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New Zealand Christchurch
一軒目は、ガーデン・コンテストで何度も受賞しているレニーさんのお庭です。綺麗に手入れされた芝生、きちんとエッジが整えられていました。我が家のいい加減なガーデンでも芝生のエッジをきちんと切り、手入れをすると3割増し位に美しく見えるので、芝のあるお庭のポイントは、まず、エッジの美しさでしょう。また、芝生の中にアイランドのように植栽スペースが幾つか設けられていて、そこには腰の高さ程の潅木や草花が植えてあり、庭に奥行きを感じさせてくれます。きっと植物にとっても通気がいいのでは? 欲張って色々植えたい私は、早速まねしようと思っています。空港で買ってきた園芸雑誌に載っていた庭にも多く見られました。ただこれは真ん中ではなく、端の方でみな作られていました。真ん中の広い芝生で広がりを感じさせ、端のアイランドで奥行きを出す、というところでしょうか。
同じくレニーさんの庭です。庭の中央には、家のテラスから続くパーゴラに藤が絡ませてあります。その周りには銅葉とライム・グリーンのもみじなどが植えてありました。石楠花なども多く植えられていて、ちょっと和風な感じもします。そんなに広い庭ではないのですが、この細長く張り出したパーゴラ、そして上の写真のアイランドなどで、とても広さを感じます。庭の奥にはキッチン・ガーデンとガラスの温室があり、その裏で自家製の堆肥を作っていました。花壇の土は有機質に富んだ、ホカホカの土でした。しかし、この日は真夏だというのにジャンパーなしではいられない程の涼しさ(寒さ?)で、異常気象だと現地の人も言っていましたが、そのせいかどうか、夏なのにパンジーも秋明菊も一緒に咲いていました。きっと、夏のボーダー花壇に花が無くて困るなんてことはないのでしょうね。
二軒目です。このお庭も何度も入賞しているお庭です。この写真はエントランスのすぐ脇で、ロック・ガーデン風に多肉植物などを中心に植えてあります。エントランスは薔薇やゼラニウムを中心とした植栽で、ぐるっと庭を一周すると様々なタイプの庭が楽しめるようになっていました。広い芝生のエリアもあるのですが、それ以外の家の周りの狭いエリアに、例えば家の陰になるところにはホクシャやクリスマス・ローズ、そして、家の裏側には川が流れているのですが、そこには水を好むもの、幅3mくらいの川の土手には、ヘア・ピン・カーブのように道が作ってあり、そこにはエスパリエ仕立てのリンゴや、野菜などなどが作られていました。工夫次第で色々できるんだなーと関心させられるお庭でした。
川の土手の前のエリアです。透明なアクリル製の屋根で雨のかからない場所を作り、きれいにハンギング・バスケットをつるしたり並べたりしていました。中には縦に3段つなげたハンギング・バスケットもあり、平面だけでない立体の造形美をかもし出していました。そして、写真の右端に写っているこれ。垂直の雨どいに沿って自然木が立ててあり、そこでエアー・プラントを育てていました! 家を含めたガーデンの景色にそぐわない雨どいをうまく隠すように。エアー・プラントたちも、それはそれは、とても幸せそうに茎を伸ばしていました。でも何よりも感動したのは、画面中央下のこれ。多肉植物の椅子です。金属製の椅子の上に、ハンギング・バスケット用の厚手のシートのような物を敷いて、その上に多肉植物を植えていました。とてもかわいい! これも真似しましょ!
家の前を走る道路に面した芝生のエリアにしつらえられた、満開のセオノーサスを楽しめるシートです。我が家の庭では寒すぎて、庭で地植えにはできませんが、憧れのブルーの花です。この木製ベンチも庭の色々な建造物も、皆ご主人のお手製だそうです。そこは我が家と同じですね。ここは道路からも見えるところにあり、この光景の奥を思わず見たくなるような、計算された美しさを演出しているようでした。庭とは人柄が反映されるもの。このご夫婦が色々アイデアを出し合って、楽しそうに庭作りをしている雰囲気があちこちから伝わってくる、そんなお庭でした。
最後におまけを一つ。これも一枚前の写真と同じ場所につるしてあった、多肉植物のハンギング・ボールです。我が家のハンギング・バスケットはお花ばかりでしたので、このお宅のお庭を見て、すっかり多肉ファンになってしまいました。これもやってみたい。アイディアいただきです。

ちなみに、クライストチャーチの街中にも、ハンギング・バスケットやフラワーコンテナがいくつもありましたが、色使い、バスケットを完全に植物で隠してしまうテクニックは、さすがに本場イギリスの方が上のように感じました。
最後が3軒目。House&Garden Tour だったので、最後の家は、家の中まで見せていただけました。最新の設備や景観を備えた家と、アンティークな家具が対照的で、素敵な家でした。オーナーは過去にいくつか大きな庭を造り、4ヶ月程前に新築したこの家に引っ越されてきたばかりだそうです。年老いた婦人の一人住まいであり、手間が大変なので小さい庭にした、と言ってらっしゃいました。う〜ん、やはり行き着くところは究極の白、ホワイト・ガーデンなんでしょうか。四角い敷地に白い花、屋久島石楠花の新芽の白さも加わって、おしゃれなホワイト・ガーデンでした。反対側の黒い壁にはこれから果樹のエスパリエ仕立てを作っていくそうです。家の裏手にはやはりキッチン・ガーデンがあり、たわわに実ったレモンや、月桂樹まで植えられていました。うらやましい。
このガーデン・ツアーで是非とも訊いてみたかったのが、現地の人々は一体どこでガーデン・グッズを手に入れるのかです。今回訪れた家のほかにも、一戸建ての家(クライストチャーチに住む人の60〜70%の人は一戸建て)は殆どの家が素敵なお庭を作っています。訪れたガーデンのオーナーに伺って、急遽10分間という約束で15分くらい立ち寄らせてもらったガーデン・センターです。この日訪れた庭のオーナーも御用達のお店のようです。時間がなくて、ゆっくり見られませんでした。庭の小物を探したかったのに、残念です。でも我が家のホームページ管理人 兼 カメラマン 兼 建造物担当のパートナーは、こっそり熊ちゃんの置物を買ってきましたよ。またどこかに置くのでしょうね。高さ20cmくらいのものですが、これが結構重かったです。
別名 ガーデン・シティ とも呼ばれる クライストチャーチ の一般家庭のガーデンを紹介します。
日本の某J旅行代理店の主催する現地オプショナルツアーで見てきました。
Garden Tour Report  No.1
「ローズガーデン・むとう」のページ