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以前の「ひとこと」 : 2007年9月前半



9月1日(土) Building Houses 2 (その1)

 MISDIRECTIONさんのページで紹介されていたパズルと同じサイトのパズルで、Building Houses 2というページのパズルをやってみました。かなり面白かったのでご紹介したいと思います。

 このパズルは、4×4×4の64個の空間座標(voxel:ボクセル)に、画面左上にある「平面図(top)」「正面図(front)」「右側面図(right)」のお手本通りの三面図になるように黄色い立方体(キューブ)を配置する、というものです。画面左下に[figuur1]〜[figuur10]までの10問の問題があります。そこをクリックすると、三面図が切り替わります。

図 1

 ポイントは、三面図の下に“Number of cubes:XX”という表示が出て、その個数の立方体を使って作らないと正解にならないところです。図1では(ちょっとみにくいですが)12個、と出ています。それに対して、今使っている立方体の数が画面右下に出ています。図1では32個です。ということはあと20個減らさないといけません。

 とりあえず、三面図が正しくなると、選択した問題番号[figuur1]の左側に緑の○印が現れます(図1)。さらに、指定した数の立方体で実現すると、この○印の色が黄色に変わります。ここまでやって初めて「正解」です。

 操作方法ですが、画面中央下のところに[Build][Break down]というラジオボタンがあります。[Build]を選択すると立方体を追加することができます。[Break down]を選択すると立方体を取り去ることができます。Break down の隣にボタンがありますが、これは1回押すたびに [Fill up]/[Remove all] が切り替わって、64マスすべてを埋め尽くす(Fill up)か、すべての立方体を取り去る(Remove all)か、という動作をします。

 [Build]のとき、黄色い立方体もしくは床のグレーの正方形をクリックすると、その面に接する立方体を追加します。逆に[Break down]のときは、クリックした立方体を取り除きます。

 立方体以外のところをドラッグすると、視点を様々に変えることができます。(つかんで回す感じです。)

 ちなみにこのパズルは、黄色いキューブが連結している必要はありませんし、空中に浮かんでいてもかまいません。ただしその場合は、いきなり空中にキューブを配置できないので、一旦積み上げてから足場のキューブを削除する、という方法になります。

 さて、図1の32個はあまりにも多すぎるので、とりあえず思いついた方法で減らしてみました(図2)。

図 2

 これで18個です。目標の12個までには、あと6個減らさないといけないのですが、いかんせんこの状態から1個でも減らすと三面図のどれかがリングではなくなってしまって、1つも減らせません。失敗です。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 昨日のプレゼンテーションは、予想通り持ち時間が足りなくなって途中で中断になってしまいました。来週、もう1コマもらって、残りの「一番話したかった内容」を話させてもらうことにしました。






9月2日(日) Building Houses 2 (その2)

 Building Houses 2というページのパズルのご紹介の続きです。昨夜(土曜日)はちょっと遅くなってしまいました。

図 1

 1時間ほどかかって、10問全部指定の個数のキューブで作ることができました(図1:問題番号の左のマークが全部黄色になっています)。このソフトウェアのありがたいところは、10問それぞれの途中経過をすべて保持してくれているところです。途中まで考えて、別の問題に切り替えて、また元に戻って続きをやる、ということが可能です。 また、全部終わってからも、より美しい配置を検討するようなこともできます。

 これ、必ずしも難易度順になっているわけではなくて、問題1はそれなりに難しいと思います。問題10が一番美しいかなと思いました(図2)。

図 2

 三面図のすべてにおいて、隙間なく16個のキューブが見えていないといけないという問題です。これ、個数を制限しなければ、[Fill up]ボタン一発で、64個のセルを全部埋めれば実現できます。これをわずか16個で実現しなさい、というものです。ということは、どちらの方向から見てもキューブは重なっていてはいけない、そういう無駄は許されない、ということです。

