1945年5月13日 東太平洋某所・航空母艦「フライヘル・リヒトホーフェン」
艦上戦闘機「烈風」二一型が、三機編隊で頭上を通過していく。
2200馬力の発する重低音が、頼もしく辺りを包む。
いつもの哨戒飛行である。
場面は艦内に移る。
低く蒸気タービンの音が唸り声のする食堂は、まだ新しく、艦船特有の匂いはない。
「朝飯もイモか…」
士官食堂にて、柳井はうんざりと言った口調で呟いた。
丼一杯の、茹でたジャガイモ。
これを一日三食、丸12日間も連続で喰わされたのだから、たまったものではない。
何か他にあるかといえば、申し訳程度の、焼いた鰯。
あとは、まずい水。
「なんで中将にもなって、こんな飯ばっかり食わなきゃならんのだ。どうしてだ。脚気になったらどうしてくれるんだ」
彼は頭を抱えた。
なお、芋を食い過ぎて脚気になるのかどうかは、作者の知るところではない。
事情は彼も知っている。
荷の積み込みに不手際があり、出港直前になって、ようやく食料の積み込みが始められたのだ。
ところが、その中にスズメバチの巣が幾つも見つかった。
たちまちにして乱舞する黄色い殺人者と、逃げまどう作業員達。
そして、出撃は遅らせられない。
結局、海軍軍令部から来た命令が、これだ。
『魚を釣って任務を全うせよ!』
まったくもって、最低である。
幸いにして、船倉にはドイツから持ってきた大量のジャガイモが残っていた。
それが、こういう結果である。
何もないよりはマシだが…しかし…。
「イモばっか食いやがって、ドイツ野郎が。いつかスズメバチと一緒に殺して焼いて…」
「隊長、言って良いことと悪いことが…」
副官の藤崎がたしなめる。
しかし、当の本人もうんざりしているため、あまり強くは言えない。
いや、ドイツ人乗員達も同様だ。
そこここで、落胆の声を発する背の高い男達。
話す言葉はドイツ語、理解できずとも、その声にどういう感情が込められているか、それは大体察すことが出来る。
艦全体が、不気味なオーラに包まれていた。
「尾部銃座、異状なしでありま〜す!」
それから20分ほどして、銀色の巨人。
佐藤の元気な声が、操縦室にも響く。
カリカリチューンの特別仕様型B−29。
この日のためだけに、半年間も掛けて改造した代物に、ようやく出番が回ってこようとしている。
「…で、油温油圧ともに異状なし。チェック完了だな。よ〜し、ヤンキーにもたっぷりジャガイモを食わせてやる」
柳井は小声で呟いた。
今回、操縦は彼が一人で務める。
「ジャガイモを爆弾槽に?」
作業の手を休め、草薙が怪訝な表情で彼を見た。
「いやいや、そんな事はないけどな。物の喩えだ。…通信は大丈夫か?」
食い物を粗末にする趣味は無いと彼は思ったが、言うのは止めておいた。
「今のところは問題ありません」
なるほど、と頷きながら、草薙は答える。
「さて…、行くか。発艦準備完了を伝えろ」
「了解」
調整の終わったばかりの無線機に、草薙は準備完了を告げた。
その声は即座に司令塔へと届けられ、通訳を通じて艦長ヨハネスの耳に入る。
「気合いが入ってるな、日本人。発艦許可出せ」
彼はおもむろに指示した。
ドイツを出たときとは、部下の動きが違う。
錬度というものは、かくも重大な意味を持つのだなあ、と彼は改めて感心した。
以前は、この艦の巨大さが、不安だったものだ。
素人同然の部下は、ともすれば艦内で迷子になり、艦はすぐ支離滅裂になってしまったものだが…。
今は逆、頼もしい巨人である。
甲板に佇んでいた銀色の怪鳥が、突如、その心臓を奮い立たせた。
低く、迫力のある咆吼。
