バッフル振動スピーカー(通称:シェーカー)
新型シェーカー2号機の発表
1号機と比べバッフルを吊る為の構造を変更しています。 大変シンプルな正面の姿となりました。 しかしながら製作難易度は1号機に比べて優に数十倍は困難となりました。 |
横から後ろに回って構造が見えて来ると なにやら不思議な形が見えて来ます。 |
1枚の板状の脚がエンクロージャーの内部を突き抜けて居ます。 バッフルを吊る支点/バッフルの傾斜角度/ エンクロージャーとの連結構造など全て大きな意味を持ちます。 |
この角度からは構造が良く理解出来ます。 |
正面からのバッフルをはみ出す構造を除きました。 |
全て100%山桜無垢材で製作した作品です。 エンクロージャー部はバスレフ方式です。 |
バッフル共振制御抑制板を取付けた様子。 無垢材の音楽振動による熟成が進むと 好みにより必要になろうかと予測します。 |
バッフル共振制御抑制板を取り外した様子。 無垢材の音楽振動による熟成が進行する迄の5年前後の期間は 好みのより取り外した音色が好まれるかと予測します。 |
この拡大部分だけを見るとスピーカーとは思えない。 まるで何かの特殊な細工物の様です。 ウッドウイルの多くのノウハウが有ったので製作する事が出来ました。 キワモノを狙ったのでは有りません、音を良くしたい、それだけの目的です。 |
ウッドウイルでは標準的に製作する無垢材によるエンクロージャー。 外周に見えるすき間に大きな意味が有ります。 画像正面の背板はエンクロージャー本体に接着されていません。 精密な加工により差し込まれているのです。 生きて収縮を続ける無垢材にストレスを与えない工夫です。 |
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2号機誕生の理由 シェーカースピーカーの詳細、開発目標などは1号機での説明をご覧下さい。 http://www.lcv.ne.jp/~woodwill/Shaker-SP.html この2号機を製作するきっかけは?。 高音質「音楽専門」衛星デジタルラジオ ミュージックバード内の 田中伊佐資さんの「アナログ・サウンド大爆発!〜オレの音ミゾをほじっておくれ」の 番組に招待された事でした。http://musicbird.jp/programs/analog/ 番組収録中は田中伊佐資さんのスピーカー製作の話や、当日持ち込んだ、高校生時代に購入したジャズやボサノバの LPの話が中心でしたが、ウッドウイルの試聴室で見たウイング1号機の事を話して下さった事です。 高忠実度再生を願って制作に励んでいる中で、一風変わった容姿のシェーカースピーカーが目に止まったのでしょう。 その放送を聞かれた常連のリスナーさんから直ぐに問い合わせが来まして、 細部を打ち合わせて製作したのがこの「シェーカー2号機」と言う事です。 1号機との違いは? a.制作者が言うのも何ですが、物干しや衣類を掛ける様な姿をもう少し何とかならないかと? b.全体の大きさを少し小さくしながら特徴的な音色を維持して欲しい。 a.を解決する為には膨大な労力が必要でした。その意味では1号機はもの凄く合理的に出来ていたと嫌と言う程に実感しました。 バッフルとエンクロージャーを連結した構造体を任意の位置と傾斜で自由運動できる様にぶら下げる。 その仮想の位置を想定してエンクロージャーの底面から天面へ傾斜して貫く穴とスタンドから伸びる支柱の構造に寸法。 二次方程式のa,b,cの内、cの未知数を求めるのは容易でも、bとcも未知数で有るかの様で、計算が出来ません。 イラストには描けても実寸の製作図面を書くことが出来無いと言うジレンマに苦しむのでした。 b.の要求でバッフルも小さくする。 1号機で解説していますが、楽器で言う所の「音板」、「共振」、そして「支点」を維持してサイズダウン。 この音板の共振は少しズレると音もズレると言う事は有りません。 大変分かり易いのですが、ズレると共振はゼロになり、消えて無くなります。 その動作を維持出来ても、サイズダウンで共振レベルが下がってはシェーカーの意味が有りません。 音板の形状や板厚に共振増強構造とトライ&エラーで進めます。 既に見積り工数は遥かに超えています、kれだけのコストを要する作品は二度と製作する機会は無いのでは?? そう考えて、出来る事を全て実施してシェーカーの機能を高めて世に出そうと決めました。 当初エンクロージャー部は1号機と同じバーチ合板仕様でしたが、バッフルやスタンドと同じ様に 山桜の無垢材に変更しました。上記の最後の画像にも書いていますが、 無垢材でのエンクロージャー構造は単純に接着して組み立てる構造では有りません。前板と背板は挟み込んで未接着です。 自作された方ならご存じでしょうが、合板では部分的に段階的に組立が可能ですが、無垢材は一気に一度に組み立てる必要が有ります。 a.の問題をクリアーしながら、最後には一発勝負が待っていました。 この様に2号機はシェーカーとして動作する方程式を解きながら、高度な製作技術を要求されると言う作品となりました。 |
音質は 最終的には素晴らしい音質に仕上がりました。 a.13cm同軸ユニットでは再現出来なかったスケール感が有ります。 .良い意味でのバッフルの共振が中低域を豊にしています。 .オーケストラのチェロパートの厚みのある音、何とコントラバスの重厚さも再現します。 b.抜けの良い伸びやかな音色。 小型のバスレフエンクロージャーではストレスを受けているかの様なこじんまりした音になりがちですが、本機は開放的です。 c.小口径ユニットですのでボーカルの音像拡大は有りません。 女性ボーカルもしっとり再現出来ます。 d.100%無垢材によるスピーカーですので艶やかな音色です、硬く冷たい音色ではありません。 e.シェーカー1号機では音質追求と言うよりも、特徴的なバッフル共振を狙った音作りでしたが、 2号機では基本性能も向上した上に特徴的な緊張感の無いリラックスした音色となっています。 f.以上を総合的に評価しますと、ウッドウイルの代表機で有る「ウイング」を超える音質となりました。 基本性能 + 音楽性 + リラックス感 と素晴らしい音質です。 |
仕 様 1.使用ユニット: SEAS社 13cm同軸型 L12RE/XFC H1602 ハイエンド機へのユニット供給メーカー 2.構造: エンクロージャー部: バスレフ型 山桜無垢材 バッフル部: 山桜 無垢材 脚: 山桜無垢材 組み立て式 3.寸法: W350/H1060/D450 mm 4.端子: バナナ対応独立型 5.仕上: 二液式吹き付け着色ウレタン塗装 7.価格: スタンド1号機仕様 ¥40万円(脚含むペア税込価格)ユニット別 スタンド2号機仕様 ハイエンドネットワーク仕様 ¥68万円(脚含むペア税込価格)ユニット別 |
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