Rainbow Bird
優
第9章 〜戦場〜2〜
ルーシーの声は薄れ、化け物―――真っ赤なドラゴンとして―――植え付けられた本能が目を覚ました。
「ルーシーよ、さあ、その力を見せるのだ。我々の最高傑作よ」
―――ボオオォォオオオオオオ―――ボオオオオ・・・
辺りにルーシーのというより、すでにドラゴンと化した化け物の声が響き渡った。
「最高傑作?・・・そういうことか。」
フォーマーはひとり静かに納得している。
「どういうこと?」
「ルーシー・・・実験体だったんだ。我々のことも。この場所や、避難所のことも。
彼女から、情報がやつらに伝わっていたんだ・・・。」
フォーマーはショックを隠せないといった感じで答えた。
「・・・人間さえも、実験体にしていたのね。」
ラレアはドラゴンを恐れるより、その事実に深い悲しみを覚えた。
「おい、やばいぜ。ありゃ、妖精の『力』の結集体だろ?」
ジィンクは冷静にドラゴンを観て述べた。
「またか!!」
思わず、ロイは叫んだ。
そう、あの港町でもそうだった。
化け物・・・妖精の『力』。
ワーパの犠牲・・・。
結集化・・・今もその手に感覚が残る、兵士の最後。
「・・・あれも、ルストと同じ!!!」
そのとき、とうとうドラゴンが襲いかかってきた。
すさまじい熱風が辺りを包む。
「ちきしょうっ!!!炎の妖精が火に負けるかってんだ!!」
ジィンクはいつぞやの兵士の剣を構えて、熱風の中を駆けぬける。
「くっ・・・あのバカ!!」
フォーマーも腰にさしていた長剣を抜き、ジィンクのあとに続く。
「兄さん!!」
アリス、ラレア、他にも自衛団の面々や、妖精軍メンバーたちもドラゴンを倒さんと、無謀な戦いを挑む。
いちはやくドラゴンのもとに辿りついたジィンクは、剣でひとたちを浴びせた。
と、同じにドラゴンの尾に激しく打ち据えられた。
「ぐおっ!!」
ジィンクは吹っ飛ばさ、地面に打ちつけられる。
その間に、フォーマーや、他の面々が次々に剣を振るい、あるいは、マシンガンをぶっ放す。
・・・まるで群がる蟻のように。
ドラゴンはそんな攻撃、気にもとめず、大きく息を吸いこんだ。
そして、炎と風。
空間を歪めそうな熱風を辺りに撒き散らした。
「あ、熱い・・・」
レッジはここにいる誰よりもはやく、その場に片膝をついてしゃがみこんだ。
「レッジ、大丈夫だべかっ!?」
「あたし、だめかも・・・」
弱々しくつぶやきが聞こえる。
・・・なんで、なんでこんなに熱いの?レッジは朦朧とした頭で思った。
なんで、こんなふうに戦うの?なんで、こんなに苦しいの?
「レッジ、レッジ!!」「ロ・・・イ」
「こうすれば、ちったあ、ましだべ」
ロイはその身を呈して、レッジを熱風から守る。 苦痛の表情をムリに隠して微笑む。
「・・・いいよ。もう・・・」
うつむくレッジから、弱々しい声が聞こえていた・・・。
挨拶
ここで切ると、また、「短いわああああっ!!」って怒られそうです(汗)
でも、きっちゃえ♪←反省の色なし・・・。
だって、だって次は・・・。
ふふふ、オペラ イン ザ 戦場〜ってなことで。(なんかバレバレやねぇ。)
いっちばん、書いててさむッ、と思った場面が繰り広げられることでしょう・・・。う〜鳥肌が・・。
ちなみに今回のテーマ(?)はドラゴン(赤)に挑みかかる蟻のような人々ってなことで。(残酷だわ〜★)
夏に書くには暑すぎる場面です。考えてみりゃ、ものすご〜く暑いのではないでしょうか〜。
だって、レッジ&ロイはドラゴンから離れているはずなのに〜熱さに(ええ熱さよ)バテております。
やっぱり、弱すぎなのであります〜♪
使い魔の勝手な戯言〜(前編)
「短いわああああっ!!」
はい、リクエストにお答えして(おひ)。
いや、叫ぶ気は毛頭なかったんですけどねー、短い代わりに連続で二話もらったしぃ♪
まあ、期待されたら(?)怒鳴ってやるのが人情というもの。
すわて。
今回、ドラゴンさま大暴れですわな。
いやあ、ひ弱すぎるぞ主人公ズ。
でも、力がない主人公ってけっこ良いです。フォーチュンクエストとか好きだし自分。
そりゃ、バシバシ力が強い人たちもいいですけど、こーゆー力のない代わりに勇気と根性とチームワークで切り抜けるっ、っての。なかなかクサいかもしれんけど、好きなんですわよこれ(あれ、なんや今回口調がへん)。
いや、もぉ。最後のレッジとロイのやりとりが「うひゃーっ♪」って感じです。「うひゃーっ♪」(←喜んでる)
さて、それでは後編に続くっ。・・・いやあとがきの(笑)。