すぐにそれは耳をつんざく轟音となり、次の瞬間には、いっぱいに広げた翼から、四条の炎が迸る。
重厚な銀の機体が、オレンジ色に染まる。
たちまちにして慣性の戒めを打ち破り、それは世界最大のフラット・トップを駆け始める。
垂れ下がっていた翼が、大型増槽の重みにも負けず、ぴんと伸び始める。
そして今や、重力の戒めすらも、破られた。
「ま、生きて帰って来れたら、あのビールで祝杯を挙げよう、日本人よ」
蒼空に消えていく大型爆撃機を見送った後、席に戻りながらヨハネスはそう言った。
同じ頃、原子力襲撃砲潜水艦「イ−400」
緊張した面もちで、5人の兵士が、狭い通路を進む。
その手には各々ホウキが握りしめられ、視線はせわしなく周囲を見渡す。
顔に、汗が伝う。
「大丈夫の、ようだな…」
一人が言った。
「よし…開けるぞ」
全員が、サッとハッチのそばに身構える。
緊張が漲る。
鋼製の頑丈なハッチは、重々しい音を立て、奥へ開いた。
誰とも知れず、ごくりと生唾を飲む。
「! いかん、応戦せよ! 応戦せよ!」
瞬間、夥しい数の黄色い暗殺者が、我先に飛び掛かってきた―――
「艦長、炉心制御室が陥落しました」
「ちっ、舐めてくれるな。昆虫が…。それ以上の侵攻は無いか」
「それは何とか。制圧された区画はこれです」
「ふ〜む…」
伊藤艦長は、ところどころ赤く塗り潰された区画図を見て、うなった。
炉心制御室をはじめ、魚雷室が4の他、食料庫、さらに居住区の一部が敵の手に落ちた。
敵は食料庫から侵攻を開始したようだ。
なお、既にこちらの損害は負傷53名にのぼる。
「少なくとも、廊下は死守しろ。廊下を取られたら、一気に広がる」
「指示します」
「それから、速度を落とすぞ。炉心が過熱したりしたら終わりだからな。4ノットだ」
「わかりました。速力4ノットに落とせ!」
復唱が力強く聞こえた後、世界最大の潜水艦は急激に速度を落とした。
「あと5時間…間に合わんぞぉ〜?」
腕時計を見ながら、伊藤艦長は顔をしかめた。
折角水中平均30ノットもの驚異的な速度でぶっ飛ばしてきたのに、スズメバチに妨害されて作戦続行が困難とは…。
「…今に見てろよ、節足動物め。一匹残らず夕飯にしてやる」
実に腹立たしい気持ちで、彼は言うのだった。
その日の二時過ぎ。
グランド・キャニオン上空にて。
「噂には聞いてたが、さすがに絶景だな…。写真みたいに夕暮れに飛んでみたかった」
巨人が斧で叩ききったような、荒々しい岩の裂け目。
巨大だ。
あまりにも。
『隊長、しっかり操縦してくださいよ。崖に突入はイヤっすよ』
「バカヤロウ、黙って見張ってろ」
自然の雄大さに心奪われていた彼だったが、機内電話からの声に興醒めしてしまう。
逆探には反応がない。
「おい、草薙。ロス・アラモスは川の西岸だったな?」
「そうです」
「うん、よし。じゃあ、アレは違うな…ん〜、多分、アルバカーキってやつだろう」
眼下に迫ってくる大きめの街をやり過ごしながら、彼は一人ごちた。
銀色に輝き、総計20000馬力の轟々たる音を撒き散らす機体は、下からでもよくわかるだろう。
それも、地形を確認しながらの低空飛行。
しかし、案ずることはない。
余程の目利きが双眼鏡で覗くなどしない限り、B−29以外には見えまい。
それ以前に、日本機がこんな所を飛んでいるなどと、誰が思うだろうか。
西海岸は長すぎて、なかなか全部を守ることは出来ない。
富嶽の出現により、警戒は以前より遙かに厳重になっただろうが、それは主に北側に限られる。
メキシコまで来ると、もう何もないようなものだ。
その上、無人地帯を超低空で飛べば、レーダーもかわせる。
