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9月20日〜26日 <念願の裏銀座を歩く、そして赤牛岳へ>

<5日目>水晶小屋〜水晶岳(2,977m)〜赤牛岳(2,864m) ピストン       (水晶小屋泊)
5日目の朝、4時前はまだ満天の星空だった。
食事前の5時10分頃から、前日夕日を見た丘に登り朝日を待つ。
前日の朝、雨になる前に一瞬だけ富士山が見えた。
その富士山がきれいに見えていた。
富士山の左は常念岳、大天井岳。
日が昇り始めたのは5時半ちょっと過ぎ。
朝食ができていたが遅れて行くことにして(勝手に)、しっかり朝日を堪能した。
朝日は浅間山の左から昇った。
水晶岳にも陽が差した。
そしていよいよ今日は水晶岳から赤牛岳へ・・・
ゆっくり朝食をいただき、出発前はコーヒーをお願いし、
更にゆっくり仕度をして、さぁ出発。
1日待った甲斐あって、見事なまでの快晴の朝だった。
赤牛岳までの稜線とその先には五色ケ原〜雄山がくっきり見えている。
歩くの気持ち良さそう。
登山道は以前は小屋前からあったようだが、今は小屋の裏手の丘から登るようになっている。
その丘から黒部五郎岳から雲ノ平を望むが、ため息が出る。
鷲羽岳、奥に尖った笠ヶ岳

鷲羽岳方向
展望を楽しんで楽しんで、結局出発できたのは7時だった。
これ以上遅い人はいなかった。
最初に登った時は岩場がずいぶん大変だった気がしたが、今回は比較的楽に登れ、30分ちょっとで山頂到着。
山頂近く
水晶岳の山頂は狭いが、展望は360度。
逆光になっていたが、表銀座の山並みが良く見える。
さぁ、これから初歩きとなる赤牛岳へ向かってGO!
ちょっと先にこの日奥黒部ヒュッテまで下りる2人が歩いているのが見えた。
水晶岳から先はちょっとだけガレ場になっていてそこを過ぎると二重山稜の山並みになる。

温泉沢ノ頭にて OnMouse で赤牛に近づく
1時間近くかけて温泉沢ノ頭に到着。
ここを左に下ると高天原温泉のお風呂。
ここもいつか下ってみたい。が、ガレ場の大変な道らしい・・・
この分岐から赤牛岳山頂まではコースタイムで2時間。ガレ場もなく気持ちよく歩ける道になる。
山頂に近づくと黒部湖が良く見えて来た。
読売新道を下ると最後にこの黒部湖の左岸を歩くことになる。
アップダウンがありきついらしい。

山頂にて OnMouse で裏銀座の山並みを見る

山頂からは今回の山行の出発点となった烏帽子岳から裏銀座の山並みが目の前に見える。ぐるっと歩いて来たんだなぁぁ。
烏帽子小屋の青い屋根が肉眼ではわかった。
山頂でお昼にし、1時間ほど休んで来た道を戻ることにした。

水晶小屋から真砂岳への稜線
 OnMouseで翌日↓の場所から見下ろす
午後になると雲が沸いてきていた。
この稜線を歩き一番奥に見える水晶岳まで戻る。

水晶岳への登り返し
ゆっくりして小屋に戻ったのは3時半だった。
前日うちと同じく停滞した単独の男性もちょうど同じ時間についていた。
この男性は赤牛岳の山頂に早く着いたので、読売新道を少し下ってみたらしかった。
3泊目となる3人がちょうど揃ったためか、小屋の奥さんから焼きたてのパンとコーヒーのサービスがあった。
パンはもっちりとしてとても食べ応えがあった。その心配り、プラス、なんとビールが届いていてうれしさ倍増。
天気が良かったので、三俣山荘にヘリが飛んでビールが届けられ、そこからこの水晶小屋まで運んでいただけたらしい。(水晶小屋、三俣山荘、雲ノ平山荘は同じ経営)
と言っても小屋の営業が9月25日の宿泊が最後となるため、運ばれた量はそれほどなく、1人1本限定の販売だった。ビールの後、湯飲みの焼酎を飲み一日を振り返った。
食事前から周囲はガスに包まれてしまっていたが、食事後外に出てみたら雲ノ平だけ光が差していた。一瞬のことだったが、感動的だった。ガスのせいで外に出て来る人は誰もいなかったが、3泊目の男性だけはすでに外にいて、3人で感動を共有した。
この日の宿泊は予約は一人だと聞いていたが、20人はいた。明日も天気は良いだろうが、下らなくてはいけないと思うと寂しい気持ちになった。
<6日目>  水晶小屋〜東沢乗越〜南真砂岳(2,713m)〜湯股岳(2,378m)〜湯股 (晴嵐荘泊)

浅間山 OnMouseで富士山、南アルプス、槍ケ岳
6日目の朝、きれいな朝焼けが待っていた。
4時前に満天の星空を見て前日よりちょっと遅めの5時20分頃朝日を見に丘に行った。
まず目に飛び込んだのは噴煙が真っ直ぐに上がっている浅間山。風がないことがわかる。そして常念岳、富士山〜南アルプス、槍ケ岳。
湯俣まで下る日だったので、山の上で迎える朝は最後になる。雨で停滞があったものの、最後まで素晴らしい景色が広がり、今回の山行は恵まれていた。

