truth&sincerity
トゥルース&スィンセラティ
第参拾五話『そして…』
「タウさんが村を焼かれた時期って私たちの村が焼かれた時期と一緒なんですよね」
「と言う事は同一犯ってところか…」
兄さんが帰ってきて、私たちはちょっとした会議のようなものをしています
タウさんが言い残した『パイ』という男について…それから
『バーリィへ早く行かなくてはいけないの…何か良くない事が起きているわ』
朱雀の言うバーリィで起こるという良くない出来事
「もう一度兵に貴方達の住んでいた村跡を探させたけど…全てが焼け焦げてヒントとなるものは得られなかったわ…」
両親の手がかり。
今回ここに来てたくさんの情報が得られたものの
やはり決定的なものは何も無かった…
それとも私たちはもしかして誰かに意図的にうごかさているのかもしれない
そうも思い始めるようになってしまった
ちなみに子供達はユレアの部屋で遊んでいます。
こんな会議なんて面白みも何も無いですからね
彼女らとって私たちは無私もとい無視な対象〜?
「なぁ…」
「なに?ゼータ…」
今までずっと手を組んで黙っていたゼータが口を開いた
どうやら話そうか話すまいかを考えていたようですね
「俺…パイって男…知ってるかもしれない」
「なんだって!?」
兄さんが勢い良く椅子から立ち上がり…椅子が大きな音を立てて倒れる
兄さんは「失礼」と一言挨拶をすると椅子を直して座りなおした
「で、お前の知っているパイってのは…誰だ?」
「オレの記憶が正しければ…多分それは」
「俺を捕まえた奴だ」
「ちょっとっ!ゼータを捕まえてた人とタウをあんなにした人が同一人物!?」
「いや、考えれない事は無いぞ。」
兄さんが私を押さえて…静かに意見を言った
「冷酷卑劣な相手だ。動機は十分あるぞ?」
「そうだわねぇ…もしかして朱雀の言う『よくないこと』ってのもそいつかもしれないわよ?だって…ゼータ君ってバーリィ出身でしょ?」
「え?あ、ハイ」
「んでもって…そいつが…貴方達の両親方を知ってるかもしれないわ」
「「え?」」
私と兄さんの声がはもる
「だって、貴方達今まで4大国を旅してきたんでしょ?残るはバーリィだけじゃない。じゃぁそこに残る資料があるって訳。簡単な事よ」
理屈で言えばそうなりますが…そう上手くなるか…
妖しいところです
『それなら膳は急げよ!早くバーリィに行って頂戴!!』
「そ、そんな無茶苦茶な…」
『いや、俺からも頼む』
四神二人から頼み事をされている兄
さすがに二人共に言われると引くに引けないのでしょう…
私だって…一緒の立場でしたらそうなります
「わ、解りましたよ…」
『急ですまないな…が、白虎の様子が気になるんだ』
「…西の四神様ですか?」
『あぁ…アイツ、感情の一部がかけていてそれを全て主人である召喚師に委ねているんだ。忠実信がとても高い……聞くところによると今の王はなにやらよくないことを企んでいるらしい…そんなことに白虎を使われたら…それこそ滅亡を招くッ
だから…俺から頼む』
「……解りました。んじゃシータ。ゼータ。早速荷物をまとめるぞ!」
「明日あたりに出発します」
『えぇ〜今日は駄目なの?』
朱雀が不機嫌そうにこちらを見る…
うっ
『朱雀。無茶を言うな、彼らには彼らなりのペースがある。お前は飛んでいけるから早く着くが…こいつらは歩いていかねばならんのだぞ!』
『んなこったぁわかってるわよトカゲ男』
『だ、誰がトカゲお・・・』
蒼龍が怒鳴ろうとしたところを朱雀はその口を手で抑えた
『だから私が背中に伸してあげるってのに…』
「「「え!?」」」
『私が鳳凰の姿になってバーリィまで飛べば良いんでしょ?それなら一日でつくんじゃないかしら?』
「い、良いんですか!?」
私が歓喜の声を上げると、朱雀は人差し指を口の前に持ってきて
「静かに」のジェスチャーをした
『そのかわり、このことはユレアには内緒にしておいて…あいつ、何でかしら無いけどわたしの背中に乗りたがるのよぉ!!』
「それで一つも逃げてんのよね〜朱雀☆」
どうやら朱雀はユレアが苦手なようですね…
なんだか蒼龍とイオタの関係みたい…?