見つかってもB−29。
万が一正体がばれても、その時はエンジン載せ換えで得た上昇限度14200mを活かして上へ逃げればよい。
足も速い。
爆弾は1000kgの有線誘導爆弾を二発と、60kgのが12発。
三ヶ月掛けて訓練した結果、誘導爆弾の命中率は最終的に95%を超えた。
六番(60kg)爆弾は保険である。
「完璧な計画だ」
今までの評価を覆して、彼はニヤリと笑みを浮かべた。
「あれは…?」
最初に異変に気付いたのは、草薙であった。
「お、煙か。火事でも起こしたかな。よりにもよって今日の今。ツキのない奴等だな」
柳井は気のない声を出した。
日は頂上を過ぎて、傾き始めた光はガラス張りの操縦室を相変わらず照らしている。
その光は谷にもくっきりと影を落としている。
やがて、煙の根本に、灰色をしたブロック状の建造物群が見えてきた。
川の西岸。
間違いない。
「よし、突撃態勢に入る。各部署、より警戒を強めろ!」
今までのリラックスした表情を引き締め、彼は気合いの入った声で言った。
次々と、力強い応答が返ってくる。
彼は操縦輪を押した。
機体は素直に言うことを聞き、頭が下がる。
同時に、若干スロットルを絞る。
二重反転プロペラが空気を掻き回す音と、エンジンの咆吼が、心持ち穏やかになる。
施設を見ても、どれが何かはよくわからない。
が、近付くに連れ、それが正常ではないことが次第に明らかとなる。
敷地の恐らく半分以上が破壊され、濛々と黒煙を噴き上げ、燃えている。
職員か、あるいは兵士か、その周囲で走り回っているのが、操縦室からも小さく見える。
『…なんだ、アレは!』
前部下方銃座の荒川が、思わず声を出す。
「どうした。何か見えたか」
その間にも、また一棟が爆轟に砕かれ、粉々に飛び散る。
核爆弾は、その核分裂反応に必要な高温高圧状態を生み出すため、火薬を必要とする。
その火薬の貯蔵庫だったのだろうか。
『今、確かに…。あっ、また! 居ます! 巨大な物が動いています。11時の方向、煙の中です!』
興奮した声は、ただ事では無さそうだ。
「敵性の存在か」
よくはわからないが、柳井も目を凝らす。
いや、ただ煙が猛然と立ち上っているだけだ。
―――ここまで破壊されれば、俺達が壊さなくても良かったかな?
彼は一瞬そう思った。
現時点で出番のない草薙もまた、11時方向の煙の中をじっと凝視している。
柳井は意識を機体に戻し、微妙に滑らせながら残存施設の方向へ機首を向けた。
「! あれか!」
施設上空まで水平距離で1000mを切ったか、というときに、彼もとうとうそれらしき物を見た。
一瞬ながら、煙の中で蠢く、巨大な黒い影。
建物と比較するに、高さが80mを超えていそうだ。
それが、動いている。
理解できない現実を見て、混乱と若干の恐怖を覚える。
―――落ち着け、任務が先決だ。
「荒川はその物体を警戒しろ。…草薙、爆弾庫開くぞ」
「了解」
重量軽減のため、本来は無電/航法士の彼が爆弾の誘導を行う。
まあ、爆弾の誘導は簡単な操作ではある。
しかし、正確に当てようと思ったら、先述の通り3ヶ月が必要だ。
電動モータの唸る音がしばし響き、最後にガチャンという音がして止まる。
抵抗が増え、機体が軽く減速する。
爆弾は一個ずつ投下し、反復して二度爆撃する。
6番は適当に落とす。
草薙と柳井は、ほぼ同時に計画を反芻した。
「あのデカイのをやろう」
「了解」
柳井の指差した方を、頭を上げて一瞬だけ見て、草薙は確認した。
まったくの勘であるが、仕方がない。
どの建物が何かまでは、情報がないのだ。
