以前の「ひとこと」 : 2016年2月後半
2月16日(火) アバンデ(Abande)(その1)
こんなゲーム盤を使う、面白そうなゲームを知りました。アバンデ(Abande)という、情報完全公開型で運の要素のない二人対戦ゲームです。
図 1 図1の盤面に対して、三角形や四角形のマスではなくて、囲碁のように頂点に自分のコマを置いてゆきます。ルールをざっと説明します。
【ゲームの名称】アバンデ(Abande)
【考案者】Copyright (c) 2005 by Dieter Stein
【ゲームの準備】ゲーム盤と、白と黒それぞれ18個ずつのコマを用いる。コマは白黒同じかたちで、3つまで積み重ねられるもの。
【ゲームの勝敗】ゲーム終了時に自分の「コマ」の得点の合計が高いほうが勝ち。コマが3つ重ねなら3点、2つ重ねなら2点、重なっていなければ1点。複数の色のコマが重なっている場合は一番上の色のプレーヤーの得点になる。
【ゲームの手順】交互に1手ずつプレイする。自分の手番のときにできることは以下の3つのうち1つ。
新しく自分の色のコマをボードに置く(打つ)。 すでにボード上にある自分の色のコマを、隣接する相手のコマの上に動かす(捕獲)。 自分の手元にコマが残っていない場合、パスすることができる。
プレーヤー二人が連続してパスしたらゲーム終了。【ルールの詳細】
新たにコマをボードに置く(打つ)ときには、自分か相手のコマに隣接した点にしか打てない(先手の最初の1手以外)。 後手の1手目、先手の2手目は捕獲をしてはいけない。(後手の1手目は必ず先手の隣に打たれるため、捕獲できてしまうが、それは禁止。先手の1手目はもちろん捕獲はできない。) コマを動かすときには、必ず隣接する相手を捕獲しなければならない。空きマスに移動したり、自分のコマを捕獲する(重ねる)ことはできない。 捕獲する動作の結果、盤面のコマ全体がつながらくなってしまうような動きはできない。 ゲーム終了後に得点を計算するとき、相手のコマに隣接していない(お隣がすべて自分の味方の)コマは得点にならない。 詳しくはhttp://abande.com/の公式ルール(英語です)をご覧ください。
図 2 図2はゲームがだいぶ進んだところです。例えば黒のAのコマ、これは3つの白と隣接していますが、いずれも捕獲できません。なぜならば3つのうちどれを捕獲しても、Bの位置が孤立してしまって、全体が「ひとつながり」ではなくなってしまうためです。
逆に、白はAに隣接する3つのうち、どれでもAを捕獲できます。
このゲームでは、高さが3になると、捕獲されることもないですし捕獲することもできないため、高さ3のコマは動けません。なかなか考えさせる面白いゲームなのではないかなあと思います。
(つづく) <おまけのひとこと>
実はまだプレイしてみてはいないのですが。
2月17日(水) アバンデ(Abande)(その2)
アバンデの話の続きです。最後の得点のところを説明しておきます。昨日の図2、これは実はまだコマが全部盤面に登場していないので、中間段階ですが、現時点でのスコアを計算してみましょう。
図 1 積み重なったコマの数が、そのコマの得点になります。ただし、味方としか隣接していないコマは得点になりません。現時点で黒は10点、白は12点です。
例えば、一番左下隅の白の(高さ1の)コマで、隣の黒の高さ1のコマを捕獲したとしましょう。そうすると、白は1点追加されて、黒は1点減るので、一見、差し引き2点分だけ白が得をするように思えます。ところが、ここに移動してしまうと、今までは白と隣接していなかった、高さ3と高さ2のコマが得点として有効になってしまうので、この捕獲はしないほうがいいです(図2)。
⇒ 図 2-1 図 2-2 一方、黒のほうは左下隅の白を捕獲しようとすると、「ひとつながり」ではなくなってしまうため、現時点では捕獲できません。
いろいろよく考えられているゲームだなと思いました。1回のプレイは20〜30分くらいかかるようです。一度やってみたいなと思いました。3つまで重ねられて、あんまり動かさなくていいということなので、オセロゲームのコマとかを使えばいいかなと思いました。
<おまけのひとこと>
こんなページからプレイレポート等を見ることができました。
2月18日(木) アタングル(Attangle)
アバンデというゲームを紹介していますが、このゲームはもともとは図1のような六角形の三角格子のゲーム盤でプレイするようにデザインされているようです。
図 1 アバンデをデザインしたStein氏が、アバンデのルールをかなり踏襲しつつ、アバンデを発表した翌年にこのアタングルというゲームを発表しているそうです。これもルールを簡単に解説しておきます。
【ゲームの名称】アタングル(Attangle)
【考案者】Copyright (c) 2006 by Dieter Stein
【ゲームの準備】ゲーム盤と、白と黒それぞれ18個ずつのコマを用いる。コマは白黒同じかたちで、3つまで積み重ねられるもの。
【ゲームの勝敗】先に自分の色の3つ重ね(スタック)を3つ作ったプレーヤーが勝ち。