 いかがでしょうか、このパズル、頭の中だけで解けますか? ぜひ考えてみることをお勧めします。面白いです。

<おまけのひとこと>
 昨夜、ペーパーモデルのパズルのpdfファイルをメールで送っていただきました。ありがとうございます。たいへんうれしく思います。(作る時間が捻出できるかな…)






9月3日(月) 黄金比の実験(その1)

 私の住んでいる県は夏休みが短くて、子供たちは8月20日(月)から学校が始まっています。夏休み中に中学の理科の自由研究で何かやることになっていました。とりあえず黄金比に関することを何かやってみたい、と相談されました。別に学校から指定があったわけではなくて、本人が考えたようなのですが、はて数学ではなくて理科で黄金比ねえ、どうしようかなと思って考えたのですが、とりあえず濱中先生のページ講演原稿のページの、6章の「植物の話」のことを思い出して、大きな円の中に、小さな円を黄金角ごとに配置してゆく、という作業を実際に手作業で実験してみる、というのを提案してみました。

 最初に極座標グラフ用紙を用意します。 Free Online Graph Paperというページがあります。様々なグラフ用紙のpdfを作ってダウンロードできるサイトなのですが、ここの極座標グラフ用紙のところで、パラメータを指定して作りました。

 このグラフ用紙を利用して、図1のように同じ大きさの小さな円を描いてゆきます。

図 1

 小さな円を描いたら、一定の角度だけ進んだところにまた円を描きます。これをひたすら繰り返します。続けてゆくと、いずれ外周がいっぱいになって、次の円が描けない、ということが起こります(図2)。

図 2

 図2はデタラメに描いた図ですが、とにかく「すでに描かれた円と干渉してしまって、次の円が描けない」(図2の青い円)ということが起こったら、小さな円の直径の分だけ、大きな円の中心に近づけて小さな円を描きます(図2の青い円)。これ以降は青い円と同じ距離のところに円を追加してゆきます。また、すでに描かれた円と干渉してしまったら、それ以降は小さな円の直径分だけ内側に新しい円を描きます。これを繰り返して、もうこれ以上新しい円は描けなくなるまで続けます。

 手作業の実験では、角度の基準となる定規を2つ用意して、片方は黄金角の約137.5°、もう片方は円周の8分の3の135°、という2つの角度で、上記の実験を行ってみることにしました。さてどうなるでしょうか?

(つづく)

<おまけのひとこと>
 昨日19時から、来年のPTAの役員の候補者選出の会議があったのですが、結局くじ引きで14分の1の確率を引き当ててしまいました。私と、ほかの地区から選ばれた2名の計3名で、非常に大きな役を3つ、分担することになるのだそうです。特に大きな役は、毎月2回、平日の昼間に県庁での会議に出ないといけないとか、年に2回の全国大会にも出ないといけないとか、おどかされています。憂鬱です。






9月4日(火) 黄金比の実験(その2)

 大きな円の中に、小さな円を決まった角度ごとに配置して、大きな円を埋め尽くしてゆくという話を紹介しています。(詳しくは昨日のひとことをご覧下さい。)中学校の夏休みの自由研究に、これを手作業でやってみようということで、角度が135°のときと、角度が137.5°(黄金比から導かれる黄金角にほぼ等しい)のときとでどのくらい差が生ずるかを調べてみることにしました。

 135°の定規と137.5°というのを図示してみました(図1,図2)。いかがでしょうか。斜めの線のぎざぎざの具合を見るとどっちが135°だかわかってしまいますが、この2つの角度で、どの程度差が出てくるでしょうか?

