truth&sincerity
トゥルース&スィンセラティ 

 

第伍話 『導かれるがままに』


 

「あ・・・ゼータ・・・」

 

ゼータが・・・私を助けてくれたの?

ゼータが私の命を??

 

ゼータの長い髪が風で揺れる・・・

その足の付け根ほどまで髪は風で私のもとまで届く

綺麗な髪。

 

「大丈夫か?怪我・・・無いか?」

「え、えぇ・・・」

 

ゼータにしゃがめといわれて座り込んだ私に

ゼータは手を貸してくれました。

よっこいしょ・・・わぁ・・・なんかおばさんみたいな事言ってる

あ、そうだそうだ・・・お礼言わないと・・・

そう言えって私はゼータの方に顔を向けました

 

「あ、あの!!あ・・・・」

 

「さて・・・・・」

兄さんが口を開きました。

せっかく誤ろうとしたのに・・・

 

・・・・・・・・・ビクッ

 

いつもの兄さんと違います・・・彼を・・・ゼータを睨んでいます

 

怖い――――

 

「なぜ・・・・あの技が使えるんだ?」

「・・・やっぱ・・・・お前はあの技知ってるんだな」

「兄さん?何の話?」

「お前は少し黙ってろ!!」

「は・・・はい・・・」

 

本気で起こられた・・・兄さんに・・・

 

「・・・あの技は伝説の・・・食炎伝説『エターナ』の戦士の技。」

「・・・・・・・何故知ってる?」

「昔父さんに聞いた事があったんだ・・・

『闇系魔剣術…闇の民のみが使える剣術だ。』

 

…………顔も覚えてねぇ父さんだけどそれだけは覚えている。」

「・・・・・・・・・。」

「これでお前がなぜあれほど強いのかが解かった・・・」

「食炎伝説・・・永きににわたる光と闇の戦い・・・」

「・・・・・・・。」

「・・・最後の一日・・・食炎の日、膨大な光と闇の力に大陸は焼き払われた。」

「闇の民、エターナ族はその炎に飲み込まれ、一族は亡んだ・・・・」

「しかしそれは偽りの伝説・・・」

「は?」

「闇の民エターナ自らの命を犠牲にしてまでこの森や人々を復活させた。」

「!?森を復活させたのは光の民じゃぁ・・・・」

 

そう・・・オレ達の知っている食炎伝説は『食炎』の日に世界を乗っ取ろうとした愚かなエターナは滅び、わずかに生き残った光の民が焼け野原を再び美しい森に変えたという話・・・

 

「それはおろかな光の民がつくりだした戯れ事・・・まぁ・・・全ては聞いた事だがな。」

 

オレは「誰に?」と聞きたかったが黙ってゼータの話を聞いた。

するとゼータは腰からあの異形な武器を取り出した。

それはオレが知っているような剣とは形がまったく違っていて、刃が片方しかついていない。

どこかで聞いた事がある・・・『刀』と言う武器に似ていた。

柄の部分には俺と同じよう・・・実際は字の感じなどはまったく違うが古代文字がびっしり書かれている。

刀身は―――――闇色に怪しく輝いている・・・

 

                                エンドダーク
「・・・エータナ族が唯一使える呪われた武器魔刀“最期の闇”・・・」

「それがその剣なのか?」

「あぁ・・・・『アイツ』が言ってた

「・・?・・・という事は・・・お前はエターナなのか?」

「・・・・・・・・・・。」

 

「俺は・・・・分らない・・・」

 

 

はい?

 

 

「わ・・・分らないって!?」

「記憶が無い・・・訳じゃないんだが所々抜けてるんだ・・・」

 

気付いた時にはこの剣を持っていて、木と話せたり、剣術使ったりしていたってか!?

こいつ・・・・エターナじゃないのか!?

 

「おい、おまえ・・・・」

「俺をここまで育ててくれたのはバーリィって町に住む一人暮らしの女性・・・名字はその人のものなんだ・・・」

 

という事は・・・『ゼータ』という名は知っていたわけだな・・・『リトゥール』か・・・聞いた事無いな

いや・・・まてよ

 

「・・・バーリィ・・・それってすっげぇ都会なんじゃねえのか?」

 

この大陸には大陸の中心にし、東西南北に四つ国が解かれてある。

バーリィというのはと西の位置に値する国、バーリィ城の城下町の事だ。

つまり四大都市。

 

「バーリィのとある家の女性に預けられたのが8歳の頃の事・・・だが8歳より前の記憶が少ししか・・・いや、知っていても理解しにくい記憶しかない。」

 

んなのありかよ・・・

オレは思わず右手を自分の右目に当てた。

 