【ゲームの手順】交互に1手ずつプレイする。自分の手番のときにできることは以下の2つのうち1つ。
新しく自分の色のコマをボードに置く(打つ)。ゲーム盤の中心の点には打てない。 すでにボード上にある自分の色のコマで、相手のコマを捕まえる(捕獲)。
パスは禁止。手元に新たに打つためのコマがなくなって、かつ捕獲できる動きもできなければその時点で負け。【ルールの詳細】
ゲームの最初から最後まで、ゲーム盤の中心の点にはコマは置けない。捕獲動作のときに通過するのはOK。 捕獲動作は、自分のコマ2つが同時に相手のコマの上に異なる方向からまっすぐに移動する。2つのうち1つは手ゴマに戻る(図2)。 移動できるのは捕獲動作のときのみ。空きマスに移動させることはできない。 捕獲動作のときに、自分や相手のコマを飛び越してはいけない。 スタックの高さは最大で3。高さ3のスタックはゲーム終了までその場に留まる。
「捕獲動作」について、具体的に説明します。図2のように、2方向からまっすぐに相手のコマの上に移動して、片方を手に戻します。
図 2 すでに2段になっている相手を捕獲すると、目的である高さ3のスタックが1つできます(図3)。高さ3のスタックは捕獲されることもなければ、捕まえるために移動することもできないので、ゲーム終了までその場に留まります。
図 3 高さ3のスタックができるもう一つの方法として、高さ2と高さ1のコマで相手の高さ1のコマを捕獲する、という場合があります(図4)。
図 4 参考までに、図5は白も黒も相手を捕獲できない状況です。
図 5 高さ2と高さ2のコマで相手を捕獲しようとすると、スタックの高さが4になってしまうので禁止です。また、捕獲のための異動は「同時」である必要があるため、捕獲は必ず異なる方向からになります。(自分や相手のコマは飛び越せない。)
詳しくはhttp://attangle.com/の公式ルール(英語です)をご覧ください。
アバンデとアタングル、いろいろ共通点のある、比べてみると面白いゲームだなあと思いました。実は同じデザイナーが同じボードを使うゲームで、アカスタ(accasta)というのを1998年に発表しているのだそうです。ルール等はこちらのhttp://accasta.com/にあります。アカスタは、アバンデやアタングルと比べるとルールが複雑で、失礼ながらあまり洗練されていないなあという印象です。
<おまけのひとこと>
今週(2/15〜2/19)は本業のほうでいろいろ大変なイベントが4つ5つあって、頭が痛いです。本当はこの週末(2/13、2/14)はその準備もしなければいけないのに、今回の更新(2/13〜2/19の分)はけっこう時間をかけてしまいました。
2月19日(金) 折り紙を切って折る:正三角形の穴のあいた構造
こんなかたちを作ってみました。
図 1 紙の重なり具合が写真だといまひとつわかりにくいかなあと思って、図も載せておきます。
図 2 表と裏が同じ色の紙がお勧めです。ちょっとだけハイパーカードを連想します。穴のかたちや外形など、いろいろバリエーションが考えられそうです。
<おまけのひとこと>
ちなみにこれは裏返せません。
2月20日(土) カードを当てるマジック(その1)
カードを当てるおもしろいマジックを知りました。5人以上の聴衆の前で演じられるマジックで、聴衆のうち5名に参加してもらうマジックです。
参加者5名に一列に並んでもらいます。手品師(演者)は、あらかじめ準備したカードのパック(積み重なったもの)を取り出して、それを5名の先頭の人に渡します。5名は、カードのパックを5人目の人まで次々と手渡してゆきます。5人目の人はパックを受け取ったら、任意の場所で1回カードをカット(カードのパックを適当な場所で2つに分けて、上下を入れ替える操作を)します。
カットしたら、5人目の人はパックの一番上のカードを取って、4人目に渡します。4人目の人は、やはり一番上のカードを取って3人目に渡します。3人目、2人目、1人目もカードのパックの一番上のカードを取ります。パックは演者には戻さず、例えば机の上に置いておきます。
演者は、「みなさん、それではお手元のカードをよく見て、それが何のカードなのか私にテレパシーで念を送ってください。」と言います。演者は一生懸命考える演技をした後で、「皆さん、ありがとうございました。すみません、皆さんが頑張って下さったので、どうやら情報が多すぎてちょっと混乱しているようです。恐れ入りますが、赤いカード(ハートかダイヤ)をお持ちの方は手を挙げていただけますか?」と尋ねます。(座っているなら「起立していただけますか?」でもOKです。)
例えば先頭の人と3番目の人が手を挙げたとします。演者は「ありがとう、完璧です。赤がお二人ですか。おかげさまでカードのイメージが見えてきました。1枚はハートの7、ですね?」(一人がハートの7をみんなに見せます。)「もう1枚は、うーん、ダイヤのジャックかな?」(手を挙げたもう一人がダイヤのジャックを見せます。) 同様に、黒の3枚も次々と当ててゆきます。拍手喝采でマジックは終了します。
さて、どうやったらこんなマジックが可能になるでしょうか?