図1:135°  図2:137.5° 

 実際に手作業でやったものは学校に提出してしまったので、簡単なプログラムを書いて、小さい円の中心の座標のリストを出力して、それをExcelでグラフ化してみました。実際には○はもう少し大きくて、互いに接しているはずです。プログラムはC言語で100行くらいです。

図3:135°  図4:137.5° 

 なんだか花火みたいです。手作業でやったものも、雰囲気としてはこんな感じのグラフになりました。135°のほうはほぼ同じ結果でした。で、きれいな分数になるような角度よりも、そうでない角度のほうが○印が分散して大きな円の中にたくさん入ることがわかった、というようなまとめをしていたと思います。(そこは本人に考えてもらいました。)

  この方法は、同心円上に小さい円を配置していって、衝突したら内側の同心円に移動する、という方法をとっているため、ステップ的な動作になります。ですから、きれいな連続性がないのではないか、と想像できます。せっかくプログラムを作ったので、もうすこしいろいろな角度で調べてみることにしました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 なんだか私の自由研究みたいになってしまいました。






9月5日(水) 黄金比の実験(その3)

 大きな円の中に、小さな円を決まった角度ごとに配置して、大きな円を埋め尽くしてゆくという話の3回目です。(詳しくは9月3日のひとことをご覧下さい。)この「決まった角度」というのを少しずつ変えながら、大きな円の中に配置できる小さな円の数がどうなるのか、プログラムを書いて調べてみました。今日はその結果をご覧いただこうと思います。

 黄金比の角度、約137.5°を中心に、135°から140°までを1°刻みで変化させたときの結果です。(昨日の図が大きすぎたので、今日は縮小しています。)

135° 136° 137°
137.5° 
138° 139° 140°

 いかがでしょうか? これらの図を見ていると、黄金比の角度に一番近い、137.5°が一番パターンが見えにくくて、結果として一番小さな円がたくさん入っているように見えます。それ以外のパターンは、同心円上に並んだり、らせん状になっていたりしています。この理由をちょっと考えてみたいと思います。

 135°は360°の8分の3です。8と3は互いに素ですから、円周を8等分したところに小さな円が並びます。同様に、140°は360°の18分の7です。18と7は互いに素ですから、円周を18等分したところに小さな円が並んで、6周した後で18個の円が並ばなくなったところで数が減っています。同じように、136°は360°の45分の17です。45と17は互いに素ですから、大きな円周の一番外側に45個の小さな円が等間隔で並んで、その内側からは45個の円が並ぶ余地がないため、ねじれのパターンができています。

 これを見ていると、黄金比に近い角度のときだけはパターンが生じにくく、小さな円がもっとも多くばらまかれる、という印象を受けます。これは正しいのでしょうか?

(つづく)

<おまけのひとこと>
 このところ忙しくて、毎日職場に14時間くらいいます。通勤で往復で2時間かかるので、自宅にいる時間はその残りの8時間、ということになります。眠いです…。






9月6日(木) 黄金比の実験(その4)

 大きな円の中に、小さな円を決まった角度ごとに配置して、大きな円を埋め尽くしてゆくという話の4回目です。(詳しくは9月3日のひとことをご覧下さい。)この「決まった角度」というのを少しずつ変えながら、大きな円の中に配置できる小さな円の数がどうなるのか、プログラムを書いて調べてみましたので、その結果をグラフにしてみることにしました。

 昨日は、黄金比の角度、約137.5°を中心に、135°,136°,137°,137.5°138°139°140°の7つの例をご覧いただきました。そうしたら、小さな円の個数は、137.5°のところが一番多いように見えました。そこで、この区間を0.1°刻みで円の個数をカウントしてみたのが、次のグラフです。

図1:区間[135,140]、半径の比16

 こうしてみると、必ずしも黄金比のところが単峰性のピークがあるというわけではなさそうです。 そこで今度は、90°から180°まで、0.1°刻みで個数をカウントしてみました。

図2:区間[90,180]、半径の比16

 なかなか面白いグラフです。360°と単純な整数比になる部分が、深くて平坦な谷の構造になっています。典型的なのが120°のところ(360:120=3:1)です。90°のところは4:1、144°のあたりは5:2、108°のあたりは10:3、という具合です。

 これを見ると、小さな円の半径をもっと小さくして、角度の刻み幅をもっと小さくしたらどうなるだろう? と気になります。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 車のエアコンを使う必要がなくなって、燃費がだいぶよくなりました。先週の給油で22.1km/リッターでした。
 毎日忙しいです…