『後上方に敵機、推定10機!』
「くそっ!」
謎の巨大な影を攻撃しに来たのか、それとも自分達を撃ちに来たのか。
いずれにしても、建物に爆弾を撒いたら、敵と認識されるだろう。
『敵機は14機、機種は恐らくP−51です!』
フェニックスから飛び立った部隊だろうか。
「…発砲待て!」
『…え?』
「繰り返す、発砲待て! 撃つなよ!」
彼は楽観的に解釈することにした。
スロットルを開きつつ、操縦輪を引く。
多少の間を置いて、銀色の爆撃機は、ゆっくりと大気中を這い上がり始める。
「どうするつもりですか」
草薙が照準器から目を離して、怪訝そうに柳井に言った。
「あのよくわからんのを攻撃する。六番の投下準備」
何だか知らないが、先程見た影が、この施設をメチャメチャに破壊した元凶であろう。
であるならば、味方と見せかけるには、それを攻撃するのが自然である。
「馬鹿な、我々の任務は…」
「わかってるとも。しかし、生きて帰りたいだろう? 両立する可能性があるから、試してみるんだ」
「しかし…」
六番爆弾といえども、無駄にはしたくない。
任務のための戦死なら、軍人として受け容れるべきだ。
草薙はそう思った。
無論、柳井も察している。
だが、議論している暇はない。
「上官として命令する。従うんだ」
「…わかりました」
会話を一方的に打ち切り、柳井は機体を左に巡らせた。
P−51の編隊が3つに分かれ、内3機が近付いてくる。
『敵機3機、接近します!』
尾部、佐藤の声だ。
機内の全てが緊張に包まれる。
「銃口も向けるなよ。攻撃してくる様子か!」
操縦輪を中正位置に戻しながら、柳井は怒鳴った。
『いいえ〜、横を飛びすぎます! 増槽か爆弾を装備しているようです』
言い終わらない内に3機編隊は右を通過し、降下を始めた。
塗装無しの機体が、キラリと輝く。
戦争相手でなければ、なかなか美しい飛行機だと見とれるところなのだが…。
幸運なことに、これが日本機であるとは気付かれなかった様子である。
ふっと全員が緊張を解く。
見えたのは一瞬であったが、装備しているのは1000ポンド爆弾のようだ。
とすると、やはりあれを攻撃するのであろう。
「安心してる場合じゃないぞ。警戒を怠る…」
真っ先に戒めようと思った柳井の声が止まった。
目を剥いていた。
「げ、げぇ…。なんじゃい、ありゃ…」
今や、巨大な黒い影は、透明な大気の下、その全貌を誇示していた。
生命体だ。
二足歩行をする巨体は、予想通り全高80mはあるだろう。
形態は、そう、時々図鑑で見る、ティラノサウルスとやらに似ているようだ。
しかし、平滑ではない黒々とした皮膚は鈍く輝き、装甲板を思わせる。
「恐竜…が居るのか、アメリカには?」
「世界は広い…」
柳井と草薙が口々に感想を言い合う。
「恐竜としても…あんなに大きいのか? しかも、あれほどの煙と炎の中で平気とは…」
「うむ、普通じゃない。…戻っても、この事は黙ってような」
「…だな」
その間にも機体は上昇を続け、次第にその巨体も小さくなっていく。
高度計を見やれば、3500m。
P−51の編隊は遙か下方にあり、時折小さな光を発している。
機銃掃射を掛けているようだ。
再び、施設の一角が吹き飛び、紅蓮の炎に包まれる。
機銃掃射などでは効き目がないらしい。
無線機からは、がなり立てるような英語が切れ目無く入ってくる。
こちらに話し掛けてくる余裕は無さそうだ。
柳井は無線を切った。
「再び予定変更、誘導爆弾投下用意」
落ち着きを取り戻した彼は、機体をゆっくりと水平に戻しながら、そう言った。
草薙が素早く照準席に着く。