(つづく) <おまけのひとこと>
ほぼ1年くらい、毎週末に1週間分の更新をしてきましたが、久々に1回、毎週の更新を中断してしまいました。2/25(木)、26(金)に息子が大学入試だったのですが、ちょうどその前の週、2/18(木)に職場でインフルエンザの発症者が出て、万一私が感染していて週末に家族にうつしてしまったら大変、ということで、用心して単身赴任先に留まることにしたのです。
この「あそびをせんとや」というページは、lcv.netという地元のケーブルTVのサービスを利用させていただいているのですが、メールとかホームページの更新が外部からはできないようになっていて、そのおかげでセキュリティ上安心なのですが、こういうときはちょと不便です。
今日のマジックの話題はとても面白いのですが、解説の準備ができていないので、次回の更新のときに解説したいと思います。
2月21日(日) Planarity(その1)
最近、グラフ理論っぽい問題やパズルに興味があるのですが、http://planarity.net/というパズルが気に入りました。
図 1 図1のように、いくつかの頂点と、その頂点を結ぶ辺から成るグラフが表示されます。頂点をマウスでドラッグして移動することができます。すべての辺が交差しないように頂点を配置できれば成功、というパズルです。
図 2
図 3
図 4 レベル1は6頂点、レベル2は10頂点、レベル3は15頂点、レベル4は21頂点です。辺は適当に(ランダムに)引かれているように見えますが、よく見るといくつか条件があるようです。例えば頂点の次数は2,3,4のいずれかになっているようでし、グラフはかならず単連結で、二つ以上に分離されてしまうような問題は出題されないようです。
(つづく) <おまけのひとこと>
なんだかもつれた糸をほぐしているような感覚のパズルです。面白いです。
図1のgifアニメーション、あんまりうまく動かないようで申し訳ありません。
2月22日(月) Planarity(その2)
昨日のPlanarityというパズル、レベル3の図形でちょっと遊んでみました。
再掲図 まず、きれいに対称的に配置できないかなあと思って並べ替えてみたのが図1です。このような3回回転対称になっているのは偶然です。
図 1 次に、頂点を格子点に並べてみたらどうなるかなあと思って試してみました(図2)。
図 2 穴があいてしまっているのがちょっと面白くないです。
三角格子にしてみました。辺の長さが2種類になってしまったのが残念です。
図 3 今、図3を眺めていたら、辺の長さをすべて揃えることができますね。わかりますか?
