以前の「ひとこと」 : 2023年10月前半
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10月1日(日) 「植物に死はあるのか」、あやとり
本の話とあやとりの話です。
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先日、聖蹟桜ヶ丘の京王ショッピングセンターのA館7階のくまざわ書店に行ったときに「植物に死はあるのか」(稲垣栄洋:sb新書、2023)を見かけたのです。その時は1万円近く本を買ったのですが(とても良い本屋さんでした)、この本を買いそびれたのです。帰ってきてから地元の本屋さんに注文をして入手しました。先週末の出張に持って行ったのですが、面白すぎて片道4時間以上の乗車時間の途中で読み終わってしまいました。
出張から帰ってきて、妻にも勧めたら妻もすぐに読み終わって「おもしろかった」と言ってくれました。裏表紙と腰帯が良かったので、裏表紙側も写真に撮ってみました。クリックして拡大すると読めると思います。
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植物ってなんだろう? という話から始まって、木と草はどちらが進化系なのか、挿し木で増やした木はクローンだけれどもそれは別の個体なのか同じ個体なのか、大きな木の中心部分は死んだ細胞だけれども木が生きているというのはどういうことか、等々、平易な語り口でとても面白い話題が続きます。
植物は木から草に進化したけれど、木は寿命が1,000年もある(ものもある)のに草は1年で枯れてしまう(ものもある)。寿命が長いほうが生物としては嬉しい気がするのに、なぜ敢えて寿命が短い方向に進化したんだろう?
アメーバのような単細胞生物は「寿命」とか「老化」という概念がない。「老化」は生物の個体にとって好ましくない変化なのに、なぜ敢えて老化するように進化してきたのだろう? だいたい人間の身体を構成する細胞は数か月で全て入れ替わる。だったら常に若いころの組織や器官と同様なものが再生されても良さそうなものではないか。私たちはなぜ進化の過程で「老化」という機能を獲得したのだろう?
そんな考察が続きます。生物学を学んできた人向けではなく一般の読者に向けて、敢えてシンプルに本質的な面白さや不思議さを語っている素晴らしい本です。
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しばらく前にデマイブラの開始処理というのを試していたことがありました。これと「はしごの終了処理」を組み合わせてみました。
これ、なかなかいいです。
<おまけのひとこと>
夜、よく眠れなくて昼間眠くなります。週末でお休みだからそれでもまあいいのですが、平日にこのリズムに陥ると困ったことになります。
10月2日(月)ステレオイヤホンが壊れた、あやとり
4日分まとめての更新になってしまったため、今日の分の更新は雑談です。
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「オーディオ版レイトレーシング」と「物理シミュレーションによる音響空間表現」という記事があって楽しく読んだのですが、実際にこういった環境での音の減衰や反射などの効果を耳で聞いてみたいものだと思ったのです。
昔、30年くらい前に今の会社に就職して最初の数年間は音を扱う技術を専門にしていました。立体音響もそのころに勉強したことがあります。そういえば最近はこのあたりの技術はどのくらい進化しているのだろう? と思って、立体音響やバイノーラル録音の動画などを探してみたのです。
3Dビジョンが右目と左目に別々の映像を見せて立体感を表現するように、立体音響も左右の耳に別々の音を聞かせます。そのためにはステレオイヤホンやヘッドフォンが必要です。てもとのステレオイヤホン(20年くらい使っているもの)で立体音響の音源を聴いてみたのですが、ピンとこないのです。あれ、こんなものだっけ? と思って、昔はよく使っていたサウンドエディタで右チャネル、左チャネルだけそれぞれ再生してみたのです。そうしたら片側からは音が出ていないことがわかりました。
そりゃあダメだよね、と思って、昔使っていた大きな(値段がけっこう高かった)ヘッドフォンを地下室から引っ張り出してきて試してみました。ところが、音源で左チャネルだけ再生しても、右チャネルだけ再生しても、両方からほぼ同じ音量で再生されるのです。ステレオプラグのところの接触がおかしいようで、ちょっと触るとブチッという音がします。これもダメでした。
