総面積約82万u(我が家の410倍の広さ)のハグレー公園内にある、ローズ・ガーデンと
ベジタブル・ガーデン、そして、ハグレー公園の北西に隣接する20世紀初頭に個人の邸宅として
建てられたモナ・ヴェイルの5.5万u(我が家の28倍の広さ)にも及ぶ敷地のお庭の紹介です。
ハグレー公園第二弾です。前回のヘリテージ・ローズ・ガーデンとは違って、ここはハイブリッド・ティー・ローズやフロリバンダを中心とした現代バラによるローズ・ガーデンです。一つひとつの区画はきちっと刈り込まれた柘植(ツゲ)で縁取りされ、このローズ・ガーデンの周りは高さ3m位の、これまた綺麗に整えられた、生きた緑の塀で囲まれています。こんな素敵なローズ・ガーデンが公園の中にあり、自由にいつでも好きな時に訪れることができるなんて...。クライストチャーチに住む人達はなんて幸せなんでしょう。
咲き誇る薔薇達。我が家には殆どない、剣弁咲きの薔薇達。真夏でもジャンパーが必要なくらい涼しい(肌寒い)日がある気候のここクライストチャーチでは、きっと薔薇達は春から秋までずっと咲き続けるのでしょうね。

しかし、自由に人が入れる公園なのに、手入れの良いこと。カメラマンが感動して言っていましたが、病気の薔薇なんて、殆どありませんでした。
ウッドとアイアンでできた頑丈そうなアーチにからまり、自由奔放に咲き誇る薔薇と、きちんと刈り込まれた柘植(ツゲ)のコントラスト。区画ごと囲んでいる柘植のエッジとは別に、ところどころに、まあるく刈り込まれたちょっと大きな柘植の木が植えてあったり、石で造られたコンテナが置かれていたり...。主役の薔薇たちをひきたてる脇役たちのさりげない演出が心憎いローズ・ガーデンでした。
これはフロリバンダ・ローズの Hot Chocolate:ホットチョコレート という薔薇です。どうも私は、この手のブラウンカラーに弱くていけません。今年も、カタログで Hot Cocoa:ホット・ココアという薔薇を見て、すぐに注文してしまいました。ブラック・ティー、ホット・ココアとくれば、次はホット・チョコレートも欲しいなー。どこかで売っていないでしょうか? このほかにも、Brown Velvet:ブラウン・ヴェルヴェット という ブラウン・カラーの薔薇もありました。このホット・チョコレート、写真ではちょっと赤みが強く出ていますが、実物はもう少し落ち着いたチョコレート・ブラウンの色で、たくさん花をつけている元気そうな薔薇でした。
ここもやはり公園内にあるベジタブルガーデンです。写真のアーチにはなんと洋ナシが這わせてありました。小さいけれど、ちゃんと可愛い洋ナシの形をした実がたくさんなっていました。二つ目のアーチの辺りには、りんごのエスパリエ仕立て(腰の高さ位)があったり、オベリスクで背の高くなる植物(ハーブたち)をまとめていたり、ここも見どころ満載でした。ちゃんと堆肥を作るコーナーもあったりして、どこかからセンスのよいベジタブル・ガーデンをもってきてしまった、そんな雰囲気の素敵な場所でした。真っ直ぐな道の両側に小さく区切った区画があったり、レイズド・ベットにしてあったり、色々な野菜が植えてありました。
ベジタブル・ガーデンの中ほどにある、堆肥コーナーのところから、上の写真の洋ナシのアーチを反対側から見たところです。右手にはスィートピーがわさわさ茂リ、左手には長く伸びる種類のナスタチュームがもさもさ茂っています。花もハーブも野菜もみんな一緒に、とてもにぎやかに楽しそうなハーモニーを奏でていました。しかし、ここの野菜、誰が食べているんでしょ?このベジタブル・ガーデンのすぐ隣りにはレストランがあって、もしかして、ちょっとサラダの彩りにナスタチュームを、あるいはサニー・レタスを、なんていって食べちゃっているのではないかととても気になりました。
さて、ハグレー公園の植物園から、とことこ1kmちょっと歩いて公園を出た所に、モナ・ヴェイルという庭園があります。5.5ha程の広さのある個人の邸宅と庭園で、現在は一般に開放されているものです。地元の人々には、結婚式場としてもとても人気の高い場所だそうで、訪れた日もレストランの入り口に"宴会中"と日本語で書かれた看板が出ていました。そんなわけで、中の邸宅の方は見られませんでしたが、広々とした美しい芝がどこまでも続き、ここにもエイヴォン川が流れていて、とても自然になじんでいました。川までここのものなのかしら・・・といった感じです。手入れの行き届いた芝生の美しさ、周りの建物と木々とのコントラスト、こんなのをずーっと見て育てば、そりゃ皆さんセンス良くなりますね。ちなみに、ここもいつでも自由に見られます。
モナ・ヴェイルの芝生の周りの植栽です。一風変わったアラビア風のガゼボが建っていますが、これも周りの景色と自然に調和しています。割と最近建てられたものだと、ガゼボの内部に書いてありました。

紫、赤、青、黄色の花々が混ざっているんですが、黄色の分量が抑えられているせいでしょうか、とても落ち着いた雰囲気です。カメラマンは、いたく気に入った様子で、なかなかお庭から出てきませんでした。
芝生の反対側のエリアには、ウォーター・ガーデンが。そしてロベリアとディジーの道を通って、整形式のローズ・ガーデンへと続きます。ウォーター・ガーデンの池は、写真ではわかりにくいですが、睡蓮で水面が見えないほどでした。その水面が見えないほどぎっしり詰まった睡蓮をの池の中を、鴨が泳ぎずらそうに、でもめげずに健気に泳いでいたのが愛らしかったです。
Garden Tour Report  No.3
New Zealand Christchurch
「ローズガーデン・むとう」