truth&sincerity
トゥルース&スィンセラティ
第六話 『少女』
「はぁ!!」
バシュッ!!
オレは最後の一匹を斬った。
オレ達はあの迷いの森を何とか出た後、モンスターと出くわしたのだ。
さっき斬ったのは群れを成して出てきたモンスターの最後の一匹。
「ふぅ・・・・雑魚モンスターといっても・・・・」
「まぁモンスターはモンスターだからな・・・チッ、傷が出来ちまった・・・」
「兄さん。傷口見せて。」
兄さんが言っていた傷・・・右腕
なるほど、モンスターに斬りかかる時に食らったきり傷ね。
“生命を司る水・・・ニンフよ・・・今こそ真の力を見せ、その力、我に預けたり・・・”
「ケアー!!」
ポゥ・・・・・
私は水の呪文を唱え、手を兄さんの傷口にかざしました。
すると私の手から出た淡い蒼の光が兄さんの腕の傷に伝わり・・・傷が消えていく
「これでよしっと!!・・・痛くない?」
「あぁ。」
兄さんの様子をしばらく観察し・・・ゼータに目を向けました。
余談ですが長い髪は「邪魔になる」という事でポニーテールになってます・・・
彼は・・・不思議そうにこちらを見ている
「これって・・・精霊魔法なのか?」
「え、えぇ。始めて見るの?」
「あぁ・・・バーリィにいた頃はずっと部屋に閉じこもってたし・・・精霊魔法使える奴ってそんなに多くないんだろう?」
「そうらしいわね。現に私のいた村には私以外使えなかったし・・・」
「そうそう、村にいた頃は大変だったなぁ〜。シータはいじめられるたびに魔法ぶっ放してたし・・・」
「そ・・・そうなのか?シータ。」
「うっ!嘘に決まってるでしょう!?私にそんな度胸があるように見えるっ!?」
「・・・・・・・見えない事はないな・・・・」
「何か言いました?ゼーちゃん?(にっこり)」
ゼータに怒りをいーっぱい詰め込んだ笑顔を送って差し上げました★
横で兄さんが「こ、怖ぇ・・・」なんて言ってますが無私・・・もとい無視しま・・・せん。
あとで口をつねろう・・・・
「なぁシータ。もう少し詳しくそれ教えてくれないか?」
「いいですよ。ではまず属性ですが・・・・」
シータの魔法講座はとっっっっっっっっっっっっても長いので省略。
ちなみに前々話参照!!
「・・・となってます。ちなみにこれはすべて光属性なのよ。」
「闇属性って無いのか?」
「そうなんだよね・・・闇じゃないけど闇に近い属性なら土・火・金なんだけど・・・」
「闇に・・・・近い?」
「ほら!食炎伝説にもあるじゃない!この大陸は元々光のみで出来ていたところなの。
闇属性のエターナが亡んだ事によって『負』の力として残ってるのよ。
私だって・・・負属性は中級までしか唱えられないしね。
光と負を扱おうとすると制御が難しいのよ。」
「・・・・・・・・・・・。結構難しいんだな・・・・」
「そうね。ちなみに光と負はあまり良い関係じゃないからすべての魔法を使える人はこの大陸の本の一握りの人しかいないんだってさ」
まてよ・・・それって・・・
「シータ。お前は結局全属性が使えるって自慢したかっただけなんじゃぁ・・・」
「あはっ★ばれた?」
ったく・・・シータの自慢癖にも困ったもんだ・・・
でも本当に凄い事なんだよな、それって・・・
そういえば母さんも全属性が使えたとか言ってたっけ・・・?
うる覚えだけど・・・
「兄さん!!」
「あ??なんだ。」
「ぼーっとしてたよ・・・?そうそう・・・それよりあれみて!!」
シータが指差した方向には木の陰に隠れるようにして建物がたくさん建っていた。
ま・・・町だ!!
「ようやく付いたぞ!!アティックに!!!」
アティック・・・前話で話した四大都市のひとつ、東のアティック城下町。
主に商業が盛んな町で、いつも買い物客でにぎわっているのが特徴だ。
アティック城に住まうアティック王家が収める国の首都・・・だ。
「大きい町に来るのも久しぶりねー!」
「この前行ったのはソーディスが最後だもんな。」
「俺は・・・バーリィ以外の町は始めて見る・・・」
うわ・・・なんか辛気臭くなった・・・
「と・・・とりあえず宿を捜そ・・・・」
ドンッ!!
「いっっ!?」
鈍い音がしたかと思うとオレは後ろに飛ばされた。
何が起こったんだ!?
前を見ると子供が俺と同じように尻餅を搗いている。
大体10歳位の女の子だ。
赤茶色の長い髪を首の辺りで緩く縛っている。
服は・・・あまり良い身分のものが着るような服ではない。少し黒ずんでいる。
なるほど・・・こいつがオレにぶつかったんだな。
「おい、大丈・・・・・・」
「ってーなっ!!ちゃんと前見てろっっ!!」
「・・・・って・・・お前からぶつかってきたんだ・・・」
「おい!いたぞっっ!!」
オレが台詞を言い終わる前に向こうの人盛りから二人の若い男の兵士がやってきた。
「ちっ!!てめぇのせいで追いつかれちまっただろう!!」
「それは俺が知ったこっちゃ・・・っておい!誤らずにどっかいくのかっ!?」
「つかまえろっっ!!」
「兄ちゃんの話は逃げ切れたらいくらでも聞いてやるよっ!じゃぁなっ!」
「まてっ!!!」
兵士がオレの横を走る前に、女の子どこかに消えていた。
「万引きでもしたのかな?」
「あんなに小さな子まで・・・世の中凄いもんだな・・・」
シータとゼータがそれぞれ言いたい事言っている。
しかしオレはだな・・・
「ったく!親の顔が見てみたいぜ!!
礼儀を知らない子供なんて!!」
ふつうは「ごめんなさい」が先だろうっ!?ったく!
オレは・・・その子供の行った方を眺めていた。
第六話 END
作者の後書き
二章が始まりましたぁ〜!!
実はこれ書いている時は旅行中だったり・・・ねろっつーの!(爆)
でも実際にろうさんのHPに公開されるのはいつなんでしょうね?(笑)
えっと・・・今回の目玉としては・・・題名にもあるように少女ですね。
喋り方は男の子です。・・・う〜んアーシィに似てる?(FINAL参照)
実はこの子。元々男性だったんですよね。えぇ。ゼータ達よりも年上の。
まぁ良しとしましょう。知ってる人は学校の友達くらいだし(爆)
シータも相変わらず魔法講座開いてるし・・・負なんて今思い付いたし(核爆)
まぁいいか♪なんとかなる♪
では次回まで!!・・・・次回あるかな?
ろう・ふぁみりあの勝手な戯言(ニヤリング)
いえ、即座です。更新(笑)。
さて第二章。森から街へと場面を変えて、どーなることやら。
じわじわと新キャラ出そうだし。
・・・しかし新章の第一話ってドキドキしますよねー。これから何が起こるのか!? って感じです。
オイラ的には今回、“ゼーちゃん”(byシータ)がツボにはまったです(笑)
・・・あれ? なんかほんとーに戯言になってしまった(苦笑)
馴れない事はするモンじゃないなー(自爆)