聴けないとなると聴いてみたくなります。他にもステレオイヤホンを持っていたはずなので、探してみようと思いました。いずれにせよ古いものなので、この際ワイアレスのステレオイヤホンとかを買い直そうかな、でもワイアレスだとすぐに失くしそうだな、どうしようかな、と思っています。
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デマイブラの開始処理を4本指に拡張してみました。これも「はしごの終了処理」を組み合わせてみました。
これ、とても気に入りました。「聖なる円」みたいに中央の円から左右に伸びる細長い輪が外周に至らずに隣の菱形までで留められているのが良いです。
<おまけのひとこと>
昨夜で睡眠時間はうまく戻った感じです。今週は本業のほうが大変な一週間なので、少なくとも体調という観点では少し準備ができたかなと思っています。
10月3日(火)約数の数(その1)、あやとり
約数の問題とあやとりの話です。
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整数について考えるとき、約数の数が最も少ない数である素数が注目されます。逆に約数の数が多い数について考えてみましょう。自然数 n の約数と、それがいくつあるのかを表の形に書き並べてみました。
1 1 1 2 2 1,2 3 2 1,3 4 3 1,2,4 5 2 1,5 6 4 1,2,3,6 7 2 1,7 8 4 1,2,4,8 9 3 1,3,9 10 4 1,2,5,10 11 2 1,11 12 6 1,2,3,4,6,12 13 2 1,13 14 4 1,2,7,14 この表を眺めてみると面白いのです。(本当はもっと先まで作ると良いです。オンライン整数列大事典を始め、検索すると情報はいろいろありそうです。)まず気が付くのは約数の数は偶数になるもののほうが多そうだ、ということです。2つほど問題を考えてみました。
問題1. 三桁の自然数のうち、約数の数が一番多いのは何でしょうか。
問題2. 二桁の自然数で、約数の数がちょうど7個のものを見つけて下さい。
(つづく) ○
「デマイブラの開始処理」、「4本指のデマイブラの開始処理」と来たら、当然次は「5本指のデマイブラの開始処理」です。
これは4mの糸を使っています。整えるのがやや大変でした。
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朝ごはん用に卵を割ったのです。そうしたらこんな風に割れました。
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卵を割るとき、テーブルの縁のようなところに打ち付けるのではなく平らな面に打ち付けたほうが良い、という意見(ノウハウ)があるようです。私は常々「縁や角にぶつける」派なのですが、ときどき平らな面に打ち当ててみることがあります。今朝も平らな面に打ち付けたのですが、そうしたらひびが縦に入ったのです。そのひびに沿ってそっと広げたらこんな風になりました。
乾燥させて接着しようかなと思って捨てずにとってあります。重りを入れて「おきあがりこぼし」にしてみようかな。(またゴミが増える…)
<おまけのひとこと>
昼間は暑いのに朝夕は寒いです。こまめに衣服を羽織ったり脱いだりしています。
10月4日(水)約数の数(その2)
約数の問題のつづきです。すみません今日は時間がなくてあやとりのご紹介はお休みです。
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昨日、「2桁の数のうち、約数の数がちょうど7つのものを見つけて下さい」という問題をご紹介しました。答は64です。これがなぜ約数の数が7つなのかがわかると、「約数の数が k 個の数」の一般解に気が付くと思います。
もう1つ、「3桁の数のうち、約数の数が一番多いのは?」という問題もご紹介しました。私は最初に階乗数を考えて、6の階乗が720で、これは約数の数が多そうだなと思って数えてみたら30個ありました。でも、素因数分解したときに7が出てこないのです。720の約数を小さいほうから並べると 1, 2, 3, 4, 5, 6, 8, 9, 10, … となって、7だけ出てきません。7を含んだほうが多いのかなという気がして調べてみたら、約数が 1,2,3,4,5,6,7,8… (9は含まない)となる3桁の数で、約数の数が32という数字があることがわかりました。
