【 水抜き不要別荘 F・K Home5年目の検証
             建築5年目の経年劣化とは 】


   5. 10年目・20年目のF・K Homeは・・・。

 人も加齢するのと同じで建物も加齢します。どうせ選ぶなら美しく加齢していく建物を選択すべきで、どの様な建物が美しく加齢するのかを見極める事が大切です。
 
   通常は、こまめなメンテナンスと共に日常的な点検が重要となります。ですが、建築工法によって全く加齢による影響や傷みどころも違い個々の建物に見合った点検とメンテナンスが必要になります。

 別荘地内を散歩していると、別荘の使用頻度と比例するかのように使用していない別荘は文字通り朽ち果てる寸前の建物が多いです。

このように建物が傷み始めると極端に別荘自体の輝きも失せ廃屋寸前にまでに至る経過はもの凄く早いです。
    そのような別荘に限ってオーナーさんが別荘を利用している姿を見かけません。傷んだ別荘を見るのはとても辛いことです。
 逆にかなり築年数は経っているのにお庭も含めて別荘を手入れしている建物は古くても綺麗に加齢しています。オーナーさんの努力の結果です。そのようなオーナーさん達はお散歩していると決まって声をかけてくれて、別荘地域全体の雰囲気を大切にしていこうという意気込みが伝わってきます。

 このように別荘地全体にまで環境への影響が現われてしまう個々の別荘の管理は個別的な問題ではないのです。地域全体で地域の環境を守ると言うことは、個々の住まいの環境を守ることから始まります。ですから、オーナーさんの個性にもよりますが、別荘地を管理していくことは管理会社が行うことと同時に自らが行うことの自覚が大切です。
 つまり別荘地の環境を守っていくことは私達自身が主体となって自らが行うことを自覚しなければならないと言うことだと思います。

 ということは、自然と加齢することで美しくなっていく別荘建築が存在したらこんな楽なことはありません。建物には通常はメンテナンスが付き物ですが、10年・20年メンテナンスが必要のない住まいはオーナーさんにとって如何に楽で快適な別荘生活を送れるのかに重大な影響を及ぼします。
 そんな建物が、F・K Home 全天候型非氷点下住宅なのです。
 
 F・K Home工法でもメンテナンスの必要な建築方法もありますが、基本的仕様の総煉瓦貼りの外壁は全くメンテナンスがいりません。洗ったりすると逆に歴史の風合いを損ない建物自身の重量感を損なってしまうそうです。
 
 我が家は建築後5年目になりますが、他の工法の住まいでは建物の外壁を塗り直した話など時々聞きますが、総煉瓦貼りの外壁は全く「変化」を感じません。

 もしかしたら5年の歳月で汚れなど付着しているのでしょうがそれが建物の味となって重量感が増してきています。室内にあっても木目の部材はほんの少し飴色に変色し木目が浮き出てとても良い味が出てきました。
 
 室内壁は予算の関係で全てクロス貼りですが、5年目にしては非常に綺麗です。多分、24時間アルデ換気による室内空調に基づく定期的な空気循環作用が影響しているものと思われます。

 ですから、一ヶ月不在でも別荘の室内に入ると爽やかな空気に解放感が得られるほどで、埃も少ないように感じます。
    ですからクロスの傷みも少なくまだまだ貼り替え時期ではないようで、東京の自宅の傷みの進み具合とあまりにも違うので驚いてしまいます。

 私達は当初5年目の別荘生活がどのような具合になっているのかイメージを抱いていました。それは建物に始まって環境問題や別荘地内での人間関係やガーデニングそして工務店さんとの関係等々です。5年後にはどの様になっているのか全く想像できませんでした。想像しましたが全く違った展開にどんどん引き込まれていくように感じた5年間でした。
 建物は全く安心でした。当初の目標であった水抜き不要住宅としての「実験住宅」は見事な成果で特許を出願するまでにいたり、F・KHome工法として八ヶ岳山麓周辺や軽井沢に第2・第3のF・K Homeが建ちはじめています。

 10年後・20年後がどの様になっているのかF・K Home工法という蒔いた種が育ち、気安く気軽に年間を通して楽しめる別荘が建築されていくのは楽しく嬉しいことです。

 そして、一番驚いた事は別荘生活での人との交流の場が広がったことです。これは全くの想定外でした。
 地域との交流は時たま辛いときもありますが楽しいことが多く、八ヶ岳の生活を充実させてくれます。この関係もあと10年後・20年後経過すると人の交流も変化し人間関係も変化していくでしょうが私達の第2世代の人々が良い面を継承していってくれることを願っています。
 
 一方、一番困っていることは、庭造りです。

 これは難しいです。はっきり言って根気です。
 折角植えた苗は鹿にみんな食べられたり、気候の変化で旨く育たなかったり、残念なのは秋植えした球根が季節によって咲くのが毎年違い、5月のGWを狙って咲かせたいのですがそんなに旨く事はすすみません。

 しかし誰もいない別荘の庭に沢山の球根たちが花を咲かせて住まい全体に輝きを増していてくれると思うと、実際には花々を見ることは出来なくても気持ちはとても明るくなります。
   
 それは、我が家が不在でも、他の別荘在住者の方達がお散歩しているときに偶然我が家の庭を目にしたときに花々が咲いているところを見ることが出来ていると思うと、オーナーとしも嬉しく思うことも多いのです。

 別荘生活での庭造りの楽しさは近所の方たちがお散歩している最中に一声かけてくれて、咲いた多くの花々をほめてくれたときです。これは5年の歳月を経て得られた感性で、自分たちだけが楽しむのではなく地域で楽しむという感覚が芽生えてきたのだと思っています。
 
 このようにして、私達が一年一年年老いていくことのなかで、地域との触れ合いや、F・K Home仕様別荘の加齢していく姿を観ることを通して、如何に別荘生活を豊かにしていくかを楽しんでいけるのかが問われるわけですが、あと5年・10年経ったときにその時の別荘生活の状況を、またこのようなかたちで報告できることを楽しみにしています。

 以上5回に渡って「F・K Home5年目の検証 建築5年目の経年劣化とは」を報告してきましたが、私の経験と体験が皆さんの別荘生活に参考となり、また別荘建築にお役に立てば幸いです。

 最後までお読み頂きありがとうございました。

 では引き続いて、【 建築後13年目の検証−別荘 厳冬地での経年劣化 】をご報告します。