工 作 室 FILE-6

KAWASAKIZ400FX MSP
モーターサイクルショーにて 今から20年前,高校時代からの友人がFRPでバイクのタンク,シングルシートを作り,カフェレーサーとして,モーターサイクルショーに出展しようという話から製作が始まった。
 当時友人は,YAMAHA GX-500,私はKAWASAKIZ400FXに乗っていた。すでにYAMAHAは改造済みで,私のFXの改造に着手。
 デザインはオーナーの私が担当し,製作は友人がメインで,私はお手伝いをした。
 カフェレーサー定番のバックステップとクリップオン(フロントチューブに直接ハンドルバーを取り付けるタイプ)は市販品を購入し,タンクはノーマルタンクをマスキングした上で,粘土で形を成型,シングルシートはフレームに発泡スチロールを取り付けヤスリで削り成型,その上をFRPで覆い,通常ならそれが雌型になるのだが,それをそのまま表面を整え,タンクとシートにした,全くのワンメークオフである。
 タンクサイドの銘板も私がデザインし,真鍮板を切って作り,表面をサンドペーパーで筋目を付け,クリアラッカーで塗装したお手製である。ロゴのMSPは製作した友人のイニシャルとスペシャルから取ったものである。
 アッパーブラケットに残ったハンドル取り付け部は,ピッタリのケースを作り中にデジタルクロックを取り付け,キーもBMWをもじり,グリップ部をツマミに変える等,細かな部分にもこだわった。
 当時モーターサイクルショーは後楽園の展示会場で催されており,輸送は,バイク屋を経営している,中学時代からの友人が担当してくれた。
 写真(上)は会場で撮ったもので,私(右)と製作した友人のM(左),手前がZ400FXMSPである。(二人ともとても若い!)
 バイクはノーマルのシルエットを残した,ガンメタのカフェレーサーに仕上がった。雑誌でもモーターサイクルショー関係の記事で取り上げられ,後日取材に来たほどである。
 写真(左)はツーリングでターンパイクを走行中のものである。モーターサイクルショー後に市販のビキニカウルに手を加えたものを取り付けた。
 このバイクでツーリングに行くと結構人目を惹いた。当時は違法改造にうるさい時代だったが,ツーリング中検問で警察官にも停められたことがあったが,知ってか,知らぬか解らないが,別にとがめられることはなかった。
 綺麗に作ってあり,あまり改造車には見えなかったのかも知れない。
 誰にでも手軽に出来る内容ではないし,私自身友人のMがいなければ出来なかったが,作る楽しみを堪能できた,青春の1ページである。 
工作費用:マグラクリップオン,バックステップ,アルミライトステー,FRPタンク&シングルシート       合計70,000円程度
工作時間:2カ月

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