ちなみにこの問題に類似する問題が高3の数学Aで出題されているらしいです。最近の高校数学課程の中身、ぜんぜん馴染みがなくなってしまいました。
<おまけのひとこと>
今日は久しぶりに昔のように本当に「ひとこと」という更新です。今日は勤務先でVIP来訪が予定されていて、ここ数日準備に追われていました。なんとか無事終わるといいなと思っています。
10月5日(木)約数の数(その3)
約数の数の話です。10/5(木)と10/6(金)の2日分をまとめて更新しています。
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興味を持って下さった方はすでに調べられたかもしれませんが、オンライン整数列大事典の5番目の数列 https://oeis.org/A000005 が、この「約数の数」の数列です。こちらを見ると、関連する様々な情報に加えて、実際の数列の数字列やそれをグラフにプロットした図などを見ることができます。
oeis.org/A000005 より引用 上のグラフは最初から200項までをプロットしています。2桁の数字で約数の数が12というものはいくつもあります。100から200の間に、約数の数が12を超えるものが5つほどありそうです。これはどの数字でしょうか。
oeis.org/A000005 より引用 このグラフは 1e+05 、つまり100,000(十万)までの散布図です。素数、つまり約数の数が2個の数がこのグラフの一番下の列になっています。この数列をA5(n)と表記することにすると、任意の正の整数 k に対して、A5(n)=k を満たす n は無限に存在するはずですが、その密度は k の値によって全く違いそうです。
なお、オンライン整数列大事典には “Listen” (聴く) というメニューがあって、これを選ぶとその数列をmidiデータ(デジタル音楽データ)に変換してくれます。このA5の数列をmidiで聴いてみたらちょっと面白かったです。
<おまけのひとこと>
10/4(水)の「偉い人の来訪」はなんとか無事終わりました。
10月6日(金)多面体上の2つの面を繋ぐ経路のパズル(その1)、あやとり
多面体のパズルの話とあやとりの話です。
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久しぶりに Wolfram Demonstrations project を見に行ったら、Two Points on a Polyhedron(多面体上の2点) というパズルがあって面白かったのでご紹介します。
切隅二十面体(切頂二十面体:いわゆるサッカーボールの多面体)、立方体、正十二面体(正五角形12枚)、五角柱の4種類の多面体のうちの1つを選択すると、その多面体の展開図が表示されて、そのうちの2つの面に黒いマル印とグレーのマル印が現れます。立方体の例を示します。
この2つの印のある面を結ぶルートを探して下さい、というのが目的です。もちろんこのままでは簡単すぎるので、条件があります。「展開図上で隣接している辺(稜)はまたげない(通ってはいけない)」のです。説明のために6つの面にA,B,C,D,E,F と名前を付けます。
それぞれの面を「部屋」と呼ぶことにします。Aの部屋からCの部屋に移動するためには、どの部屋を通っていったら良いでしょうか? 展開図の上では隣接していないけれども立方体に組み上げたときには隣接する2つの部屋の間にはドアがあって、自由に行き来できるというイメージです。
つながっている部屋の間を矢印で結んでみました。
こうすると、部屋Aから部屋Cに行くためにはどの部屋を通っていったら良いか、わかりやすいと思います。途中、2つの部屋を通り抜けてゆく必要があります。この展開図では部屋Cと部屋Dが行き止まりで、この2部屋が一番離れているということがわかります。
このアプリケーションはどうやらランダムに問題を出題しているわけではなさそうです。立方体ではこんな問題もありました。
問題 1 問題 2 立方体くらいならば慣れればすぐにわかると思いますが、「展開図で隣り合っているほうが遠い」というのが面白いです。
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4本指のデマイブラの開始処理、終了処理を変えてみました。
まあ悪くはないのですが、すごく良いという感じではありませんでした。
<おまけのひとこと>
急に寒くなって参っています。暖房が必要な季節になりました。