No.2では、クライストチャーチの市街地西方にある、壮大なハグレー公園を紹介します。
短い旅行中に3度も訪れた、それはそれは素晴らしい公園であり、お庭であり、植物園でした。
公園の中に、様々なガーデンがあります。
壮大な公園の一角にある、ヘリテージ・ローズ・ガーデンです。ヘリテージとは、伝統的なとか歴史上価値のあるという意味です。その名の通り、オールド・ローズを中心とした薔薇園でした。1月のニュージーランドは日本の7月に相当する真夏なので、一季咲きの多いオールド・ローズは盛りを過ぎて、花は極端に少なかったのですが、様々な宿根草が一緒に植えてあり、花の終ったあとをどう演出するかなど、参考になることばかりした。ローズヒップも多くついていて、これ程色々なヒップを一度に見たことのなかった私は、花はなくても十分エキサイティングしました。可愛いヒップをつける薔薇の名前が知りたくて、蜘蛛の巣や薔薇の棘にもめげず、薔薇の下にもぐって、名札をチェックしてきました。とても魅力的なところなので、3日間通いつめてしまいました。何せ夜10時近くまで明るいので、一日の充実度がとても高いのです。
ここもヘリテージ・ローズ・ガーデンです。上の写真の場所が中央に円形に造られた花壇で、真ん中に円を横断する砂利の道が作られています。この写真は円形花壇を取り囲むようにしつらえてある扇形の花壇です。とても頑丈そうな三角柱や三角錐のオベリスク風のオーナメントがいくつも立っていて、立体的な高さと変化を演出しています。植えられたばかりといった柘植(ツゲ)がかわいい。やっぱり、我が家の庭にも、柘植のエッジが欲しいなー。
最初にこのヘリテージ・ローズ・ガーデンを訪れた時、3,4人のガーデナーたちが、咲き終わった花の花がらを摘んだり、草取りをしていました。公園の中の、しかも自由に入れる植物園に、いったい何人のガーデナーがいるのでしょうか。ここ以外にも芝刈り機を運転して庭を整備している人がいたり、丹念に草取りをしている人がいたり、お庭の説明をしている人達に何人も出会いました。やはり、このくらい手をかけてこそ、公園の美しさが保たれ、地域の人達の意識も高まっていくってものでしょうね。でも、政府からは何も援助がないとか。そういう状況下であるにもかかわらず、このお庭、こと植物園を守ろうとしているガーデナーさん達の熱心さ、愛情が伝わって来そうな気がしませんか?
総面積82万u(!)もあるハグレー公園。その中をゆっくりと流れるエイヴォン川。この街を訪れた観光客が観光客パンティング(ゴンドラに乗って川下り、そういえば川を上っているゴンドラも見ました。)を楽しんでいたり、カヌーやボートをこいでいたり、人々がゆっくりと休日を楽しんでいました。鴨や水鳥もたくさんいて、岸辺には絵になるベンチもあったりして、本当に素敵な所です。また、川辺に植えてある木々も色や形がバリエーションに富んでいて、公園以外の川沿いにも花壇やベンチで演出してあります。それにしてもニュージーランドの木は柳にしても菩提樹にしてもポプラにしてもパインにしても、どうしてこう大きいものばかりなんでしょう。
植物園の入り口近くの花壇です。ロベリア、スイートアリッサム、アゲラタム、カンナ、サルビアなどなど、日本でもおなじみのものばかりでしたが、夏でも涼しいクライストチャーチでは、日本でいえば夏の花も春の花もみんな仲良く一緒に咲いています。紫と朱色にライム・グリーンが映えてなかなか素敵な配色ですが、やはり、素敵に見せている大きな要因は周りのキチンと整備された芝生ですね。こうした色とりどりの花壇やお庭は、本国イギリスとはちょっと趣を異にするニュージーランドのガーデンの特徴だと思います。
またまた、エイヴォン川です。でも紫色の葉っぱ(これも銅葉かな?)が素敵でしょ? どこをとっても絵になるのがハグレー公園とその周辺です。どこぞの国とは違って、危ないからとかいって、川をコンクリートなんかで固めていませんからね、ここは。下に写っているこの水鳥、キャーキャー鳴いて、なかなか狡猾な鳥でした。クライストチャーチの町中どこにでもいました。公園でパンをかじっていたりすると、どこからともなく近寄ってくるんです。人間との距離は2mくらいを保っていたでしょうか。目の赤い、かもめのような、ちょっと可愛げに欠けた鳥でした。
柘植で囲まれたロング・ボーダーです。その長さは100mくらいはあったでしょうか。様々な植物が咲き誇り、元気いっぱいに大きく育っていました。ここでも、1つの植物は集団で植えてあり(一つが大きく育っているのかも知れませんが)、迫力がありました。ボーダーの色彩感覚って芸術的なセンスが要求されると思うんです。無秩序の秩序と言いますか、これもセンス以外の何ものでもありません。このボーダーの手入れをする人が、ボーダーの裏手に置いていた一輪車と、一輪車の上に積まれていた農機具(鍬やスコップなど)が、これまた特徴的で、昔のままの道具をそのまま使っている様子が伺えました。
小さなせせらぎが流れている木々の茂った場所です。黄色いプリムラやギボウシ、グルンネラ、プルモナリアなど、日陰と湿気を好む植物が群生しています。くねくねと曲がった道も景色に変化をつけています。3日目に行った時には、たった今、永遠の愛を誓い合った花嫁と花婿が写真をとっていました。ニュージーランドの1月はウエディング・シーズンなんですね。3組くらいのカップルに、この公園内で出会いました。こんなに素敵な場所ですから、そりゃー写真撮影に使いますよね〜。
公園内の池とオブジェ、かと思ったら、仕掛け噴水でした。池の縁にあるレバーをひいたら、水が噴出して、風力計のような仕掛けのオブジェが水を受けて突然回りはじめたり、楽しい仕掛けが満載でした。この噴水のオブジェは、高さ4mはゆうにあるのですが、それと周りの木々の大きさを比較して下さい。どの木もみんな、♪この〜木何の木、気になる木〜♪ です。
Garden Tour Report  No.2
New Zealand Christchurch
「ローズガーデン・むとう」