爆弾槽外扉は…開いたままだ。
左旋回を終え、銀翼をいっぱいに広げた四発爆撃機は、一直線に目標へ飛ぶ。
「…今だ、落とせ!」
草薙の声と共に、柳井が投下レバーを引く。
ふわりと機体が持ち上がった…ような気がする。
真っ黒い物騒な塊は、広大な大地へ向け、見る見る吸い込まれていく。
たわんだワイアが、爆弾につられて落ちていく。
次第に倍率を上げながら、草薙はそれを、煙突の付いた一番大きな建物へと誘導した。
倍率を上げるほど、視界から外れやすくなる。
しかし、彼は落ち着いていた。
着弾。
造船所のドックくらいはありそうな建物が、一瞬きらめき、すぐに黒いシミに覆われる。
煙突がゆっくりと煙の中に消えていく。
「命中しました」
「Good job! もう一発は…めぼしい物が無いな」
ワイアを切り離して、柳井は言った。
下界はすっかり煙に覆われ、何がどうなっているのかもわからない。
時折、煙の中からP−51らしき機体が現れるが、すぐにまた煙の中へと戻っていく。
「テキトーに落とすか。お前ら、はしゃぐのは帰ってからにしろ!」
柳井は再び機体を左旋回に入れ、伝声管から聞こえる叫び声を怒鳴りつけた。
旋回を切り替える。
「誘導はいいぞ。投下したら高度10000で離脱するから、針路の計算を頼む」
「了解」
冷静を装って、柳井は言った。
心中では、常識外れな出来事でど興奮していた。
何だったのだろうか。
煙の真ん中目掛けて、漫然と投下レバーを引く。
パラパラと、黒い物が落ちていった…だろう。
『投下を確認しました〜!』
間違いない。
爆弾槽を閉じる。
電動機の唸る音がして、軽い衝撃を残して扉は閉塞される。
突如、機内に耳障りな警報音が鳴り響く。
全員が驚くが、すぐに悟る。
逆探に反応。
「4時の方向だ、しっかり見張れ!」
4基のエンジンが思い出したかのように轟音を取り戻し、機体は再び上を向く。
軽いGが心地よい。
が、下手に全開にしていても良くない。
この飛行は、航続距離にあまり余裕がないのだ。
ベルトを締め直しながら、尾部に座る佐藤は、指示された方向を見やった。
うまく、締まらない。
ちらちらと手許に視線を戻しながら、悪戦苦闘。
その時、空間の一点に、微妙な違和感。
全身に痺れるような例の感覚が走る。
迷わず、彼は報告した。
「尾部、敵機発見! 四時の方向です、機種、数共に不明!」
『よ〜し、見失うなよ!』
ベルトのことは忘れて、彼は空間の一点に集中した。
今は見えなくなっている。
しかし、戸惑うことなく凝視し続ける。
『後部上方、確認! 機種の特定は出来ません、距離推定18,000m!』
やがて、それは明らかな機影となって姿を現した。
「機種確認、B−29およそ30機、ゆっくり降下しています。距離8000。接近してくる様子はありませ〜ん」
『そうか。引き続き、しっかり見張れ』
まさかこちらに気付いていないという事はないだろうが、気にしているというわけでも無さそうだ。
彼は3連装の20ミリ機銃に掛けていた手を下ろした。
しばし、見とれる。
キラキラと翼を輝かせて、その編隊はどんどん高度を下げていく。
その先には、濛々と立ち上る煙があった。
「ああ、やっぱり、あそこに行くんだな〜…」
結局、あの生物はナニモノだったのだろうか。
戦争終わらないと、答えにはありつけないかな。
佐藤もまた、考え込んでいた。
その間にも、機体はゆっくり、しかし果てしなく、深い高空の青へと進んでいくのだった。
つづく
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