工 作 室 FILE-5 |
TQWT(テーパード・クォーター・ウェーブ・チューブ) |
![]() 材料はコンパネと呼ばれる合板でサブロク(横三尺縦六尺,91cm×182cm)より若干小さい(もともとコンクリートの木枠用の板のため)の大きさで,厚みが12mmあるが,とにかく安価である。当時980円程度だったと思います。これをホームセンターの裁断機で縦に四等分し,底板は別途棚板を切って,これをコンクリボンドでくっつけただけです。上面は開放してあります。 エンクロージャーの形式はバックロードホーンの一種でTQWT(テーパード・クォーター・ウエーブ・チューブ)の一形態です。エンクロージャー長が1/4波長のカットオフ周波数をもち,SP背圧によってロードをかける形式の箱です。 そのなかでも最も単純なストレートTQWTで,コンパネの全長が1.8mあるので,計算ではカットオフ周波数は46Hzになります。TQWTはホーンのような複雑なエクスポネンシャルカーブを必要としない(省いた?)設計なので形状が単純です。また,箱の中は共鳴管のため吸音材も必要ありません。 SPユニットはチューブの開口面から2/3の位置に付けるのだそうです。 当初は16cmSPを使っていたのですが,友人からフォステックスの30cmSPを貰い受け,サブバッフルを付け無理矢理30cmを付けて使っていましたが,友人が気が変わり,フォステックス製からノーブランドのユニットに変わっています。取り付け口径が違ったため,ネジ止めが全周できず,一方をアルミ板で無理矢理付けてあります。 ツイーターは,ヤマハ製が余っていたのでくっつけました。 音は,それなりというか,みなさんのご想像に任せます。 しかし,現在主流のミニコンの小さなSPからアンプでエフェクトをかた音とは一線を画する音です。こういうSPは高能率なので,それなりの音量で楽しむのがセオリーかと思います。 見てくれは無視して塗装もしてありません。 これは今から20年以上前に製作した物ですが,この間実家に立ち寄った折,近くにあったラジカセに接続して音を出してみましたが,懐かしい音がしました。ラジカセの出力でもSPの能率が良いので,結構な音量が出せます。 Hi-Fiという言葉が死語になった現代ですが,ミニコンのちまちました箱庭サウンドに飽きた方は,結構安く出来るので,このような箱を作って鳴らしてみるのも一興かと思います。 |
工作費用:コンパネ×2,底板用棚板×1,コンクリボンド,裁断料 合計5,000円程度 工作時間:6時間程度 |