そう思うと少し微笑ましく感じました
「んじゃ、今日はもう遅いし…明日のために早く寝ましょ」
「ファイ…」
ソーディスを出る直前。オレはファイを呼んだ。
みんなのいる前で…いや、なるべくいないほうが良かったのだがな…
「何?」
「そ、その……」
「エータの兄ちゃんッ!!さっさとしないと追いてっちまうぞ!!」
怒鳴り声に近い大きい声を出すイオタ。
何処となしか起こっているようにも聞こえなくも無いが…
それはオレがこうやって悠長をしているからだと自己解決をすると、ファイに本題を話した
「帰ってきたら……結婚してくれないか?」
誰がどう聞こうが…これは正真正銘のプロポーズだ。
兄さんの台詞に私は耳まで真っ赤にした
な、何もこんなみんなのいる場所で言わなくても―ッ!!
自分の事じゃないのにこんなに恥ずかしくなるのは何でだろう?
ふと、横にいるゼータと目が合ってしまった
なんだか目が放せなくてじっと見ていると…ゼータのほうが真っ赤になって顔をそらした
……そ、それってどう言う意味よ〜!!
人のプロポーズを聞いてここまで舞い上がれる私もどうかしているだろう…
ようやく顔の赤みが引いてきたとき、イオタの顔が見えた
歯を食いしばって…何を考えているんでしょう?
「……エーティアル君?」
「え、あ……」
「……ごめんなさい」
「へ?」
ファイからの返答にオレは情けない声を上げてしまった。
「ごめんなさい」ってことはつまりだな…えー…
「私、もう婚約してるのよ」
「あはははははははっ!!!!」
その声に何故かイオタが笑い出した。
「振られてやがんのー!あほらしー!!」
「っ!なんだとてめぇ!!一回殴る!!」
「やぁなこったぁ!!へへッ!!」
オレは顔を真っ赤にして真剣に怒る…が、それと同時に何かの"糸"が切れたような感覚がした。
肩がすっきりして…気分がいい。
真剣に怒っていたはずが、その気持ちよさに遊びと化してしまう。
そしてオレはそのまま…ソーディスを離れていった
「ちょ、ちょっとまってよー!!」
「は、ハハハ…見事に置いていかれたみたいだな」
置いていかれた私たちはファイに向かって一礼し、走り出そうとした
その時、ユレアがボソリと言った言葉
「これで…イオタも元通りやなっ!」
確かにそうだ…イオタはここに着てから何かと不機嫌そうだった
それが今さっき吹っ切れたように明るくなった
全く…やっぱり師匠は何でもお見通しなのね
「ファイさん!ユレア!本当に有り難う!!」
そう言って私はゼータと一緒に兄さんたちを追いかけた
朱雀の待つ塔に向かって…
「相変わらずにぎやかですね。」
「あらっ!デルタ。きてたの??」
「えぇ、今さっき…」
「良いんですか?初恋の人なんでしょう?」
「良いのよ。だって、エーティアル君にはもう相手がいるものっ」
「そうですね。意外とお似合いですよね〜」
「そして…私にもね」
「……ファイ…」
「愛してるわ……デルタ」
朱雀の章 第参拾五話 END
作者の後書き
よっしゃぁぁぁーーー!!一日で5話分書いてやったぁぁー!!
(31話からぶっ通しで書いていたらしい)
そのため内容の通りはよくなってます…中身は無いけど;;;
個人的に凄くお気に入りの章かもしれませんっ!なんだか内容が自分好みに仕上がってるような気がします…
というかなんか意外性が高かったです。前章以上に(苦笑)
そして前章のテーマであった「愛」が前章以上に語られてるかも…
お、思わぬ結果;;;
でもエータ君の失恋は結構前から考えてました(笑)むしろファイさん死んじゃってたかもしれないし…(をい)
まぁそう簡単に人は殺したくないので「失恋」という形でもってきました。
まさか相手がデルタとは…考えてた人っていました?(笑)
さて、次は一番波乱になるかもしれない章です(いや、一番は最終章なんですけどね)
引き続きt&sをよろしくお願いします!
水浅葱木賊
ろう・ふぁみりあの勝手な戯言〜
かなりはしゃいでたかも自分。
いやぁ、初のエータ君のラブラブ路線でしたねぇ。
てゆーか、いきなりプロポーズっすかぁ!? プロポーズっすねぇ、やるなぁ(ああ、なんかシータさんと以下略だ今回(笑))。
しかも失恋。
主人公が幼馴染をフるってぇのはよくありますけど逆っすか。
しかも相手がデルタさん―――「誰ですか? それ?」状態でした自分(おひ)。
いやだって、前章の男性キャラといえばミュー君が一番印象に残ってるとか何とかー(言い訳)。
そういえば、スカウリングラッシュ神は、また出てくるんかなーとか(誤魔化し)。
何はともあれ、ラヴが苦手な今回、最初から最後まで「うきゃー」とか奇声あげてました自分(苦笑)。
さてさて、ここにきてゼーちゃんの昔の男が発覚!?(くをら)
さぁ、ゼーちゃん、次章の主役は君に違いないッ!(笑