<おまけのひとこと>
なんのガイドもなく頂点を配置していくと、なかなかきれいな配置になりません。手描きできれいに図を描くのは好きなのですが、まだまだ修行が足りないというか、センスがないというか…
2月23日(火) Planarity(その3)
Planarity、1問解くごとに頂点の数がどんどん増えてゆきます。
図 1 図 2 図1、図2はレベル7とレベル8です。さすがにそろそろ面倒になってきました。
図 3 これは初期状態を記録しておくのを忘れたのですが、レベル5の問題を格子点に並べて遊んでいたときの画像です。辺が交差しないという前提で、今回出題される問題は、正方格子ならば単位正方形の一辺の長さとその対角線の長さの二種類、三角格子ならば単位正三角形の一辺の長さのみ、で表現できるのかどうか、気になります。(グラフ理論屋さんならすぐにわかるのかもしれません。)
図 4 レベル7の正方格子解です。ちょっと油断していると、ぼんやりとずっとやり続けてしまうパズルです。
<おまけのひとこと>
同じグラフを格子上に埋め込むやり方は、ほとんどの場合たくさんあります。なので、気楽に楽しめます。
2月24日(水) ポリオミノのパズル(その1)
すみません、出典を忘れてしまったのですが、こんなパズルのメモが手元に残っていたのでご紹介します。
単位正方形を1つ、2つ、3つ、4つ、と連結して、L字型を作ります。(もっとも、1つと2つはL字型にはなりませんが。)
1から8までの数字の和は36ですから、6×6になります。
なので、8つのL字型ピースを、6×6に隙間なく重なりなく入れるというパズルが成立します。
図 1 簡単なパズルです。やってみてください。
(つづく) <おまけのひとこと>
ちなみに、4×9にもぴったり収まりますが、こちらはさらに簡単です。こちらは頭の中だけでどうぞ。
2月25日(木) ポリオミノのパズル(その2)
昨日は1〜8の面積のL字型ピースのパズルをご紹介しましたが、W型というか、階段状の問題もあります。
図 1 こちらのほうがL字型より難しかったです。それでも、ポリオミノ系のパズルが好きな方でしたら簡単だと思います。
<おまけのひとこと>
ちなみにW型のほうは、4×9にはおさまらない気がします。(ちょっとやってみただけですが)
2月26日(金) 13分の1立方体(前川淳さん)
数学セミナーに載っていた、前川淳さんの「13分の1立方体」を折ってみました。
図 1 図 2 第1作目はよれよれになってしまったので、作り直した第2作目の写真です。こちらは一応ピシッとかたちが決まりました。
<おまけのひとこと>
私の勤務先は、フレックス休日といって、年間で5日間、まとまったお休みを計画的に取得することになっています。ある程度長期のお休みを取ることが目的で、5日のお休みを最大2つに分割できて、かつ週末や祝日などの休日に連続させて取得するルールになっています。25日(木)、26日(金)はこのフレックス休日を取得しました。ただ、26日は午後に会社で聴きたい講演会があって、それは聴きに行きました。大変勉強になりました。
2月27日(土) Android上のパズル:Color Net
Color NetというパズルをAndroid端末にインストールしてちょっと遊んでみました。
図 1 図1は、パズルを解き終わったところです。このパズルは頂点と辺のグラフが用意されるのですが、グラフのかたちは変わりません。最初は頂点は彩色されていないのですが、頂点と同じ数だけの色のついたチップが盤面に置かれていて、それを頂点に置いてゆきます。隣接する頂点は同じ色を置いてはいけません。
図2はある盤面でゲーム開始直後の状態です。
図 2 この問題では紫が2個、オレンジが4個、緑が6個あります。頂点の数は12です。
グラフの彩色問題そのもののパズルです。
<おまけのひとこと>
2001年2月27日に公開を始めたこの「あそびをせんとや」も、まる15年が経過しました。当時はまだ小さかったうちの子供たちも、一人はこの春から就職、もう一人はこの春から大学生で、二人ともようやく家を離れることになりました。15年間、途中で何度か更新を中断しましたが、面白いと思ったことを記録し続けておいてよかったなあと思っています。今後ともよろしくお願い致します。
2月28日(日) Android上のパズル:Power Line
同じく、Android端末用のパズルで、Power Lineというパズルをやってみました。同じ Nebula Bytes というところのソフトウェアです。
図 1 図 2 図1、図2は5×5マスの盤面に、家と発電所、配線が配置されています。各マスをタップすると、そのマスに描かれた配線の向きが90度ずつ回転します。電力が供給されている(発電所に繋がっている)配線は黄色い色になり、電力が供給されている家は白い色になります。(供給されていない家はグレーです。)
すべての家の電力が供給され、すべての配線に電気が流れると成功です。
最初は、5×5から9×9まで5段階それぞれ100問ずつの問題があります。
図 3 各レベルで100問クリアすると、そのレベルでさらに100問が追加されるようです。(まだ7×7しか100問解いていません。)
2月27日(土)は息子の春からの住まいを探しに東京に行ったのですが、行きの列車の中で2時間近くずっと、このパズルをやってしまいました。
<おまけのひとこと>
持ち帰りの仕事をしなければいけないのですが、ついつい更新に時間をかけてしまっています。
2月29日(月) ワイン
先日、店頭でワインのボトルを見たら、こんなイラストが描かれていました。
図 1
図 2 ブレーメンの音楽隊ですね。特に脈絡はないと思ったのですが、つい買ってきて飲んでしまいました。
<おまけのひとこと>
一週間、更新をスキップしてしまったので、今回は10日分の更新です。