9月7日(金) 黄金比の実験(その5)

 大きな円の中に、小さな円を決まった角度ごとに配置して、大きな円を埋め尽くしてゆくという話の4回目です。(詳しくは9月3日のひとことをご覧下さい。)この「決まった角度」というのを少しずつ変えながら、大きな円の中に配置できる小さな円の数がどうなるのか、プログラムを書いて調べてみまています。この話題は今日で終わりの予定です。

 昨日は、大小の円の半径の比が16のときに、90°から180°まで0.1°刻みで変化させたときに小さな円の数がどう変化するかをプロットしたグラフをご紹介しました。今日は、刻み幅を小さくして、0°から180°まで、0.01°刻みで角度を変化させたグラフをご紹介します。

図1:区間[0,180]、半径の比60

 たいへんきれいなグラフだと思います。データのpoint数は18000点あります。(最近のパソコンは速いので、これを計算するのも数秒です。高速化とか何にも工夫しなくても、思いついたままにちょこちょことプログラムを書けばこんな実験ができてしまって、とても楽しいです。)

 この画像のグラフの部分の幅は約900ピクセルしかありませんから、細かいところはおそらく再現できていません。そこで、昨日と同じく135°から140°の区間を拡大してみました。

図2:区間[135,140]、半径の比60

 今日のグラフでは、この区間にデータが500点あります。谷底が平坦な谷が並んでいて、その谷が深いほど幅が広く、狭いほうが谷と谷の距離が近い、しかもある程度深さが単調に変化しているという非常に美しい構造が見えます。

 昨日も書きましたが、このグラフは横軸の角度の値と円周360°との比が簡単な整数で表せるほど谷が深くて広い、というものになっています。当初この実験を考えたときに想像していたのとは違ったイメージのグラフになりましたが、やってみて「なるほど!」と思いましたし、とても楽しかったです。

 この後で、さらに角度の分解能をあげて0.001°刻みにして、半径の比も100とか160とかにしてみて…という実験もやってみたのですが(ここまでやると計算にも時間がかかるようになってきます)、ちょっとやりすぎですし、広い区間は調べられなかったので、このシリーズのご紹介は今日で終わりです。

<おまけのひとこと>
 台風ですね。実家のほうが心配です。今日は峠を越えるので、まだ余裕があったのですが昨夜帰宅途中で給油しました。前回の給油からの走行距離が444.7kmで、19.7リッター入りました。ということで今回の燃費は22.5km/リッター、満足です。






9月8日(土) 銀河工房

 昨日、色彩情報シンポジウム in 長野というシンポジウムを聞きに行きました。企業展示のところに、銀河工房が出ていて感心しました。 ここの積み木のおもちゃは昔から好きです。お勧めです。 (ただ、今ホームページを検索して見に行ってみたら、パズルの答がそのまま画像になってしまっているのはいかがなものかと思いましたが・・・)

<おまけのひとこと>
 台風のあと、またかなり暑いですね。






9月9日(日) 空間充填体

 「多面体木工」中川さんのサイトに、立方体・切頂8面体・菱形12面体を統一する空間充填立体というページがあります。とても面白いですね。

<おまけのひとこと>
 今朝は地域の防災訓練がありました。






9月10日(月) SPACE TUNNEL NECKLACE

 岐阜物理サークルの例会の記録を楽しみに拝見しています。第245回サークル例会ページの3つめのトピックス「平べったいのに、ぐんと奥行きが!」というところで紹介されているおもちゃが面白そうだなと思っていました。

 先日、近所のおもちゃ屋さんにこの製品があったので、喜んで買ってきました。

SPACE TUNNEL NECKLACE

 購入価格は367円でした。単純ですがきれいで面白いです。満足しました。店頭のディスプレイ付近には、これがどんな商品なのか何も説明もなく、サンプルのデモ機も電池が切れているようで、これではおそらく何の商品なのかわからないので誰も買わないのでは、と心配になりました。