「バーリィにいた時の思い出は・・・あまり良い思いではなかったな・・・その女性は良い人だったけど・・・皆よそ者扱いさ。」

「・・・・・・・・。」

「いつも一人だった・・・・・」

「・・・・・・・・。」

「ある日、俺は・・・この剣を何気なく使っていた。だがある日あんたみたいなこの剣の事知ってる人に会ってね・・・・」

「・・・・・・・・・・。」

「そいつは魔導研究家だった。俺の力を見込んで勝手に研究材料なんぞにしやがった・・・」

「!?」

「俺はその時、俺は本当は誰なのか?この剣は何なのかは全然知らなくて・・・その魔道師の言う事を聞いていた。」

「・・・・・・。」

「そいつは俺の事をずっと『エターナ』と呼んでいたんだ。」

 

「俺はそのとき食炎伝説とか知らなかったから・・・だから聞いたんだよ。 「エターナってなんだ?」って・・・・するとヤツ・・・なんて言ったと思う?」

 

エターナは我々にとって便利すぎる道具なのだよ

 

「!?」

「俺はそいつから逃げてきたんだよ・・・途中で追手と苦戦して・・・傷だらけになっちまったがな・・・」

 

・・・なるほど

それであんなに血塗れで倒れていたのか・・・・

ゼータはふと鼻笑いをした。

自分を皮肉に思っているのだろうか?

 

「まぁそういう事で・・・俺に構っていたらお前等まで巻き込んじまう・・・俺は一人でいかせてもらう・・・」

「・・・・・本当に行くのか?」

「あぁ・・・御恩もかえしたしな。」

 

無理に引き止める必要はない・・・エターナだからといってオレ達には関係ない。

それが・・・こいつの選んだ道なのだから・・・・

 

 

 

「まって!!」

 

止めたのはシータだった。

 

「え・・・えっと・・・その・・・たしかに貸し借りはなしなったけど・・・やっぱりあなた一人で行くのはちょっと危険じゃない?」

「俺に付いてくる奴の方がよっぽど危険さ。いろんな奴に狙われる。」

「でっでも!!・・・そう、私には・・・まだ借りがある!!」

「な・・・なんだ・・・?」

 

 

「あなたの過去を知ってしまった事―――」

 

 

「ずっと一人だった・・・あなたの傷ついた心・・・私では癒せないかしら?」

 

私だって・・・両親がいないからってよくいじめられた・・・

兄さんがいなかったら・・・今の私はいなかったかも

 

おいおい・・・

シータの奴・・・・・ゼータの事――――

 

「・・・・・・・。でも・・・・」

「私の事なら大丈夫!それとも・・・邪魔かな・・・?」

「じゃ・・・邪魔な訳無い!!俺は・・・」

「それなら!!・・・・」

「でも・・・・危険な目に合わせたくないんだ・・・」

「危険でも良い!!私は・・・ゼータの側にいられたらそれで・・・・やだ!私ったら何言ってんだろうっ!!」

 

シータは照れ隠しの為か・・・笑い出した。

 

「俺は・・・お前達と一緒にいて良いのか?」

 

ゼータはシータではなく・・・オレを見た。

オレだって一人の寂しさは知っている。

それに・・・ゼータがキライなわけでもない。(いろんないみで怖いけど)

オレは首を縦に振った。

 

「お前が遥か昔に亡んだはずのエターナだろうがなんだろうが・・・

 いっしょに・・・シータを助けた仲間には代わり無い。

 すまん・・・遅れたが、礼を言う。・・・・妹を助けてくれて有り難う。」

 

その瞬間シータとゼータの顔が輝いたように嬉しそうな顔をした。

 

「ゼータっ!!これからよろしくね!!」

「・・・・。あぁ、こちらこそよろしく。」

 

 

っ・・・たくオレはこいつらの保護者かよ・・・

エターナか・・・

これからのたびはやっかいになりそうだ・・・・でも

今以上にシータや新しい仲間の笑顔を見れるとなると――――

 

それもまた・・・苦では無いと思う。な・・・・父さん

 

 

 

 

光と闇の章 第伍話 END



作者の後書き

 

木賊の書く小説にしては短い一章が終りました。

一つの事件が章なのでかなり短いと思います。ええ。

てかこの話。ここで終っても結構きりが良かったりして(爆)

話がなんか強引かも・・・しかもゼータとエータの言葉使いが一緒だし(核爆)

食炎伝説もなんかあやふや・・・

もし次章がかけるならエータの剣とかの話も書きたいです。

つーかエータ達のお父さん何者っ!?

謎多すぎです。

それではこれを読んでいる皆さん。

また会える日を楽しみにしています★

あ、メールなどで感想いただけると嬉しいです〜。ではでは・・・・・

 

水浅葱 木賊


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