【 F・K Home5年目の検証
            建築5年目の経年劣化とは 】


    4. 在来・ログ・プレハブ工法との違いの実感 

 別荘の建築とは都会の生活からの逃避的な感覚を味わうことの出来る住まいを夢見ることから始まるように感じます。
 折角の別荘なんだから・・・というように、こうしたい!あぁしたい!もしかしたらこんな事も出来るかもしれないと夢は膨らみます。

 そのような夢に描くような別荘とはどの様な工法の住宅がよいのか一概に答えはでません。それはオーナー一人一人の考え方の違い、セカンドハウスに何を求めるのか、別荘生活をどの様に楽しみたいのかによって、自ずと住宅の仕様が決まってきます。
 
 一番夢見がちなのがログハウスです。

 やはり憧れる山小屋風のデンとした重量感のある風合いの住まいです。
 今では様々なタイプのログハウスがあり丸ログ・角ログからハンドメイドのログまで様々です。

 なぜログハウスに憧れるのかは、木の香りと圧倒的な存在感でしょう。都会では経験できない生活様式にはログハウスはよく似合います。
    しかし、その分大変な苦労も味わうことになります。ログハウスは住みながら建築していくようなそんな建物です。はじめから「完成品」のログハウスはありません。日常のメンテナンスがあって建物自身を育てていくのがログハウスの良さなのです。そのことに自覚無く憧れだけでログハウスを求めるのは大きな間違いで、常に業者さんにメンテナンスをお願いし住み心地の良い状態に保たせるのにはそれなりの努力が必要です。  
   中古のログや新築の建て売りのログを沢山見てきましたが、一見するのと建物の中に入ってじっくり見るのとでは大違いです。

 壁の隙間から外が見えたり、数年でログ材の腐食が始まっていたり、虫との共存は当たり前の住環境です。憧れと現実とでは大違いでした。
 ですが、少しずつ住まいを組み立て行くのが好きな方やまめな方にはとても良い住まいなのです。合うか合わないかはオーナーの住まいに対する考え方によります。
 
 築5〜6年が一つの目安かもしれません。こまめにメンテすることでログに磨きが掛かり素敵な住まいに仕上がっていきますが、何も手を加えないともう腐食が始まっていきます。

 ログにはログの住まい方があるということなのです。
   
 一方、在来工法やプレハブ工法の住まいはそれこそピンキリです。
 建築費によって見た目も仕様も違ってきますので一概にはいえませんが、在来工法やプレハブ工法は従来からの建築方法を継承した物が多く山小屋風の別荘はみんな酷似ています。

 主に木造在来工法が多く、最近はお洒落な木造建築が目立ってきました。しかし建築方法が従来と変わらないので、デザイン的に優れていても水回りの露出移管によってそのお洒落なデザイン性は失われてしまっています。
 
 
 なぜ日本の建築技術は向上しないのか不思議でなりません。冬季期間の凍結防止用に巻かれた電熱線は見た目にもよくありませんし、そのメンテナンスも必要になってきます。

 そして、中途半端な高気密・高断熱工法は数年の間に経年劣化を起こしカビ・結露等に悩まされる結果になりがちです。

 特に梅雨時で、別荘へ出かける回数が減ってくると、知人曰く「我が家はカビ屋敷と化 す」と表現するほどひどい状態になるそうです。従って今日までのような建築工法での別荘作りは、経年劣化の進み具合を点検しながら、建築工務店との信頼関係の下に細かなメンテナンス計画を立てなければならず、如何に住みよい住まいを維持していくかを主眼にした経年劣化から家を守る手だてを講ずるこ手段が必要になっています。
 
 
     そして、すべての工法の建築物にいえることですが、工務店さんとのお付き合いは建築以前よりも建築後の方が大切であることを認識することが重要です。決して建ててしまえば関係は終わりになるものではないことを肝に銘じることです。

 そのことは、別荘の販売方法の違いに大きく由来するもので、建て売り別荘などは販売店との関係は築けてもその家を建ててくれた工務店との関係は築けませんし、建築条件付の別荘地を購入した場合など、施主の希望する工法の住宅が建てられない場合も多いのです。
 建物は大なり小なり必ず経年劣化の問題がついて回ります。そんなときに人間関係も含めて「経年劣化」してしまうと別荘の維持管理が行き届かなくなります。

 その点、全天候型非氷点下住宅・F・K Home工法の場合はメンテナンス計画の重要性のもとに工務店さんとの関係も長期に渡って築いていくことが前提となっています。

 以上のように、どのような工法の住宅であれ、自分の住まいを大切にする気持ちが重要で、事前に選んだ工法のメンテナンスの問題について何が必要なのかのほんの少しの知識を持つことで10年・20年と続く別荘生活の楽しさが決定されてきます。建築様式は見た目で判断するのではなく、今は住宅の性能で別荘建築の工法を選択すべきであることを少しだけ認識しておくことが重要なのです。

 では、次回は「 5. 10年目・20年目のF・K Homeは・・・ 」を報告します。