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総門を通り、信玄も登ったと思われる石段を上がると、

開けた平らとなり舞殿が見えてきます。  

さらに石段を登ると武田菱の幕の張られた拝殿に出ます。 

拝殿の脇には、武田家滅亡の約1月前に、勝頼が諏訪に出陣した折に書いた

勝頼夫人の願文の石碑が建っていました。   

今日武田神社の宝物殿で見た、自筆の願文を写したものだそうです。

武田八幡神社本殿(国重要文化財)と若宮八幡神社本殿(県指定文化財)。 

 本殿は信玄が、父信虎を追って甲斐の国主になった時に再建したものだそうで、

室町建築様式のものだそうです。    

神社は嵯峨天皇の勅命により、九州宇佐八幡を迎え、

地神・武田武大神と併祀され武田八幡宮となったのだそうです。 

 さらに清和天皇の時に京都石清水八幡を併祀し、武田八幡神社となったのだそうです。 

 平安末期に勢力を誇った、清和源氏・新羅三郎義光(源義光)

甲斐の守りとして須玉・若神子城に入ったのが、甲斐源氏の始まりだそうです。  

 神社の裏山には、甲斐源氏・逸見源太清光の子・初代武田氏の武田信義の居城・白山城もあったそうです。

 本殿を守る鬼瓦。  左が青鬼、右が赤鬼。

武田八幡神社の方は、最初に訪れた武田神社と違い、大河ドラマの影響も無い様で、

風林火山の旗が神社前の道路に数本立っているだけで、

参拝者も我々マリオ倶楽部のメンバーだけという、とても落ち着いた参拝が出来ました。

最後は神社の前にある、一石百観音の石像を拝んで次の新府城跡へと向かいました。 

 この石像は、一っの石に西国三十三番、東国三十三番、

秩父三十四番の百体の観音様が刻まれたものだそうで、以前、

隆岩山玉保寺にあったものだそうですが、廃寺になったので

明治になってからここに移されたものだそうです。

新府城跡:

 

新府城は武田八幡神社の対岸の、八ヶ岳火山流・韮崎岩屑流の七里岩の上にあります。

  県道17号線を上って行くと左手に新府城へ上る道が見えてきます。  

この道は、史跡保護の為車の通行は出来ません。 

ここでバスを降りて、ちょっと先にある新府藤武神社への石段を登ります。 

 石段は249段あるそうで、石段の苦手な人と、名前の気にいった人は横にある乙女坂を登ります。

石段を上りきった、本丸跡に藤武神社はあります。  

 もともとは稲荷神社だった様ですが、勝頼を悼んで勝頼の霊を祀ったものだそうです。 

神社の左手には舞殿があります。

本丸の北側には、武田勝頼の心霊を納めて祀った石祠があり、

その脇に長篠の戦いで討ち死にした武田将士のお墓の近くの土を持ってきて

埋めた所に名前を書いた棒杭を立ってたものだそうです。

本丸跡で記念撮影。   昭和に建てられた武田氏滅亡400年記念碑。

その後で、横山先生から新府城建築から武田家滅亡までの話をしていただきました。   

城は築城名人の真田昌幸が、約半年の突貫工事で完成させたものだそうです。  

天正912月に勝頼は躑躅ケ崎の館を壊して、新府城に移転、翌天正1023日には、

徳川・北条・織田の連合軍の甲信侵攻作戦に応じて諏訪に出兵

(この時夫人が、武田八幡神社に願文を納めた)

216日織田軍との鳥居峠の戦に敗退、31日に新府城に帰還。  

 翌2日に高遠城の落城に合わせ、真田昌幸の上野・岩櫃城か小山田信茂の大月・岩殿城に

落ちるかを協議、譜代の小山田氏の進めを採って、33日に新府城に火をはなち、

夜には勝沼の大善寺までついたが、小山田氏の謀反にあい、

岩殿城には行けず、天目山に向かい、11日天目山田野の地で自害して果てたのだそうです。 

 わずか400年ほど昔の話です。

武田を滅ぼした信長もその3ケ月後(天正106月には、本能寺で果て、

8月に起きた徳川、北条の戦いでは、家康はこの新府城に本陣を構え、

北条方の挟み撃ちに勝利したそうです。  

翌天正11年になって、家康は再度府中を甲府に移し、一条小山に甲府城の築城を開始したのだそうです。

広い本丸と、二の丸跡。  躑躅ケ崎館の本丸、西の丸と同じ広さがあるそうです。

帰りに立ち寄った韮崎中央公園からの眺め。 

 今日の甲府は富士山も終日くっきりと見え、風も比較的穏やかな一日でした。    

時間があったので、小淵沢で高速を降りて道の駅の信州蔦木宿に立ち寄りました。

信州に入ってからは、天候も一変。  

小雪まじりの春一番を思わせる強風が吹いていました。

信州の方は、一日こんな天気だったのかもしれません。

それでも皆さん、それぞれお土産を確保された様で、風林火山の思い出とともに、十二分に堪能出来た

一日に満足された様でした。

来月は、さらに信玄を追って、信玄が没したとされる地を訪ねる予定とか、

まだまだ風林火山の旅は続きます。

 

 

 

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