日の出直前はこんな雲が水晶岳を彩っていた
「今日の南岳小屋」の9月25日にもこの雲が登場。
5時35分から日が昇り始めた。
この後小屋に戻り朝食を取り出発の準備。
昨日この稜線を往復したんだなぁぁ・・・
今日もきれいだね。
出発前にもう一度裏手の丘に登り、360度の展望の見納め。
何度見ても飽きることはない。
小屋へ戻り、お世話になったお礼を言って出発。
3泊もしたので最後はちょっとほろりとしてしまった。それだけ、素敵な小屋だった。
新築後まだ3年、心のこもったこの小屋がこの先50年、100年と続いて行く事を願いたい。
私たち以外の宿泊者は全て出発した後だったので、こんな形で見送っていただけた。
左が赤ちゃんを抱いたご主人、中央が奥様、右が従業員のお姉さん(いろいろ手作りしている人です、かわいらしいね)、またいつの日か泊まりに来たいし、茅野に来られた時にお会いしたい。
もう1人いた従業員のお兄さんは登場せず、残念。
本当に素敵な小屋で、素敵な方々だった。ありがとうございました。
竹村新道への分岐までは4日前に歩いたコースを戻ることになる。この4日間で紅葉がずいぶん進んだようだった。
 
水晶小屋を中心に、左:鷲羽岳、右:水晶岳を展望
そして竹村新道へ。
分岐からちょっと登って行く。
南真砂岳でお昼にした。
この後の道が予想以上の紅葉で素晴らしかった。
下って来た道と、野口五郎岳から続く裏銀座の山並み。
これまで裏銀座の山並みを見て歩いて来たが、途中からは表銀座の山並みを見て下るようになる。しかも、紅葉のトンネル。意外と低いところまできれいに紅葉していた。
基本は下る一方で多少のアップダウンがあるのみ。湯俣岳で最後になる槍ヶ岳の眺望。そこからは下るのみ。
湯俣温泉に着く直前の尾根で、噴湯丘を見下ろし、一気に下り、湯俣温泉「晴嵐荘」到着。
受付後、さっそく河原の温泉へ。
途中の吊り橋が一部壊れているので、自己責任において行ってくださいとのこと。10分くらい歩いて河原の温泉に到着。手を入れると、熱い。。。
適当な温度の場所を見つけてから、噴湯丘を見に行った。
山荘でスコップを借りて掘るつもりで行ったけれど、手頃な湯船がいくつかあったので掘る手間が省けた。掘っていたんじゃ日が暮れてしまったかもしれないので良かった。
噴湯丘
そして待望の露天風呂へ。
ちょっと離れたところに3人ほどいたので、まずはペーターが入る。
その3人がいなくなったところで私も入った。
気持ちよかった。水晶小屋から一日で高瀬ダムまで行けないことはないが、タクシーの時間を気にして歩くのいやだし、せっかくのチャンスだからゆっくりと過ごす・・・
がペーターの信念。このお風呂のためだけに歩いて来ることはないだろうからね・・・
ここには結局1時間半ほどいた。
小屋に戻りまもなくで夕飯。宿泊は4人だけで、同じテーブルでの食事だったのでいろいろ話した。
お二人で静岡からこの温泉に入りに来られていて、数年前に来た時はこのような白濁色ではなく、エメラルドグリーンだかエメラルドブルーだかだったらしい。初めてだとこれが普通だと思うが、違うときもあるんだなぁぁ。
<7日目>  湯股〜高瀬ダム湖沿いに歩き〜高瀬ダム、(タクシーで七倉へ戻る)
最終日は晴嵐荘から高瀬ダムまで、2時間半の平地歩き。
7時に出発。
上空はガスっていた。ガスの上は晴れているのだろうか・・・
高瀬ダムへの道は単調な河原の道かと思っていたが、なんとなんと、緑のトンネルで、とても気持ちの良い道だった。
2時間ほど歩くと6日前に歩いた高瀬ダムの対岸が見えた。見えてからが長いが予定通りの時間でダムに到着。
待っていても来そうになかったので公衆電話でタクシーを呼び、七倉へ戻った。
土曜日になっていたので、駐車場にはかなりの車が泊まっていて、当初心配したうちの車だけぽつんと・・・ってことはなかったが、これが木曜日や金曜日だったらぽつんとしていたことだろうと思う。
すぐに車に乗り、自宅への到着はちょうど12時だった。

さいごに
今回の連休はラッキーなことに快晴から始まり、途中雨もあったものの、快晴で終わり恵まれていた。
やっと念願だった快晴の裏銀座を歩くことができたことに加えて、高天原、湯股の温泉にも入ることができ、満足度200%。
北アルプスであと行きたいのは、仙人池と仙人池ヒュッテに泊まること、船窪岳〜烏帽子岳、白馬鑓ケ岳から天狗の大下りを通って唐松岳、更に五龍岳〜鹿島槍ケ岳、夢は尽きない。

長々と読んでくださってありがとう。

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