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木工正十二面体をCGで

 積み木インテリアギャラリーいたち丸というページがあります。このページの中川さんという方が、木工の技術を用いて、正多面体や準正多面体を作っておられます。こちらの多面体木工法のページの中に、それぞれの多面体の製作の写真が載っていて、大変おもしろいのです。

 注:以前、あそびのコラム31で、吉本キューブを編む方法を考案された中川さんという方をご紹介しましたけれども、この中川さんは別の方です。

 特に美しいと思われるのが、正十二面体を立方体から切り出す方法です。たった一種類の「定規」で、立方体の12の稜を切り落としてゆくと、正十二面体が現れるというのです。

写真 1

 残念ながら私にはこれを作る技術と道具がないので、途中経過をCGにしてみようと思いました。本物を手にとって見る魅力にはもちろんかないませんが・・・

 まず最初に、元になる立方体です。三方から光を当てて、影を作っています。この影の形で、それぞれの方向から見た形がわかるようにしています。

図 0

 最初に図0の立方体の縦方向の4つの稜を切り落とします(図1〜図4)。奥側と右側の壁の影は変わりませんが、床の影のかたちが変わってゆくのをご覧ください。

図 1 図 2 図 3 図 4

 このようにして六角柱ができます(図4)。ここまでは、切り捨てられた部分は三角柱で、新しく生まれた面は長方形です。 続いて、手前から奥の方向の4つの稜を切り落とします。奥の壁の徐々に変わってゆくのをご覧ください。図1〜図4の床の影と、図5〜図8の奥の壁の影が、向きは違いますが同じ形になっています。

図 5 図 6 図 7 図 8

 図5から図8では、切り落とされてできる面は等脚台形です。切り捨てられる部分は、当脚台形を底面とした寄棟の屋根のような形になります。図5〜図8のいずれも同じ形が切り捨てられます。 図8で出来上がった形は、寄棟屋根を2つ張り合わせて長いほうの縁を切り落としたようなかたちです。右側の壁の影はあいかわらず最初の正方形のままです。

 最後に、図の左右方向の稜だった部分4箇所を切り落とします。これまでと同様に、右側の影が徐々に六角形に変わってゆく様子をご覧ください。

図 9 図 10 図 11 図 12

 図9〜図12で切り落とされてできる面で、ようやく正五角形が現れ始めます。図9で1個、図10で4個、図11で7個、そして最後に図12で12個の正五角形ができます。 また図9〜図12で切り捨てられる形は、底面が正五角形で、側面には三角形が2枚、四角形が2枚、そしてホームベース型の五角形が1枚が屋根のようにかかっている形になります。

 最後に、もとの立方体を半透明のガラスのような素材であらわしてみました(図13)。

図 13

 図1〜図12で切り落とされた立体は、3種類×4個で12個あります。完成した正十二面体と、切り落とされた12片のピースをちょうどぴったり納まる透明な箱に入れられるようにしたら、ちょっとしたパズルにならないでしょうか。 パズルとしては易しすぎるかもしれませんけれども、きちっきちっと納まってゆくのはさぞかし気持ちがよいのではないかと思います。


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2005.01.23 hhase