Birth0Death
第三十七話 勇者の血
「くっ・・・・」
僕は、死んだのか?
そのわりには、爆音や稲妻の音が耳に入ってくる。
それとは別に、静かな音も聞こえてくる。
誰かの泣き声?
「助けて・・・・・・っ」
「・・・ロナ?」
ロナの声、だろうか。
わからない。
「・・・・・マルっ」
ロナの声じゃない?
「助けて、助けてあげてっ」
・・・・誰だ?
「思い出せ、マル・・・勇者の血の意味を・・・」
ぼんやりと、人影がうつる。真っ白な闇の中で。
二人の人物。背の高い男と、やわらかな女性。
あれは・・・・・。
「・・・・・父さん、母さん?」
結界をつくって消えていった父と母。
あれ以来、ラインに魔物が出ることはなかった。
“あれ”以来。
“あれ”は父と母が命をかけて行ったこと。
そう、“血”によって行われた。
もう一つ思い出す。
セカイジュで。マルは血にまみれていた。
触れた黒い扉。
“悪魔の扉”と名付けられたそれは、マルが、血にまみれた手で触れることで開いた。
響いてくるのはサッサの言葉。
「無の水っていうのは確かさ、ルドの“奇跡”で浄化されたんじゃなかったか」
それらの記憶がまわり出す。
そうか。
そうなんだ・・・。
勇者の血は、浄化するんだ。
勇者の血が“奇跡”なんだ・・・・。
僕の中に眠る、“ルド”の血が・・・。
懐かしい声に別れを告げて、マルは目を開いた。
タクスの部屋♪
タクス「・・・・・・・短かッ!!」
マル「タクスさん、上の部分のタイトルと同じツッコミをしないでくれー」
タクス「しょせん、マルくんが主人公っぽい話なぞ、36行の文字ですんでしまうのです」
マル「・・・・・・数えたのか」
タクス「空白があって良かったですね。なかったらとんでもないことに・・・」
マル「・・・ホントだよ(T_T)ああー」
タクス「フッ・・・まあ、強く生きてください」
マル「本編、短いついでだっ、ここも早く閉めてやるっ!!」
タクス「ちょ、ちょっと、マルくん(@_@)?!」
マル「次回第三十八話『デスの恨み』・・・なんか、イチ難去って、またイチ難・・・」
タクス「ノーッ(ノ−_−)ノ〜┻━┻」