<おまけのひとこと>
 先週はすさまじく忙しかったですが、今週・来週も引き続き忙しいです。






9月11日(火) ひねもすあそび

 ひねもすあそびというblogを教えていただきました。空間充填というカテゴリとか、ほかにも面白そうなものがたくさん紹介されています。まだ全部読んでいませんが、お勧めです。

<おまけのひとこと>
 今日は本当に「ひとこと」です。






9月12日(水) 角の二等分と格子点(その1)

 先日、以下のような図を描いていたら、ちょっと面白いことに気がつきました。今日はそれをご紹介しようと思います。

図 1

 図2で、点A(4,3)を考えます。原点OとAを結ぶ直線とx軸とがなす角を二等分する線を考えます。

図 2

 この線(図2の青い線)は、点B(3,1)という格子点を通るのです。

 次に、図3のようにC(12,5)という格子点を考えて、線分OCとx軸がなす角を二等分した角を考えると、その線は、点D(5,1) という格子点を通るのです。

図 3

 これ、ちょっと面白いと思いませんか?

(つづく)

<おまけのひとこと>
 「何が面白いか」を説明しようかと思ったのですが、それはつまり、この話の何が当たり前で何が不思議なのか(珍しいのか)を述べることになってしまうので、今日のところはそこまでは書かないことにします。






9月13日(木) 角の二等分と格子点(その2)

 昨日、(4,3)とか(12,5)という格子点と原点を結ぶ線分とx軸とがなす角(これを「格子点がなす角」と呼ぶことにします)を二等分する線が格子点を通る、という例をご紹介しました。これは一般的でしょうか? 言い換えると、 任意の格子点がなす角の二等分線は格子点を通るか? という命題は正しいでしょうか?

 逆に、任意の格子点がなす角を二倍した線は格子点を通るでしょうか?

 例えば、格子点(1,1)がなす角は45°です。これを2倍した90°はy軸そのものですから、もちろん格子点を通ります。半分の22.5°のほうはどうでしょうか? 計算してみましょう。 三角関数の半角公式、というのを使います。

 というわけで、22.5°の正接は√2-1 となって、有理数にはなりません。ということは、傾き22.5°の直線上の点のxとyの比が無理数、ということですから、どこまで辿っても格子点を通らない、ということになります。

 つまり、任意の格子点がなす角の二等分線は格子点を通るとは限らない、のです。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 今年は公私ともに様々な試練にあっている気がします。今月に入ってさらにきつくなっている気がしますが、がんばろうと思います。






9月14日(金) ハナヤマ キャストパズル ループ その後

 先月、8月30日のひとことで、ハナヤマのキャストパズルの新製品のLoop をご紹介しました。これがとても気に入ったので、先日、もう1つ買って、身内にちょっとしたプレゼントにしました。

 つい先日、その後の様子を尋ねたら、まだ解けないということでした。おかしいな、このパズルが解けないような人のはずはないのに、と思って現物を見せてもらったら、驚いたことにマグネットの極性が間違っていて、正しい手順で組むと、磁石が反発してしまって完成型にならないのです。愕然としてしまいました。

 話をきくと、正しく組めそうな手順は難なく気がついたのだけれども、磁石が反発してしまってリングの形に落ち着いてくれない。これは何か別に仕掛けがあるのだろうと思っていろいろやってみたけれどもわからない。仕方がないから放ってある、と言われました。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

 私はハナヤマのキャストパズルはすばらしい製品だと思っています。そして、答を同封していないという姿勢にも賛同しています。しかし、だからこそこのような「初期不良」は極めて罪が重いと思うのです。なぜなら、パズルが解けなかったとき、自分が解き方をまだ見つけられないせいで解けないのか、それとも製品の初期不良で解けないのか、パズルの仕掛けがわからなければ判断できないためです。一生懸命解こうとして悩んだ挙句、単にそれが初期不良でたまたま原理的に解けないものであることがわかったら、とても腹立たしいと思います。

