダスティが、南部のミュージシャンをバックに歌いあげます。アレサもそうですがアディフ・ マーディンの管とストリングスのアレンジが気持ちいいです。
このアルバムは、ダスティが亡くなった1999年にライノからリリースされた。トラック1〜11曲がオリジナルアルバム収録曲で、 12〜25までがニューヨーク、フィアデルフアで69年〜71年に録音された曲、14曲がボーナストラックとして収録されている。
3曲目の「Son Of A Preacher Man」は、タランティーノの映画「パルプフィクション」の中でトラボルタがボスの奥さん(ユマ・サーマン) を迎えに家に入ると流れた曲で、唸らせるタイミングと選曲で印象に残るシーンとなっていた。

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