 このパズルの美しさを楽しんで欲しくてプレゼントしたのに、初期不良で悩ませてしまって、たいへん不本意でした。

 先日、メーカーのサポート電話に上記の話を伝えました。確認済みの代替品を送ってもらえるとのこと、返信用封筒が入っているので初期不良品を返送して欲しいとのことでした。12日に代替品が送られてきたそうで、「あっけないほど簡単に組めた」との連絡をもらいました。

 パズルを製作・販売していらっしゃる皆様、美しい/興味深い/感動的な/エキサイティングなパズルを世に送り出していただいて本当に感謝しています。お願いですからこういった「初期不良で解けない」といったことのないようにしていただけたら、と思います。私もメーカーに勤めておりますので、限られたコストの中で不良品をゼロにすることが簡単ではないことはよく承知しております。でも、こういったことがあると、そのパズルの美しさ・すばらしさが伝わらないのみならず、パズルというものを嫌う人を確実に増やしてしまうと思うのです。

 …というような話をサポート電話の方にお話させていただいたのですが、ちゃんと伝わっているといいなと思います。

<おまけのひとこと>
 今日は図を用意している時間がなくて、テキストだけの更新です。






9月15日(土) 運動会

 子供の小学校の運動会がありました。親子競技で「竹引き」というのに出ました。私の子供の学年は1クラスしかなくて、40人弱です。つまり約40組の親子が赤白2チームに分かれて対戦します。グラウンドの中央に竹ざおが11本置かれていて、赤白それぞれの陣地からスタートの合図とともにとりに行って、自分の陣地に引き込んだ竹ざおの数が多いほうが勝ち、というゲームです。1回戦は子供のみ、2回戦は大人のみ、3回戦は大人と子供の両方が参加します。

 1回戦、2回戦は1チーム20人弱なので、竹ざお1本あたり2人弱、ということになります。相手の陣地に入ってしまったものはさっさとあきらめて、まだ取り合いをしているところに援護に回ることになります。おそらく、最初から「この6本」と作戦を立てたり、全体を見て的確に指示を出せればかなり有利になるのだろうなと思いつつ、即席のチームですからそれぞれが勝手に局所最適な行動を取ることになります。

 私たちは白組でした。まず、1回戦の子供だけの回は6対5で白の勝ち。2回戦、大人だけの回では、私が最初に取り付いた竹ざおは、結局最後までどちらの陣地にも引き込まれることなく、勝負がついた竹ざおから両側にどんどん応援の人がついて、動けなくなりました。(その真ん中にいたので大変でした。)結局2回戦は5対5の引き分け。3回戦の大人・子供全員参加の回では、まず最初に取り付いた竹ざおは、こちらは大人一人(私だけ)だったところ、相手はお父さんが二人で、これはかないませんでした。相手の陣地まで引きずられていきました。さっさとあきらめて別の竹ざおに応援に行くべきか、一瞬迷ったのですが、どうせ1本負けるにせよ、ここで私が全力で抵抗している間は相手のお父さん二人を足止めできるのだから、と思ってがんばることにしました。相手の陣地に入ったところで次の竹ざおに応援に入りましたが、同じ竹ざおに、今まで戦っていた相手方の二人がやはり応援に入ったので、これはまずいと思いました。結局この竹ざおも相手陣地に引き込まれて、そこで試合終了でした。個人的にはこの3回戦は「2敗」でしたが、チームとしては3回戦は6対5で勝っていました。

 というわけで3回戦全体で2勝1分で、勝ててほっとしました。このゲーム、シンプルなモデルを考えて戦略を分析してみたら面白そうだな、と思いました。

<おまけのひとこと>
 日ごろ激しい運動をしていないのに突然こんなことをすると、かなり長いこと呼吸が戻りませんでした。その点子供たちはすぐに復活して偉いです。引きずられてひざなどに擦り傷をこしらえた人が子供にも大人にも何人もいました。ゲームとしては単純で面白いのですが、いやなかなか危険です。つい夢中になってしまいますし。






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